投資信託と株式投資どっちがいい?9つのポイントで徹底比較!

投資

2024年に新しいNISA制度がスタートしたことをきっかけに、資産運用に興味を持ち始めた人は多いでしょう。しかし「投資信託」と「株式投資」のどちらが自身に合っているのか悩んでいる人もいるのではないでしょうか。

本記事では、投資信託と株式投資の違いについて、さまざまな項目で比較しながら解説します。自身に適した投資スタイルを見つけたい人は参考にしてください。

投資信託とは?

投資信託(ファンド)とは、投資家から集めた資金を1つにまとめて、運用の専門家(運用会社)が株式や債券、不動産など国内外のさまざまな資産に投資する商品です。

そこから得られた利益は、投資額に応じて、それぞれの投資家に分配されます。投資対象や割合は、投資信託ごとの運用方針に基づいて決定されます。

株式とは?

株式とは、企業が事業に必要な資金を調達するために発行する有価証券です。金融商品取引所に上場している企業であれば、証券会社を通じて売買できます。

なお、未上場企業の株は、証券取引所を通じて売買することはできませんが、当事者間で合意さえすれば取引は可能です。

投資信託と株式投資を9つのポイントで比較

投資信託と株式投資は、以下のようにそれぞれ異なる特徴があります。

投資信託 株式投資
投資対象 複数の銘柄や資産 特定企業の株式
運用方法 投資のプロが運用 投資家自身が運用
リスク・リターンの大きさ 株式より小さい傾向 投資信託より大きい傾向
最低投資資金 100円程度 数万円程度
手数料 購入手数料・信託報酬・信託財産留保額 取引手数料
得られる利益 売買益・分配金 売買益・配当金・株主優待
銘柄数 5,936本(2024年6月末時点) 3,948社(2024年7月11日時点)※東証
購入先 証券会社、銀行、郵便局 証券会社
取引時間 当日の基準価額で注文が成立するのは当日の15:00まで 売買が成立するのは平日の9:00~11:30、12:30~15:00
※国内株式の場合

以下では、投資信託と株式投資の違いについて、9つのポイントに分けて詳しく解説します。

投資対象

投資信託は、1つの商品で「複数の銘柄や資産」に投資できるのが特徴です。株式を中心に投資するファンドを購入した場合、複数企業の株式が含まれた商品に投資することになります。

一方で、株式投資の場合は、自身で選んだ「特定企業」の株を、その会社の成長や利益を期待して購入することになります。

運用方法

投資信託では、プロの「ファンドマネージャー」が運用を行います。売買や銘柄の入れ替えなどはプロに任せられるため、投資家は投資する投資信託を選んで資金を預けるだけでよく、運用の手間をかける必要がありません。

一方で、株式投資では銘柄選びから売買のタイミングまで、基本的には全て「自身」で決めることになります。業績のよい企業や成長が期待できる企業の株を選ぶには、金融に関する知識やスキルを身につける必要があります。

リスク・リターンの大きさ

投資信託は、分散投資によってリスクを抑えやすくなっているのが特徴です。投資信託は、複数の株式や債券に投資するため、1つの銘柄のパフォーマンスが悪くても、ほかの銘柄で補えます。

一方で、株式投資の場合は、特定企業の業績などの影響を大きく受けるため、短期間で株価が大きく変動することがあります。そのため、投資信託よりもハイリスク・ハイリターンといえるでしょう。

ただし、双方とも元本割れのリスクがある点や、銘柄によってリスク・リターンが異なる点は共通しています。

最低投資資金

投資信託は、少額から始められるのが魅力です。口数指定だけではなく、金額指定での注文もできるため、証券会社によっては100円程度から購入できます。

株式投資では100株単位(1単元)で取引するため、1株数百円~数千円だとしても、最低数万円~数十万円の費用が必要です。ただし、1単元に満たない株数でも取引ができる「単元未満株」のサービスを提供している証券会社もあります。

手数料

投資信託には、購入手数料や信託報酬、信託財産留保額などの手数料がかかります。信託報酬とは、投資信託の運用・管理にかかる費用であり、保有期間中に毎日発生します。なお、信託財産留保額とは、投資信託を解約する際にかかる費用のことです。

証券会社やファンドによって、購入手数料や信託財産留保額がかからないケースもありますが、信託報酬はごく一部のファンドを除いて、基本的に発生することを理解しておきましょう。

一方で、株式投資では売買する際に取引手数料が発生します。手数料の金額は証券会社によって異なりますが、総合証券会社は対面での相談に対応している分、ネット証券よりも割高になることが一般的です。

ネット証券は、取引金額に応じて手数料がかかるプランや、1日のうち一定金額までの取引に一律の手数料がかかるプランなど、さまざまな手数料体系が用意されています。

近年では、今まで以上にネット証券間での手数料競争が激しくなっていることもあり、SBI証券や楽天証券などでは、所定の条件を満たした場合、国内株式の売買手数料は無料です。

