【2023年度】おすすめのがん保険10選!がん保険の必要性や選び方について年代別に紹介

医療保険

治療が長期化したり、治療費が高額になりがちながんに対して手厚く備える「がん保険」。「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、民間の生保加入世帯のうち約66%の世帯が、がん保険やがん特約に加入しているというデータもあります。

加入した保障内容が古く見直しを考えている人や、がん保険がなぜ必要性について悩んでいる人もいるでしょう。

この記事ではがん保険の選び方やがん保険の必要性などを詳しく解説します。おすすめのがん保険も紹介していますので、最適ながん保険を選ぶための参考にしてください。

目次

おすすめのがん保険10選

ここでは、保険料の安さや保障内容の充実さを基準におすすめといえるがん保険10選を紹介します。実際に加入を検討する際の参考にしてください。

アクサダイレクト生命|アクサダイレクトのがん終身

基本保障
  • がん入院給付金
  • がん診断給付金
特約
  • 抗がん剤治療特約
  • がん手術給付特約
  • がん先進医療特約
  • がん退院療養特約
  • がん無事故給付特約
  • 女性がん入院特約
保険料例 1,710円 ※30歳男性・診断一時金100万円・入院給付金10,000円
保険期間 終身
契約可能年齢 満20歳~満69歳
払込方法 月払

参考:アクサダイレクト生命「アクサダイレクトのがん終身

アクサダイレクト生命の「アクサダイレクトのがん終身」は、保険料が一生涯変わらないがん保険です。インターネットを通して手軽に申し込めるプランとなっており、人件費をはじめとする販売経費がかからない分、手ごろな保険料で申し込めます。

この保険は、全ての部位のがんを初期段階からしっかりカバーできることが魅力です。一般的ながん保険では、がんの進行度合いに合わせて受け取れる給付金額が変わります。しかし、アクサダイレクトのがん終身では、初期のがん(上皮内新生物)でも満額の保障が受け取れるのが特徴的です。

特約を付加することで、三大治療(手術・放射線治療・抗がん剤治療)や退院後の療養に対しても給付金が受け取れるようになります。

アクサダイレクト生命「アクサダイレクトのがん終身」への加入が向いている人

l  初期のがん(上皮内新生物)に対しても手厚い保障を備えたい人

l  普段忙しく、保険の手続きをするための時間が確保しづらい人

ライフネット生命|がん保険 ダブルエール

基本保障 がん診断一時金
特約
  • 治療サポート給付金
  • がん収入サポート給付金
  • がん先進医療給付金
保険料例 2987円 ※30歳男性・がん診断一時金100万円・治療サポート給付金付加
保険期間 終身
契約可能年齢 18~70歳
払込方法 月払

参考:ライフネット生命「がん保険 ダブルエール

ライフネット生命の「がん保険 ダブルエール」は、加入者のニーズに合わせてシンプル・ベーシック・プレミアムの3タイプのコースを選べるがん保険です。終身タイプで、保険料は一生涯上がりません。

また、治療が長引きがちながん治療を支える「治療サポート給付金」を付加できることが特徴です。所定の手術・放射線治療・抗がん剤治療を受けた場合、入院・通院を問わず回数無制限で月1回10万円が給付されます。

がん収入サポート給付金を付加すれば、最大5回まで収入の減少分を補填できることも魅力です。通院治療がメインとなっている現在の医療事情に合わせた保障内容になっているといえます。

ライフネット生命「がん保険 ダブルエール」への加入に向いている人

l  入院治療・通院治療のどちらにも備えておきたい人

l  退院後の収入減少にも備えておきたい人

メディケア生命|メディフィットがん保険

基本保障
  • 抗がん剤治療給付金
  • 自由診療抗がん剤治療給付金
  • がん放射線治療給付金
  • がん手術給付金
  • がん骨髄移植給付金
特約
  • 先進医療・患者申出療養特約
  • がん診断特約
  • がん通院治療特約
  • がん入院特約
  • がん緩和ケア特約 など
保険料例 1,670円 ※30歳男性・Ⅰ型(10万円)
保険期間 終身
契約可能年齢 18~75歳
払込方法 月払・年払・半年払

