老後の安心を手に入れる!資産形成の重要性やおすすめの運用方法とは?

投資

20代や30代のうちから老後の資金準備に取り組むことで、少しずつ確実に資産を増やし、将来の安心を手に入れることができます。しかし、「具体的にどのくらいの資金が必要で、どうやって積み立てるのがよいのか」といった悩みを抱えている人も多いでしょう。

この記事では、老後に向けた資産形成の重要性や、必要な老後資金額、おすすめの資産形成方法を解説します。併せて、資産形成を無理なく続けるためのコツも紹介しているので、豊かな老後を迎えるためにやるべきことを知りたい人はぜひ参考にしてください。

老後に向けて資産形成が必要な理由

資産形成とは、貯金や資産運用を通じて、将来必要になるお金を準備していくことです。老後になってから「お金が足りない…」とならないためにも、今から準備を始めましょう。

超高齢化社会になってきている

日本は「人生100年時代」を迎え、老後の生活期間が長くなっています。これに伴って、老後に必要な資金も増大しています。

一方で少子高齢化の影響により、年金制度はますます厳しさを増しており、将来的に年金支給額が減額されたり、支給開始年齢が引き上げられたりする可能性も否定できません。

厚生労働省の「令和6(2024)年財政検証」によると、過去30年間と同程度の経済状況が続いた場合、給付は目減りすることが予測されています。

引用:厚生労働省|令和6(2024)年財政検証結果の概要

そのため、年金だけで老後の生活を賄うのは難しい可能性があるため、自助努力で老後資金を準備する必要性が今後高まっていくでしょう。

もちろん、老後に働くという選択肢もありますが、健康寿命には限りがあります。なるべく早めに老後資金を準備しておくことが、ゆとりのある老後生活を過ごすために大切です。

インフレに備える必要がある

インフレとは、商品やサービスの値段が継続的に上昇していく現象を指します。たとえば、貯金箱に100万円を入れてそのままにしておくと、今はその100万円で買えるものであっても、インフレが進むと同じ金額では買えなくなってしまうかもしれません。このように、ただ単にお金を貯めておくだけでは、インフレの影響で実質的なお金の価値が目減りしてしまいます。

インフレによる資産価値の低下を防ぐためには、資産を上手に運用して増やす工夫が必要です。たとえば、銀行の定期預金より高い利回りが期待できる投資信託や株式、債券などに投資することで、資産を増やしてインフレに備えられるでしょう。

若いうちから老後に向けた資産形成をするメリット

若いうちから資産形成を始めると、長期間にわたり積み立てることができるため、毎月の積立額が少額であっても大きな資産を築くことが可能です。

たとえば、10年間で毎月5万円を積み立てた場合、最終的には600万円が貯まりますが、30年なら毎月3万円の積み立てでも1,000万円以上を貯められます。

さらに、複利効果を活用することで、資産を効率的に増やせるのもメリットです。複利効果とは、元本に加えて運用で得た利益も再投資することで、利益が利益を生み、膨らんでいく効果を指します。複利効果は、資産形成を早く始めるほどその効果は大きくなります。

また、若いうちから資産形成を始めることで、仮に運用に失敗したとしても、挽回するための時間が残されています。たとえば、20代で投資を開始して30代で損失を出した場合でも、40代以降に別の投資手段を試したり、収入で損失をカバーしたりすることが可能です。

【シミュレーション】老後資金はいくら準備しておくべき?

安心して老後を迎えるためには、いくら準備しておけばよいのか「平均的な生活を送りたい場合」と「ゆとりある生活を送りたい場合」の2つのケースに分けて解説します。

平均的な生活を送るケース

日本年金機構のデータによると、令和6年4月分からの年金額は夫婦二人で約23.0万円※です。
※昭和31年4月1日以前生まれの場合、平均標準報酬43.9万円で40年間就業した場合の年金額

引用:日本年金機構|令和6年4月分からの年金額等について

一方、総務省より公開している2022年(令和4年)家計調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯の平均支出は毎月約26.9万円です。

引用:総務省|2022年(令和4年)家計の概要

よって、毎月年金だけで生活する場合は、「3.9万円(26.9万円-23.0万円)」が不足します。65歳時点での平均余命は男性19.52年、女性24.38年なので、夫婦二人で過ごす老後期間を約20年とすると、「936万円(3.9万円×12ヶ月×20年)」を年金とは別に用意しておかなければなりません。

ゆとりある生活を送るケース

生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、ゆとりある老後を送るために必要と考える生活費の平均は37.9万円です。一方、令和6年4月分からの年金額は夫婦二人で約23.0万円なので、年金のみだと毎月14.9万円が不足します。