得られる利益

投資信託で得られる主な利益は、「売却益」と「分配金」です。投資信託の基準価額は毎日変動しているため、基準価額が購入時よりも値上がりしたタイミングで売却することで、利益を得られます。

しかし、投資信託では、当日の基準価額がわからない状態でファンドの購入・換金の申し込みを行う「ブラインド方式」が採用されています。そのため、株式のように価格の推移をチェックしながらリアルタイムで売買することはできません。

さらに、投資信託は株式投資よりも値動きが小さい傾向にあるため、短期的な利益を狙う取引には向いていません。また、ファンドの運用方針によっては、運用収益を再投資に回す「分配金なし」のファンドもあります。

一方で、株式投資では、株価の値上がりによって得られる「売買益」のほかに、企業の利益を株主に還元する「配当金」や、企業から自社の商品やサービスの優待を受けられる「株主優待」などの利益を得られます。

銘柄数

個人・法人問わず、不特定多数の投資家が購入できる「公募投資信託」の本数は2024年6月末時点で5,936本です。証券会社によって取り扱っているファンドの種類や本数は異なります。

国内最大の東京証券取引所に株式を上場している企業は、プライム・スタンダード・グロースの各市場合計で3,948社です(2024年7月11日時点)。これらの銘柄は、基本的に国内の証券会社であれば、どこでも取引できます。

購入先

投資信託は証券会社だけではなく、銀行や郵便局の窓口を通じて購入することも可能です。ただし、取り扱うファンドの種類は、証券会社よりも少ない傾向があります。

一方で、株式は証券会社のみの取り扱いです。

以下では、証券会社を選ぶ際のポイントについて解説しています。気になる人はぜひご一読ください。

取引時間

投資信託は、インターネットから24時間いつでも注文可能です。ただし、当日の基準価額で注文を成立させたい場合は、当日の15時までに申し込みを済ませておく必要があります。15時以降の申し込みは、翌営業日が申込日となり、その時点の基準価額が適用されます。

株式の場合も同様に、注文自体はいつでも可能ですが、実際に売買が成立するのは証券取引所で取引が行われる「立会時間」のみです。この立会時間は、国内株式と海外株式で異なります。

・国内株式:前場(9:00~11:30)、後場(12:30~15:00)
・米国株式:夏時間(22:00~翌5:00)、冬時間(23:30~翌6:00)

なお、土日祝日や年末年始は休業日となっているため、取引が行えないので注意しましょう。

投資信託・株とNISAの違い

近年で注目度が高まっているNISAとの違いについて気になる人も多いでしょう。

NISAとは、投資で得た利益に税金がかからなくなる制度のことです。投資信託や株は「金融商品」であるのに対して、NISAは「金融商品を運用する際に活用できる制度」といった違いがあります。

なお、NISA口座(非課税口座)では、金融庁が定める一定の要件を満たした投資信託や株式の取引が可能です。

投資信託が向いている人

投資信託は、プロのファンドマネージャーが運用を行うため、運用の手間をかけたくない人や投資の経験が少ない初心者に適しています。

また、証券会社によっては100円程度から投資できるため、資金が少ない人や大きな損失を避けたい人にも向いているといえます。

以下では、当メディアがおすすめする投資信託について紹介しています。投資の特性上、確実に利益を得られるとは限らないため、参考程度に確認してみてはいかがでしょうか。

株式投資が向いている人

株式投資は、銘柄選びや売買のタイミングを自身で決められる自由度の高さが魅力です。相場の変動を利用した短期取引や、企業の成長に期待する長期保有など、自身の投資スタイルに合わせて戦略を立てられます。

また、銘柄によっては短期間で大きく値上がりするケースもあるので、高いリターンを求める人にも適しているでしょう。

ただし、株式投資を始めるには、数万円から数十万円の資金が必要になります。

まとめ

投資信託は、投資家に代わって運用する商品であり、少額から始められる点が魅力です。リアルタイムでの売買はできませんが、複数の銘柄に投資するためリスクが分散されやすいという側面があります。長期投資が基本となるため、こまめに売買する必要がないという点では普段から忙しく、投資に時間を取れない人でも取り組みやすいといえるでしょう。

一方で、株式投資は特定企業へ投資する方法であり、投資信託よりも高いリターンが期待できます。投資を始めるには、最低数万円の資金が必要になりますが、金融に関する知識やスキルを身につけることに対して前向きな人は、チャレンジしてみましょう。

投資信託と株式投資には、それぞれメリット・デメリットがあるため、どちらがよいとは一概にいえません。この記事で紹介した内容を参考に、自身に合った投資方法で資産運用を始めてみてはいかがでしょうか。

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オカネノホンネ編集部

オカネノホンネ編集部

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