参考:メディケア生命「メディフィットがん保険

メディアケア生命の「メディフィットがん保険」は、オプションが豊富でカスタマイズ性のある自由度が高いがん保険です。終身タイプで、保険料は一生涯変わりません。

この保険の特徴は、抗がん剤治療の充実度にあります。抗がん剤治療の保障が基本保障に含まれていることに加え、自由診療による抗がん剤治療を受けた場合も月に1回、24回を限度に給付金が受け取れる仕組みです。

さらに、特約を付加すれば、診断給付金や入院給付金、緩和ケア給付金などを受け取れます。保障を充実させたい人にも向いているがん保険です。

メディケア生命「メディフィットがん保険」への加入に向いている人

l  抗がん剤治療に対して重点的に備えたい人

l  ニーズに合わせて特約を選び保障を充実させたい人

チューリッヒ生命|終身ガン治療保険プレミアムZ

基本保障
  • 抗がん剤治療給付金
  • 自由診療抗がん剤治療給付金
特約
  • ホルモン剤治療給付金
  • 自由診療ホルモン剤治療給付金
  • ガン緩和療養給付金
  • ガン先進医療給付金
  • lガン診断後ストレス性疾病給付金 など
保険料例 1,605円 ※30歳男性・基準給付月額10万円・自由診療抗がん剤治療給付金20万円
保険期間 終身
契約可能年齢 満6歳~満80歳
払込方法 月払・年払

参考:チューリッヒ生命「終身ガン治療保険プレミアムZ

チューリッヒ生命の「終身ガン治療保険プレミアムZ」は、抗がん剤治療に対する保障がメインのがん保険です。主契約は抗がん剤治療の給付金のみとなっており、必要に応じてさまざまな特約を付加できます。保障は一生涯で、保険料はずっと変わりません。

主契約に含まれる自由診療抗がん剤治療給付金は、治療を受けた月ごとに給付金が最大で基準給付月額の4倍受け取れます。高額になりがちな自由診療を受ける場合も安心です。

さらに、手ごろな保険料で加入できることも魅力の1つ。30歳男性の保険料は1,765円、30歳女性の保険料は1,840円です。

※基準給付月額10万円・自由診療抗がん剤治療給付金20万円・がん治療特約・悪性新生物保険料払込免除・がん通院給付日額10,000円の場合

チューリッヒ生命「終身ガン治療保険プレミアムZ」への加入に向いている人

l  手ごろな保険料でがん保険に加入したい人

l  自由診療を含む抗がん剤治療に対して備えておきたい人

SBI損害保険|SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)

基本保障
  • がん入院保険金
  • がん通院保険金
特約 がん診断保険金
保険料例 923円 ※30歳男性・がん診断保険金なし
保険期間 5年(満90歳まで自動更新)
契約可能年齢 満18歳~74歳
払込方法 月払・年払

参考:SBI損害保険「SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)

SBI損害保険の「SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)」は、治療費を実費で補償するタイプのがん保険です。「医師100名の93%が勧めるがん保険」にも選ばれています。

自由診療の場合でも治療にかかった実費が無制限で補償されるのが特徴です(入院の場合、通院の場合は最大1,000万円まで)。

給付日数や支払い回数などの制限はなく、費用面を気にせず安心してがん治療に専念できます。基本的に保険会社から直接医療機関に保険金が支払われるため、治療費を立て替える必要がないこともうれしいポイントです。

ただし、5年ごとに更新があるため、年齢を重ねると保険料は高くなっていく点には注意しましょう。

SBI損害保険「SBI損保のがん保険(自由診療タイプ)」への加入が向いている人

l  費用面を気にせずがん治療に専念できる環境を整えておきたい人

l  60代以下の人

オリックス生命|がん保険Believe [ビリーブ]

基本保障
  • がん初回診断一時金
  • がん治療給付金
  • がん入院給付金
  • がん手術給付金
  • がん退院一時金
特約
  • がん先進医療特約
  • がん通院特約
保険料例 3,515円 ※30歳男性、基本給付金日額10,000円コース
保険期間 終身
契約可能年齢 0歳~75歳
払込方法 月払・半年払・年払

参考:オリックス生命「がん保険Believe [ビリーブ]

オリックス生命の「がん保険Believe [ビリーブ]」は、入院や手術から退院後の通院までをトータルで保障するがん保険です。

がん治療を開始すると、まとまった一時金(治療給付金)が2年に1回を限度として回数無制限で支払われることが特徴です。さらに、初めてがんと診断された場合は、治療給付金の倍額が「がん初回診断一時金」として支払われます。一時金と治療給付金のダブルで保障されるため、治療開始時における費用面の負担を軽減できるでしょう。

