ケガや病気で働けなくなってしまったとき、収入が減って生活できなくなるのが心配です。大黒柱が家計を支えている家庭の場合、長期間働けないと収入が減ったり、無収入になるリスクもあります。
働けない期間に対する公的な保障でもまかなえない収入減少を補ってくれるのが「就業不能保険」です。
今回は、就業不能保険の概要とメリット、加入前に知っておきたい注意点を見ていきましょう。働けなくなったときに受け取れる他の保障についても、併せて解説します。
目次
就業不能保険とは?
まずは、就業不能保険とはどのような保険なのか解説します。一般的に「就業不能」と認められる要件も詳しく見てきましょう。
比較的新しい保険商品である就業不能保険
就業不能保険とは、病気・ケガによる長期間の入院や療養にともなって収入が減少するリスクに備える保険です。就業不能になった状態が支払対象期間を超えて継続した場合に、毎月一定額の就業不能給付金が支払われます 。
入院や療養が長期にわたり給与がもらえなくなると、公的な医療保障だけでは毎月の生活費をまかなえなくなる可能性があります。就業不能保険は、働けない状態が継続する限り、最長で保険期間満了まで受け取れるのが特徴です。
個人向けの就業不能保険は、医療保険や死亡保険と比べると歴史が浅い新しい保険商品 であり、保険会社ごとに商品特性の違いがあります。加入を検討する場合、商品内容をしっかり確認しておきましょう。
保険金を受け取れる「就業不能」状態とは
就業不能保険は、仕事ができない人全員が保険金を受け取れるものではありません。病気やケガで「就業不能状態」になった場合に給付金を受け取れます。
保険商品により差はありますが、総じて以下の条件を満たすと「就業不能状態」として認められます。
- 病気またはケガで日本国内の病院・診療所に入院している
- 医師の指示で自宅療養をしている
- 障害等級1級または2級として該当したとき
ただし、うつ病をはじめとした精神疾患による就業不能も対象に含まれるかどうかは、保険会社によって異なります。各社の保障対象をあらかじめ確認して、自分に合ったタイプを選びましょう。
就業不能状態の人の推移と働けなくなった理由
傷病手当金を受給する人は年々増えています。厚生労働省の「医療保険に関する基礎資料~平成29年度の医療費等~」によると、2011年に約60万人だった受給者が約70万人まで増えています(組合けんぽの場合)。
また働けなくなった理由は、精神および行動の障害が31.30%、がんが18.63%、筋骨格系及び結合組織の疾患10.89%、循環器系の疾患10.05%、損害・中毒およびその他外因の影響7.06%、その他22.07%となっています。(「現金給付受給者状況調査(令和元年度)」より)
精神的な不調が一番多く、また割合も近年増加傾向です。そのため民間の就業不能保険は精神疾患を対象とする商品も増えてきています。
就業不能保険はなぜ必要?