引用:生命保険文化センター|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査

夫婦二人で過ごす老後期間を約20年とすると、「3,576万円(14.9万円×12ヶ月×20年)」もの金額を、65歳を迎えるまでに用意しておく必要があります。

老後に備えて資産形成をするときのコツ

老後に向けた資産形成をする際は、計画的に取り組むことが大切です。ここでは、資産形成を効果的に進めるためのコツを紹介します。

目標を明確にする

資産形成を始める前に、まずは、自分がどのような老後を過ごしたいのかを明確にしましょう。「最低限の生活を過ごせればよい」と考えている場合と「旅行や趣味を楽しみながらゆとりある生活を送りたい」と考えている場合では、必要な老後資金が大きく異なります。

そのうえで、現在の生活費や予想される年金額、物価の上昇率などを考慮して、自分が準備すべき金額を算出しましょう。このようにプロセスを踏むことで、現実的で達成可能な目標を立てられます。目標を明確に決めることで、資産形成のモチベーションも保ちやすくなるでしょう。

先取り貯蓄を意識する

資産形成を成功させるためには、「先取り貯蓄」の習慣を身につけることが重要です。先取り貯蓄とは、収入が入ったタイミングで一定額を貯蓄へ回し、残ったお金を生活費として使う方法を指します。

多くの人は、毎月の生活費や固定費の支払いを済ませた後、余った分を貯金しようと考えがちです。しかし、この方法では手元のお金をつい使い込んでしまい、計画通りにお金が貯まらないことがあります。

先取り貯蓄を実践すれば、収入が入った時点で貯蓄が確保されるため、残ったお金で生活することとなり、自然と支出を抑えられます。結果として、計画的に資産を増やすことができ、資産形成が着実に進むでしょう。

分散投資を心がける

資産形成を進める際は、リスクを減らすために「分散投資」を心がけましょう。分散投資とは、資金を一つの投資先に集中させず、複数の異なる投資先に分けて投資する方法のことです。

たとえば、全てのお金を株式に投資するのではなく、一部は債券・預金・不動産に回すといったように投資先を分けることで、もし一つの投資がうまくいかなくても、他の投資がカバーしてくれる可能性が高くなります。つまり、大きな損失を避けながら、安定した資産形成を目指せるのが分散投資のメリットです。

老後に向けたおすすめの資産形成方法

ここでは、老後資金の確保に役立つおすすめの資産形成方法を紹介します。

家計を見直して節約をする

資産形成の第一歩は、家計を見直し、無駄な支出を削減することです。特に固定費の見直しは、大きな節約効果が期待できます。

たとえば、光熱費やスマホの契約プランを変更したり、生命保険の保障内容を見直したりすることで、毎年の支出を減らせる場合があるでしょう。そして、節約で生まれた余剰資金を貯蓄や投資に回すことで、資産形成のペースを加速させることが可能です。

iDeCoを活用する

iDeCoは老後資金を準備するために設けられた、私的年金制度です。加入者は毎月一定額の掛金を拠出し、自分で選んだ投資商品で運用します。

iDeCoは長期運用を前提としているため、複利の効果を最大限に活用でき、老後の安定した資産形成に大いに役立ちます。運用益が非課税になるほか、掛金が全額所得控除の対象となり、所得税や住民税の負担を軽減できるメリットもあるため、節税対策をしながら効率的に老後の生活資金を準備したい人におすすめです。

NISAで積立投資をする

NISA(少額投資非課税制度)は、年間一定額までの投資に対する運用益が非課税となる制度です。非課税で保有できる期間は無期限なので、より効率的に長期的な資産形成ができます。

NISAには「成長投資枠」と「つみたて投資枠」の2つの非課税枠があり、これらの非課税枠をフル活用することで、最大で月々30万円までの積立投資が可能です。

個人年金保険に加入する

個人年金保険は、民間の生命保険会社が提供しており、一定の年数保険料を払い込むことで、60歳や65歳など契約時に決めた年齢から年金を受け取れる保険です。

個人年金保険の魅力は、契約時に年金額がいつまで・いくら受け取れるか決まっている点にあります。投資に不安がある方でも、安定して老後資金の準備をすることが可能です。保険料は生命保険料控除の対象となるため、所得税や住民税の負担を軽減できます。

まとめ

老後の生活期間が長くなる一方、年金制度の先行きは不透明な部分があります。預貯金だけに頼っていると、インフレによって資産価値が目減りする可能性もあるため、なるべく若いうちから計画的に資産形成に取り組むことが大切です。

資産形成を行う際は、まず具体的な目標額を設定して、固定費の見直しや先取り貯蓄など、無理なく続けられる方法から取り組みましょう。

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オカネノホンネ編集部

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