オリックス生命「がん保険Believe [ビリーブ]」への加入が向いている人

l  がんの入院治療に対して重点的に備えたい人

l  がん治療の開始時に手厚い保障を受けたい人

SOMPOひまわり生命|健康をサポートするがん保険 勇気のお守り(がん治療給付型)

基本保障
  • がん治療給付金
  • 自由診療抗がん剤
  • ホルモン剤治療給付金
  • 自由診療乳房再建給付金
特約
  • がん診断給付特約
  • 新がん先進医療特約
保険料例 2,260円 ※30歳男性・がん診断給付金特約付加・非喫煙者料率
保険期間 終身
契約可能年齢 6歳~80歳
払込方法 月払・半年払・年払

参考:SOMPOひまわり生命「健康をサポートするがん保険 勇気のお守り(がん治療給付型)

SOMPOひまわり生命の「健康をサポートするがん保険 勇気のお守り(がん治療給付型)」は、がん予防・早期発見時の治療・治療後のケアまでトータルでサポートするがん保険です。保障は一生涯で、保険料も加入時のまま上がりません。

非喫煙者は、割安な保険料で加入できることが特徴です。喫煙者でも契約後に1年以上禁煙に成功すると保険料率を変更できる「禁煙チャレンジ制度」といったユニークなサービスも用意されています。

基本保障の中に自由診療に対する給付金も含まれているため、治療費が高額になった場合も安心です。

SOMPOひまわり生命「健康をサポートするがん保険 勇気のお守り(がん治療給付型)」への加入が向いている人

l  非喫煙者または禁煙予定の人

l  自由診療に対して備えておきたい人

楽天生命|スーパーがん保険

基本保障
  • 抗がん剤治療給付金
  • ホルモン剤治療給付金
  • 放射線治療給付金
  • 手術給付金
特約
  • がん治療支援給付金
  • がん診断給付金
  • 入院給付金
  • がん先進医療特約
保険料例 1,370円 ※30歳男性・基本プラン(10万円)
保険期間 終身
契約可能年齢 20歳~75歳
払込方法 月払

参考:楽天生命「スーパーがん保険

楽天生命の「スーパーがん保険」は、インターネットから手軽に申し込みができるがん保険です。さまざまな保障をニーズに合わせて組み合わせられるようになっています。

支払った保険料の1%分の楽天ポイントを毎月受け取れることが特徴です。さらに、楽天カードで支払った場合、プラスで1%付与されるため、合計で保険料の2%分の楽天ポイントが毎月受け取れます。

楽天生命「スーパーがん保険」への加入が向いている人

l  普段から楽天経済圏を利用している人

l  手ごろな保険料で必要最低限の保障を確保しておきたい人

太陽生命|保険組曲Best がん・重大疾病予防保険

基本保障 がん・重大疾病予防保険
特約 なし
保険料例 1,308円 ※30歳男性・保険金額300万円
保険期間 10年
契約可能年齢
払込方法

参考:太陽生命「保険組曲Best がん・重大疾病予防保険

太陽生命の「がん・重大疾病予防保険」は、がんやがん以外の所定の重大疾病を手厚くカバーできる保険です。

がんと診断された場合は、治療内容にかかわらず一時金が受け取れます。がん以外の糖尿病や高血圧性疾患など、所定の疾患に該当した場合にも最大で2,000万円の一時金が支払われることが特徴です。

太陽生命「保険組曲Best がん・重大疾病予防保険」への加入が向いている人

l  手ごろな保険料でがんの一時金を備えておきたい人

l  がん以外の生活習慣病に対しても手厚い保障を確保しておきたい人

justInCase|わりかん がん保険

基本保障
  • がん診断一時金
  • 上皮内がん診断一時金
特約 なし
保険料例 ~3,190円 ※契約時の年齢により異なる
保険期間 1年
契約可能年齢 20~74歳
払込方法 月払

参考:just in Case「わりかん がん保険

just in Caseの「わりかん がん保険」は、少額短期保険会社であるjust in caseが販売するがん保険です。

「加入者同士の助け合い」をコンセプトとしており、保険金の支払い実績に応じて毎月の保険料が決定される点が特徴です。万が一、がんと診断された場合には80万円が給付されます。