入院費用や治療費などは、医療保険でまかなうことが可能です。しかし入院が長期間になると、収入が減って生活費が不足しはじめる可能性があります。ここでは、就業不能保険がなぜ必要だといわれるのか、その理由について詳しく見ていきましょう。
医療保険だけでは生活費を補えない可能性がある
就業不能保険と似た保険として、保険会社が扱う医療保険があります。医療保険とは、主に病気やケガによる手術や入院時に発生する治療費・入院費用に備える保険です。ただし、入院日数の上限が決められている場合が多く、上限日数を超えた給付金は受け取ることができません。
病気やケガなどで長期間働けなくなると、収入が減る可能性もあります。医療保険で治療費が補えたとしても、日々の生活費のカバーも必要になるでしょう。住宅ローンを支払ったり、子どもの教育費がかかったりしている場合は、収入が減ることにより家族の生活にも影響を与えかねません。
ケガや病気などで長期間働けなくなるリスクは誰にでもあります。医療費に限らず、収入が減少したときや無収入になった場合にも備えることが大切です。
社会保障には隙間がある
日本は社会保障制度によるセーフティネットが充実しています。ケガや病気で働けなくなった場合、ある程度の保障は公的制度から受けられますが、金額・期間ともに万全とはいえない場合もあります。
公的制度について詳しくは後述しますが、ケガや病気などで継続的にかかる治療費の全てをカバーできるわけではありません。特に療養生活が長引けば公的制度だけで収入減少を補えず、収入が途絶えることも考えられます。
また、働き方や公的医療保険の加入状況によっては、備えが手薄になる場合があります。特に自営業者やフリーランスの人は、公的医療保険や障害年金による保障が会社員よりも少ないため、より多く備えることを検討するとよいでしょう。
就業不能保険と関連する社会保障
社会保障制度の中には、就業不能状態に対応する保障制度があります。ここでは主な公的保障の内容について詳しく解説します。
傷病手当金とは
傷病手当金とは、健康保険の被保険者が病気やケガで会社を休んだ場合に受けられる公的医療保険制度です。以下の条件を全て満たすことで傷病手当金の給付が受け取れるようになります。
- 業務外の事由による病気やケガの療養のための休業である
- 仕事に就くことができない
- 連続する3日間を含み4日以上仕事に就けなかった
- 休業期間中に給与の支払いがない、または給与の支払いがあっても傷病手当金の額よりも少ない
傷病手当金の支給額は1日につき、【直近12ヵ月の標準報酬月額の平均÷30分の1×3分の2】に相当する金額です。 傷病手当金は支給期間に限度があり、上限となる通算1年6ヵ月を過ぎると給付が受けられなくなります。傷病手当金の支給期間が終了してからも生活費などを補うには、就業不能保険の給付金は好適でしょう。
なお、傷病手当金は会社員や公務員などが加入する健康保険の被保険者が対象です。自営業・個人事業主・フリーランスなどは傷病手当金を受け取れないため、就業不能保険の必要性が高まるといえます。
障害年金とは
障害年金とは、病気やケガで仕事・生活が制限されるようになった場合に受け取れる年金の一種で、「障害基礎年金」と「障害厚生年金」に大別されます。
病気やケガで初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していれば障害基礎年金、厚生年金に加入していれば障害基礎年金と障害厚生年金の受給が可能です。また、いずれの場合も、受給には所定の要件を満たす必要があります。
障害基礎年金は障害等級2級から、障害厚生年金は3級から障害年金が受給できます。同様に、障害基礎年金の1級または2級に認定された場合 、障害基礎年金が受け取れます。
会社員の場合、障害基礎年金と障害厚生年金の両方を受け取れますが、自営業は障害基礎年金しか受け取れません。 もう少し備えを充実させたいと思うなら、障害基礎年金と就業不能保険を組み合わせることで、自営業者も保障に厚みを出せるでしょう。
障害年金について詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。
失業保険(雇用保険の求職者給付)とは
失業保険は、正式には「雇用保険」と呼ばれます。加入者が失業したり自己都合で退職したりした際に基本手当(通称:失業手当)が支給される制度です。給付を受け取るには、離職前の勤務先で雇用保険に加入したうえで、一定の条件を満たす必要があります。
失業保険における「失業」の定義とは、「就職しようとする意思といつでも就職できる能力があるにもかかわらず職業に就けず、積極的に求職活動を行っている状態」です。
つまり、「就業できる状態であること」が失業保険の給付条件になるため、ケガや病気が理由で仕事ができない場合は、給付の対象にはなりません。この場合、就業不能保険を活用すると、公的保障制度ではカバーしきれない危機にも対応できます。
失業保険(雇用保険の求職者給付)についてもっと知りたい人は以下の記事を参照ください。
就業不能保険はどんな人に必要?
