生命保険を更新しないとどうなる?更新のメリット・デメリットを比較しよう

保険全般

生命保険の更新時期が近づくと、「更新すべきか」悩む人もいるのではないでしょうか。更新しないと保険がどうなるのか、更新することでどのようなメリットを得られるのかなど、さまざまな疑問が思い浮かぶはずです。

そこで本記事では、生命保険を更新しない場合の影響や、更新するメリット・デメリットをわかりやすく比較します。自分に合った保険を選択するために、本記事の内容を参考にしてください。

生命保険を更新しないとどうなる?

生命保険の更新とは、5年や10年などの保険期間が終了したあとも、契約時の健康状態に関係なく、原則として同じ保険金額・保険期間で契約を継続できる制度です。基本的に契約者から申し出がなければ、契約は自動更新されます。なお、新たな申し込みや告知は不要です。

更新しなかった場合は保険契約が満了となり、保障がなくなります。そのあとに新しい保険への加入を希望しても、健康状態によっては保険会社の審査を通過できない可能性があるため、慎重に判断することが大切です。

生命保険を更新する3つのメリット

生命保険を更新することには、以下のようなメリットがあります。

  • 手続きに手間がかからない
  • 健康状態に関係なく保障を継続できる
  • 保障の空白期間が生まれない

それぞれについて、以下で詳しくみていきましょう。

手続きに手間がかからない

生命保険を更新するメリットとして、手続きに手間がかからないことが挙げられます。一般的に、新しく生命保険に加入する際は、申込書の記入や医師の診査(保険会社の指定した医師が健康状態をチェックすること)、告知(保険会社に現在の健康状態や過去の傷病歴を伝えること)が必要です。

ネット上から自分で手続きをする「ネット保険」の場合は、数分で手続きが完了することもあります。しかし、保険会社や保険代理店から加入する場合は、担当者と何度か直接会って手続きを行う必要があります。そのため、手続きだけでも数時間かかるでしょう。さらに、書類に不備があれば、契約成立までに多くの手間と時間がかかります。

一方で、更新するだけであれば、基本的に特別な手続きは必要ありません。保険会社から届く更新案内の書面に目を通したうえで問題がなければ、これまでと同じ保障内容が継続される仕組みになっています。

健康状態に関係なく保障を継続できる

健康状態に関係なく、これまでと同じ保障を継続できるのも生命保険を更新するメリットです。

新しく生命保険に加入する場合は、告知や診査の結果をもとに、保険会社が加入の可否を判断するため、申し込み時点で持病や既往症がある場合には、加入できないこともあります。

一方で、更新をする場合は告知や診査が不要です。そのため、以下のようなケースでも基本的に契約を継続できます。

  • 持病で通院している場合
  • 健康診断で異常を指摘されている
  • 大病を患って直近で入院や手術をしている

このようなケースで新規で保険に加入しようとすると、健康状態の告知が緩和された商品を選ぶ必要があり、毎月支払う保険料が高くなってしまうでしょう。

保障の空白期間が生まれない

更新をすると、保障の空白期間を生じさせずに済むというメリットもあります。保障の空白期間とは、現在の契約から新しい契約に乗り換える際に生じる無保険の期間です。

たとえば、以下のようなケースでは保障の空白期間が生じてしまいます。

  • 新しい保険の保障がスタートする前に現在の保険を解約してしまった
  • 申し込みを機に現在の契約を解約したものの、新しい保険の審査が通らず加入できなかった

空白期間中は、既存の契約と新しい保険のどちらにも加入していない状態になるため、万が一のことがあったとしても保障は一切受けられません。

一方で、更新した場合は、契約が途切れることなく継続されるので、空白期間は生じません。そのため、保険期間中に万が一のことが発生しても対処できる点は、大きなメリットといえるでしょう。

生命保険を更新する2つのデメリット

生命保険の更新にはメリットだけでなく、以下のデメリットもあります。

  • 保険料が高くなるケースが多い
  • 自分に合わない保障内容を継続してしまう可能性がある

上記のデメリットを考慮したうえで、更新すべきか慎重に判断しましょう。

保険料が高くなるケースが多い

更新を行うと、更新時の保険料率や年齢によって保険料が再計算されるので、更新前よりも保険料は高くなるケースが一般的です。年齢を重ねるたびに保険料がどんどん高くなっていき、気付いたら保険料が高額になっていたというケースもあります。

もちろん、更新をせずに新しい保険に加入するとしても、契約時点の年齢に基づいた保険料で計算されます。そのため、高齢になってからほかの保険に加入する場合は、保険料が高くなってしまうでしょう。

自分に合わない保障内容を継続してしまう可能性がある

一般的に、ライフステージが変化すると、必要な保障や支払える保険料なども変わります。たとえば、幼い子どもがいる世帯と比べて、子どもが自立している世帯では死亡保障の必要額は少なく済む可能性が高いでしょう。また、40~50代に比べると、60代以降は収入源が限られることも多いため、高額の保険料を支払うのは難しいケースもあります。