一方、加入者全体で保険金の支払いがない場合は、保険料がかかりません。加入者が増えるほど保険料が安くなる仕組みを採用しているため、従来の保険と比べると割安な保険料で加入できる可能性があります。

また、保険金の支払いが多くなった場合も、契約年齢ごとに支払う保険料の上限が決められているため安心です。20~39歳の人は、毎月最大500円の保険料で加入できます。

Just in Case「わりかん がん保険」への加入が向いている人

l  コストパフォーマンスがよい保険に加入したい人

l  特定の期間のみ保障があれば十分な人

がん保険とは

がん保険とは、がんにかかった際の治療費をカバーする保険のことです。がんで入院や手術、放射線治療などを受けた場合に給付金が支払われます。契約開始から90日間程度の間は、「不填補期間」としてがんと診断されても保障の対象外となり、契約が無効となるのが一般的です。

保険会社によっては入院給付金だけでなく、がんと診断が確定された際にまとまった給付金が受け取れるタイプの商品に加入できる場合があります。

がん保険/がん特約の加入率

がん保険は、がん保険単体としてだけではなく、生命保険に特約を付帯する方法でも加入可能です。生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、民間生命保険会社や各種共済で取り扱うがん保険やがん特約の加入率は39.1%となっています。

ただし、特約に加入する場合、主契約の保険期間が終了すると、基本的に特約も自動的に消滅する点には注意しましょう。また、主契約は終身保障でも特約は一定年齢で終了するケースなどもあります。

三大疾病保障保険・医療保険との違い

下記の表は、がん保険・三大疾病保障保険・医療保険の一般的な違いをまとめたものです。

がん保険 三大疾病保障保険 医療保険
支払い事由
  • がんと診断されたとき
  • がんで入院・手術をしたとき
  • がんで放射線治療や抗がん剤治療をしたとき
  • 先進医療を受けたとき
  • がん・心筋梗塞・脳卒中で所定の状態に該当したとき
  • がん・心筋梗塞・脳卒中で死亡したとき
  • 病気やケガで入院・手術をしたとき
  • 先進医療を受けたとき
保険金額(主契約) 数十万~数百万円 数十万~数百万円 数千~数十万円

基本的にがん保険、三大疾病保障保険、医療保険の順に保障される範囲は幅広くなります。その代わり、同じ保険料であれば医療保険と比べるとがん保険や三大疾病保障保険の方が支払われる保険金は大きくなる傾向にあります。

がんに対してリスクを感じる人にとってがん保険は手厚い保障で安心かもしれません。

医療保険について詳しく知りたい人は以下の記事を参照ください、

また3大疾病とその保険について詳しく知りたい人は以下の記事を参照ください。

【年代別】がん罹患率・死亡率から見るがん保険の必要性

ここでは、年代別のがん罹患率(がんにかかる確率)や、がんが原因で死亡した人の割合に関するデータを参考にしながらがん保険の必要性について解説します。

30代男女におけるがん保険の必要性

公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2021」によると、30代男性ががんにかかる確率は1.2%、女性の場合は2.3%です。また、がんを原因として死亡した人の割合は、30代男性で0.2%、女性は0.2%という結果になっています。

30代の場合、がんにかかる確率や死亡率自体はさほど高いとはいえません。しかし、一般的に進行の早いがんにかかりやすい年代といわれていることや、乳がんや子宮がんの発症リスクが高まる年代であることを踏まえると、ある程度がんに対する保障を準備しておく必要があるでしょう。

40代男女におけるがん保険の必要性

公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2021」によると、40代男性ががんにかかる確率は2.7%、女性の場合は6.3%です。また、がんを原因として死亡した人の割合は、40代男性で0.5%、女性は0.6%という結果になっています。

30代と比べて、罹患リスクや死亡リスクが2~3倍に跳ね上がるのが特徴です。特に女性の場合は乳がんや子宮がんなど、女性特有のがんによる死亡リスクも増加する傾向にあります。

万が一がんにかかったとしても、早期発見し十分な治療を受けられれば、生存できる確率は高くなるでしょう。経済的な面での備えを万全にしておきたいのであれば、がん保険は有効な選択肢になると考えられます。

50代男女におけるがん保険の必要性

公益財団法人がん研究振興財団「がんの統計2021」によると、50代男性ががんにかかる確率は7.8%、女性の場合は12.4%です。また、がんを原因として死亡した人の割合は、50代男性で1.7%、女性は1.8%という結果になっています。