同じように働いている人でも、就業不能保険が必要な人と、そうでない人に分かれます。ここでは就業不能保険の加入を検討すべき人の特徴を見てみましょう。
自営業・自由業・フリーランス
会社員や公務員がケガや病気で働けなくなった場合、条件を満たすと健康保険から傷病手当金が支給されます。支給期間は通算1年6ヵ月間 ですが、収入を確保しながらの療養が可能です。
一方、自由業や自営業、フリーランスの場合は、公的な保障は先述のとおり手薄です。健康保険の被保険者ではないので傷病手当金は支給されません。入院が長引く場合には収入が途絶えてしまう可能性もあるため、就業不能保険を検討する必要があるといえます。
ローンを返済中の人
住宅ローンやマイカーローンなどを契約し、毎月固定金額を支払っている場合も、就業不能保険の必要性が高いといえます。
ケガや病気で働けなくなったときは、加入している健康保険から傷病手当金が支給されます。その支給額は、給与の約2/3ほど です。傷病手当金だけで、ローンの返済から生活費までをカバーすることは難しい場合もあるでしょう。就業不能保険に加入し、収入減に備えておくのもひとつの選択肢かもしれません。。
家族を養っている人
会社員や公務員で共働き世帯の場合、万が一自分か配偶者のどちらかが働けなくなっても、収入が完全に途絶える可能性は低いといえるでしょう。
しかし、夫婦の片方だけが家計を支えている家庭の場合、その人が病気やケガで働けなくなると収入が途絶えてしまいます。自分だけでなく、家族全員が収入減少の影響を受けるかもしれません。
就業不能保険に入っておくと毎月一定額のサポートが受けられるため、生活水準はある程度保たれます。家族が安心して暮らせることで、治療や療養に協力する余裕も生まれるでしょう。
十分な貯金がない人
貯金が十分にない人も、就業不能保険を検討する価値があります。
健康保険や国民健康保険といった公的医療保険の制度を利用すれば、病気やケガの際の医療費は一部負担のみで済みます。また、医療費が一定額を超えたら、加入している健康保険窓口に申請することによって高額療養費の払い戻しが受けられます。払い戻しには時間を要するケースもあるため(通常は申請書を提出してから一ヶ月程度)、貯金が少ない場合は家計が圧迫される可能性があります。(限度額適用認定証を利用すれば、登録している医療機関においては窓口支払時点で限度額以上を払うことはなくなります)。
働けない状態でどれだけ生活が続けられるかは貯金額によります。月々の生活費を計算した上で、貯金が十分でないと感じる人は就業不能保険をかけておくことで、万が一のときでも安心して生活できます。
働けない期間も生活水準を下げたくない人
働けなくなり収入が減ったとしても、公的保障と十分な貯蓄があれば、生活費はある程度まかなえます。しかし、収入が少ない状態が続けば、貯蓄もいつかは底をついてしまうケース、先々のことを考えると生活水準を切り下げる必要が出てくるかもしれません。
就業不能保険に加入しておくと毎月の生活費を補ってくれるため、働けなくてもある程度の生活水準を維持することは可能です。ケガをしたり病気にかかったりするまでの状態と近い暮らしを続けられるでしょう。
就業不能保険の注意点
働けなくなったときに生活費の不足分を補ってくれる就業不能保険ですが、実はデメリットもあります。ここでは就業不能保険のデメリットについて解説します。
うつなどの精神疾患は対象外となることもある
保険会社によって異なりますが、就業不能保険の中には精神疾患は保障の対象外と定められている商品もあります。
厚生労働省の資料によれば、近年はメンタルヘルスの問題を抱えて就業できなくなる人が増えています。精神疾患を有する総患者数の推移を見ると、躁うつ病を含む「気分[感情]障害」は平成11年には44.1万人でしたが、最新の平成26年のデータでは111.6万人まで増加しています。
うつ病をはじめとした精神疾患を給付の対象外としている就業不能保険では、仕事で心を病んだときの保障はありません。精神疾患は回復に時間がかかることも多いため、必要に応じて精神疾患も対象とする就業不能保険を検討したいところです。
さらに精神疾患は、給付金が支払われる日数が少ない場合もあります。精神疾患の場合にどのような保障がなされるか、保障日数に関しても確認しておきましょう。