しかし、更新した場合は、従来と同じ保障内容をそのまま継続することになるため、保障の過不足が生じる可能性があります。一方で保険料は高くなるので、家計への負担が大きくなってしまう可能性もあるでしょう。

また、自分のニーズに合わない保障内容で加入することになるため、なるべく更新のタイミングで保険の見直しを行ってください。特に加入から一定年数が経過している場合は、見直しの必要性が高いといえます。

なお、弊社で行った「全国1万人のお金の実態調査 2024年」では、加入から7年以内に約半数の人が保険の見直しを行っていることがわかっています。

詳しくは後述しますが、保険を見直す場合は新しい保険に加入する以外にも、保障内容を調整(保険金額の増額・減額など)したうえで更新する方法もあります。

生命保険を更新したほうがよい人の特徴

以下の特徴が当てはまる場合は、生命保険の更新を中心に検討したほうがよいでしょう。

  • 新しい保険の検討や加入手続きをする時間がない人
  • 保険期間中に健康状態が悪化してしまった人
  • 必要な保障内容が大きく変化していない人

仕事や家庭の事情で多忙な人にとって、新たに保険を選ぶ時間を確保するのは難しいでしょう。しかし、更新をする場合は基本的に特別な手続きが必要ありません。

また、健康状態が悪化してしまった場合は、新しい保険への加入が難しくなります。更新では、告知や審査が不要であるため、健康状態に関係なく契約を継続できることがほとんどです。

前回の更新からライフステージや家計の状況に大きな変化がない場合は、更新して現在の保障内容をそのまま継続するのが、ベストな選択になることもあるでしょう。

生命保険を更新しないほうがよい人の特徴

以下の特徴が当てはまる場合は、生命保険を更新せずに他の保険への見直しを検討することおすすめします。

  • 対処すべきリスクや必要な保障内容に変化がある人
  • 保険料が保障内容に見合わないと感じている人

結婚や出産、住宅購入などライフイベントの変化があった場合、加入中の保険では、リスクを十分にカバーできない可能性があります。

また、更新によって保険料が高くなり、現在の保障内容に対して割高だと感じる場合は、他社の商品を比較検討してみましょう。

生命保険の更新方法

生命保険を更新する際には、現在の契約をそのまま継続する(自動継続)だけではなく、保障内容を調整する方法もあります。

そのまま更新する

現在の保障内容に満足している場合は、そのまま更新するのがおすすめです。保険期間や保険金額など、更新前と同じ保障内容で継続されます。

ただし、一部の特約については、年齢を重ねると更新できないこともあります。また、80歳や90歳など一定年齢を迎えると、主契約の更新もできなくなるため、注意しましょう。

保険金額を増額・減額する

ライフステージやニーズの変化に対応するために、更新時に保険金額を増額・減額するという方法もあります。

保障内容を充実させたい場合は、保険金額の増額(例:死亡保険金額を500万円から1,000万円に増やす)や、特約の中途付加(例:主契約にがん特約を付加する)を検討しましょう。

ただし、告知や診査が必要になるため、必ず保障を増額できるとは限りません。また、増額時点での年齢や保険料率で計算した保険料を払い込むことになるので、家計への負担が大きくなることもあります。

保険料の負担を軽減したい場合や不要な保障を減らしたい場合は、保険金額の減額もしくは不要な特約を外すことを検討しましょう。なお、減額する場合には、告知や診査は不要です。商品や契約期間によっては、解約返戻金を受け取れる場合もあります。

生命保険の乗り換え方法

生命保険を乗り換える際の一般的な手順は、以下の通りです。

1.加入する商品・プランを検討する
まずは、現在のライフステージや将来のリスクを見据えて、自分に合った保険商品やプランを選びましょう。自分だけで決めきれない場合は、保険代理店やFP(ファイナンシャルプランナー)などの専門家に相談することをおすすめします。

2.申し込みをする
申し込み時には告知のほか、診査(保障内容による)が必要です。告知義務違反にならないように、ありのままの健康状態を告知しましょう。

3.保険料を払い込む
契約申し込み・告知(診査)・第1回保険料の払い込みが全て完了し、生命保険会社が契約を承諾した段階で契約が成立します。

4.契約成立後にこれまで加入していた保険を解約する
空白期間を生じさせないためにも、新しい保険の契約が成立してから解約することが大切です。

まとめ

この記事では、生命保険を更新しないとどうなるのかについて、解説しました。

保障を継続したい場合、更新するもしくは新しい保険へ乗り換えるかを選択することになるでしょう。しかし、安易に乗り換えることを選択するのは危険です。なぜなら、現在加入している保険以上の保障を受けられない可能性もあるためです。現在の契約よりも不利な条件にならないためにも、まずは保障内容の見直しを行ってみてください。

そのうえで、保障内容を変更する必要があると感じる場合は、新しい保険へ乗り換えるもしくは、保険金額の増額や減額を伴う更新を行うことをおすすめします。

また、現在の保障内容で十分だと感じた場合や、健康状態の面で他の保険に加入するのが難しいと感じた場合などは、加入中の保険を更新するのもよいでしょう。

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オカネノホンネ編集部

オカネノホンネ編集部

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