50代の場合、おおよそ10人に1人程度はがんにかかる計算です。身近な人ががんを経験するケースも増えてくるでしょう。

がんにかかると多額の治療費がかかるだけでなく、これまで通りには働けなくなり、家計にダメージを与える可能性もあります。住宅ローンや子どもの教育費用など、50代は普段の出費もまだまだ多い年代です。万一が起きたときに家計を支えるためにも、がん保険位加入する必要性は高いといえるでしょう。

がん保険に加入するメリット・デメリット

ここでは、がん保険に加入するメリットやデメリットを解説します。

がん保険に加入するメリット

がん保険に加入するメリットは以下の通りです。

l  がんに特化した備えができる

l  先進医療もカバーできる

l  入院給付金は日数制限がない

がんに特化した手厚い備えができる

がん保険は、がんに対して手厚く備える保険であるため、加入するとがんに関する金銭的な不安を解消できます。

がん治療にかかる年間費用は平均で約66万円といわれており、病気が進行しているほど費用は大きくなります。公的保険制度の対象外となる差額ベッド代や自由診療を受ける場合には、さらに多額の費用がかかるでしょう。

がん保険に加入しておけば、がんと診断された時点でまとまった一時金が受け取れる保障もあるため、自己負担する金額を減らせます。経済的な不安が解消されれば、がん治療にも十分に専念できるでしょう。

先進医療もカバーできる

自己負担額が高額になりがちな先進医療にも備えられることもがん保険のメリットです。

先進医療とは、厚生労働大臣が定めた「高度な医療技術を用いた療養その他の療養のうち、(公的な)保険給付の対象とすべきかどうか検討中の療養」指します。令和5年1月1日時点で86種類が認可されており、先進医療に係る費用は全額自己負担です。例えば代表的な先進医療である「陽子線治療」の場合、300万円近くの金額を自己負担しなければなりません。

がん保険では特約に加入することで、このような自己負担額が大きい先進医療もカバーできます。2,000万円程度まで保障されることが一般的であるため、治療費が高額になる場合も安心です。

入院給付金は日数制限がない

がん保険では、一般的な医療保険のような入院給付金の支払い日数制限がありません。医療保険では60日や180日までしか入院給付金が支払われない商品や、同一の原因で入院した場合、一定期間を空けなければ入院給付金が支払われない商品が一般的です。

そもそもがんは、再発のリスクがある病気です。一度の治療だけでは完治しない可能性もあり、がんの転移や進行度合いによっては、入退院を繰り返すことも考えられます。そのため、がん保険であれば、何日入院しても入院給付金が繰り返し支払われるため、入院費用の心配をせずに済むでしょう。

がん保険に加入するデメリット・注意点

がん保険には、以下のようなデメリットがあることも把握した上で加入を検討しましょう。

l  がんにしか備えられない

l  死亡保障がある保険が少ない

l  免責期間がある

がんにしか備えられない

がん保険は、がんにしか備えられないのがデメリットです。がん以外の病気やケガで入院、手術をした場合には、一切給付金が支払われません。

もし他の病気にも備えたい場合には、医療保険への加入も検討しましょう。

死亡保障がある保険が少ない

がん保険は治療に対する給付金がメインの保険のため、死亡保障が含まれる保険は多くありません。死亡保障が付いている保険でも、保険金額はわずかになるケースがほとんどです。

死亡保障も備えたい場合には、生命保険も併せて活用しましょう。

免責期間がある

がん保険には、保障が受けられない「免責期間」が設けられているのが一般的です。これはモラルリスクを排除するためであり、健康な状態で加入する人との公平性を保つ目的で設けられています。

ただし、がんは初期段階だと自覚症状がないケースも多く、加入直後にがんへの罹患が発覚するケースもあります。免責期間中に支払い事由に該当しても、給付金は一切支払われないため注意しましょう。

自分に合ったがん保険を選ぶ際の3つの基本ポイント

ここでは、自分に合ったがん保険を選ぶためにチェックしておきたいポイントを解説します。

備えたい目的に沿ってメインの保障と保障金額を検討

まずは目的に合わせてメインの保障と保障金額を決めましょう。がん保険の主契約には、主に以下の3種類があります。

  • 診断給付金
  • 治療給付金
  • 入院給付金

診断給付金を確認する

診断給付金とは、医師からがんと診断された際に受け取れる給付金のことです。まとまった一時金が受け取れるため、治療費だけでなく収入の減少を補填するのにも役立ちます。

メットライフの調査によると、初めてガンに罹患されたときの医療費は平均で年間約66万円、、病期(ステージ)が進行している層ほど治療に要した年間費用は多くなり、ステージ0(平均37万円)とステージIV(平均108万円)では約2.9倍の差が生じるとされています。最低100万円程度の診断給付金があれば初年度の治療費をまかなえるでしょう。

出典:メットライフ生命調べ 「特定疾病に関するインターネット調査(2018年12月)

治療給付金を確認する

治療給付金とは、手術・放射線治療・抗がん剤治療などを受けた際に受け取れる給付金のことです。治療を受けた月ごとに給付金を受け取れるタイプが多くなっています。

医療費の自己負担額は多くの場合、高額療養費制度を利用することで1ヶ月9万円程度に抑えられるため(70歳未満・年収約370万円~約770万円の方の場合)、治療給付金は1ヶ月あたり10万円程度給付されるタイプを選ぶとよいでしょう。

入院給付金を確認する

入院給付金とは、がんの治療で入院をしたときに受け取れる給付金のことです。入院時の1日あたりの自己負担費用は平均2.1万円であるため(生命保険文化センター調べ)、日額2~3万円の入院給付金があると差額ベッド代や食事代など、保険適用外となる費用も十分に賄えます。

がんによる入院の平均日数は18.2日(厚生労働省調べ)です。入院は短期化の傾向にありますので入院給付金よりも診断一時金や治療給付金をメインに据えた保険の方が昨今の状況には適しているでしょう。

保障期間を検討する

がん保険には、一生涯保障する「終身型」と、一定期間のみ保障する「定期型」があります。それぞれのメリット・デメリットを確認した上で最適な保障期間を選択しましょう。

終身型がん保険のメリットとデメリット

終身型のがん保険は、がんの罹患リスクが高まる高齢期でも保障対象となるのが特徴です。保険料は定期型と比べると割高になりますが、若いうちに加入すれば毎月の保険料負担は安く抑えられます。また、途中で保険料が高くなる心配もありません。

定期型がん保険のメリットとデメリット

定期型のがん保険は、終身型と比べて割安な保険料で大きな保障を準備できることが特徴です。ただし、更新のタイミングで保険料が高くなるのがデメリット。高齢期になると支払いが難しくなるリスクがあります。

特約を付帯するか検討する

メインの保障内容や保障期間が決まったら、最後に特約を付帯するかどうかを決めましょう。保険会社によっては多くの特約を付けられる商品もありますが、全て付帯すると保険料が高額になってしまいます。

自分にとって必要な特約なのか、また特約保険料に見合った保障内容になっているかなどをしっかり吟味してください。

特に優先度が高いのは、先進医療や自由診療に対応できる特約です。これらの治療は公的医療保険の適用外となるため、特約を付帯していない場合、自己負担額が高額になる可能性があります。

【年代別】がん保険の選び方

ここでは、年代別にがん保険を選ぶ際の基準となるポイントを紹介します。

30代男女におけるがん保険の選び方

30代は、結婚や出産、マイホーム購入など、多くのライフイベントを迎える年代です。出費は多くなりがちなので、家計に負担がかかりすぎないよう手ごろな保険料の商品を選ぶとよいでしょう。

ただし、保険料だけを見て選ぶのは禁物です。保険料と保障内容のバランスに注目しながら選んでください。

40代男女におけるがん保険の選び方

40代も30代同様に、ローンの返済や教育費用など、出費が多くなりやすい年代です。また、家計を支える人ががんになると、収入が大きく減ることによって余儀なくライフプランの変更を迫られる可能性があります。

40代ががん保険を選ぶときには、保険料の手ごろさにも目を向けつつ、収入の補填もできるよう診断一時金が充実している保険を選ぶとよいでしょう。

また、女性の場合は、女性特有のがんへ備えられる保障も用意しておくとよいかもしれません。

50代男女におけるがん保険の選び方

先述した通り、50代になるとがんの罹患リスクが大幅に上昇します。若いうちと比べると入院や治療が長期化する可能性もあるため、長期間の治療に耐えられる保障内容になっているかも注目すべきポイントです。

特に女性の場合、40代と比べてさらに女性特有のがんに罹患するリスクが増加します。乳房再建術やホルモン剤治療などの保障が充実しているがん保険を選びましょう。

また、健康状態が悪化すると新しい保険に加入できなくなる可能性もあります。50代から新しくがん保険に加入する場合は、保険料や保障内容が一生涯変わらない終身型を選ぶことが無難です。

がん保険を検討する際の3つの注意点

がん保険を検討する際は、以下のポイントを意識しておきましょう。

l  保険料だけで保険商品を選ばない

l  上皮内がんは給付対象外の場合がある

l  通院保障が手厚いかを確認する

保険料だけで保険商品を選ばない

「保険料が安い」だけの理由で保険を選ぶのはやめましょう。保険料が安いのにはそれなりの理由があります。

例えば、以下のような理由が考えられます。

  • 保険金額が小さい
  • 保障期間が短い
  • 途中で更新がある
  • 診断給付金が1回しか受け取れない
  • 保険金の支払い条件が厳しい

特に途中で更新があるがん保険の場合、継続するたびに保険料が高くなるため注意が必要です。年齢を重ねてがんにかかるリスクが高くなったタイミングで、保険料が支払えなくなる可能性もゼロではありません。

保険料だけを基準にすると、自分の加入目的に合わない保険を選んでしまい後悔する可能性もあるため注意しましょう。

上皮内がんは給付対象外の場合がある

上皮内がんとは、がん細胞が臓器の表面や管状の臓器の内側をおおっている上皮までに留まっているがんのことです。一般的に、早期発見できれば再発や転移するリスクは小さいとされています。

上皮内がんは、商品によっては給付対象外もしくは保障が主契約の半分程度になっている場合があります。上皮内がんの保障内容は保険料に影響する傾向があるため、保険料が安いと感じたときにはチェックすべきポイントでしょう。

なお治療費は、大腸の上皮内新生物(大腸の粘膜内がん)であれば日帰り手術で2~3万円、子宮頸部の上皮内新生物の切除であれば5万円程度、乳腺の場合(乳腺の非浸潤性乳管がん)の場合は20~30万円が相場と言われています。保険で備える必要がないといも言い切れる金額かもしれません。

上皮内新生物(上皮内がん)と悪性新生物(がん)の違いについてもっと知りたい人は以下の記事を参照ください。

通院保障が手厚いかを確認する

医療事情の変化により、近年では入院ではなく通院での治療が重視される傾向にあるため、がん保険に加入する際は、通院治療に十分対応できる内容になっているかを確認しましょう。

放射線療法や化学療法などを通院で行うケースも増えてきたため、入院を伴わない通院でも通院給付金が支払われるタイプや、特定の治療を受けたときに「月に1回」や「60日に1回」など、一定間隔でまとまった「治療給付金」が支払われるタイプの商品も多くなってきています。

通院保障を選ぶときは、細かい支払い条件についても比較した上で加入すべきかを判断しましょう。

がん保険・がん特約についてもっと知りたい場合は

がん保険について詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。

がん保険以外でがんのリスクに備える

がんのリスクは医療費だけでなく、働けない期間が長期化した際の収入減という考え方もできます。

がん働けないリスクにそなえるなら就業不能保険という選択肢もあります。就業不能保険に関しての詳細は以下の記事を参照ください。

がん以外の疾病も含めた医療保険について詳しく知りたい人は以下の記事を参照ください、

また日本においては、高額療養費制度など充実した公的な医療保険がある中で、医療費の支払や収入減のリスクはある程度の貯金があれば対応できるという考えもあります。つまり、病気やケガのリスクに資産形成をして備えるという方法です。投資・資産形成を検討される人は以下の記事をご確認ください。

まとめ

がん保険はがんに特化している分、高額な治療費もカバーできるのが魅力の保険です。しかし、がんの治療方法や罹患リスクは、性別・年代などさまざまな要素によって変わります。万が一がんにかかった際でも安心できるだけの保障を得るためには、どのような保障内容が自分に合っているのか見極めなければなりません。

がん保険に加入していない人は、今回紹介したおすすめのがん保険と選び方を参考に加入を検討してみてください。また、既にがん保険に加入している人も、保障内容を再確認した上で必要があれば見直しも検討してみましょう。





オカネノホンネ編集部

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難しいお金の話を、ファイナンシャルプランナー技能士や保険・金融商品の専門家が忖度なし「ホンネ」でわかりやすく伝えます。

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