短期的な就業不能では支給されないケースも
就業不能保険は、「支払対象外期間」と呼ばれる免責期間が定められています。保険会社によって支払対象外期間は異なりますが、通常は60~180日のように長めに設定されています。これは公的な保障である傷病手当金の受給期間が通算1年6ヶ月までのため、傷病手当金が受給できなくなった後の生活を保障する意味合いで設定されている場合もあります。
この期間に満たなければ、給付金は支払われません。事前に確認しておかなければ、万が一のときになって「半年近くも入院したのに1円ももらえなかった」という事もありうるので、必要な保障内容を見極めて契約するようにしましょう。
就業不能保険の中には、支払対象外期間が1週間程度と短めに設定された商品もあります。あまり待たずに給付金を受け取れるメリットがありますが、その分保険料が割高になる傾向もあります。保険料を安く抑えたい場合は支払い対象外期間を長めに設定して、短期的な収入減は貯金やその他の保険などで補うことを検討してみるのもよいでしょう。
「就業不能」の定義にばらつきがある
「就業不能状態」に該当すると就業不能保険を受け取ることができます。しかし、就業不能状態の定義は商品によって異なり、わかりにくいのがデメリットです。
特に「在宅治療」については、「医師の医学的見地に基づいて、軽い家事や必要最小限の外出を除いて自宅で治療に専念する」 と認定条件が厳しく設定されているケースもあります。自己判断で「体調がすぐれないから働けない」といって自宅療養をしていても、支給対象になりません。
このような細かな条件を事前に全て把握するのは難しいでしょう。例えば長期の休養が必要なために退職を決意したのに、退職にともなう引き継ぎで1日出社したために給付を受けられないといったケースも考えられます。
就業不能状態とはどのような状態なのか、各保険会社の定義を加入前に確認しておくことが大切です。
就業不能保険と近い民間の保険商品
就業不能保険は、長期間の入院などで働けない状態になったときの保険としては最適です。一方、民間の保険会社が取り扱う保険商品の中には、就業不能保険と似た保障機能・特徴を持つものもいくつかあります。ここでは、就業不能保険と同様に、万が一のときに頼りになる保険を紹介します。
短期間だが支給も早い「所得補償保険」
「所得補償保険」は、損害保険会社が提供している保険商品です。働けなくなったときの収入をカバーする点は就業不能保険と似ていますが、保険金の支給期間や就業不能期間が異なります。所得補償保険の多くは、保険金の支給期間が1年程度 と短めに設定されています。それにともない、就業不能期間(免責期間)も1週間程度ですぐに支給が開始されるタイプが多い傾向にあります。
長期の保障は必要なく、すぐに保険金を受け取りたい人は、所得補償保険を検討してみましょう。就業不能保険と名前は似ていますが内容は異なるため、よく検討して自分の働き方に合った保険を選びましょう。
「収入保障保険」は死亡保険の一種
「収入保障保険」は就業不能保険と同様に、生命保険会社が取り扱う商品です。死亡または所定の高度障害状態になった場合に、満期まで年金形式の保険金が受け取れる特徴があります。死亡時期が保険期間満了に近いほど受け取る保険金が少なくなる代わり、保険料が割安に設定されていることが多い保険です。
収入保障保険には、特約として就業不能保険と同様の保障も提供している商品 もあります。契約する保険を1つにまとめられ、管理しやすいでしょう。
働けなくなったときのための保険の選び方
就業不能保険は、働けなくなったときの経済的なリスクに備えて加入しておきたい保険です。しかし、保険会社によって就業不能保険の内容が異なるため、どのように保険を選べばよいか悩む人もいるでしょう。ここでは数ある就業不能保険から、自身に合った商品の探し方を紹介します。
「どのようなお金が必要なのか」を考えよう
一時的に働けない場合や、働けなくなった直後に頼りになるのは、やはり貯蓄であったりすぐに現金化できる流動性が高い資産です。公的保障は受給までにタイムラグがあるケースもあるので、働けなくなった直後は貯蓄等で生活費をまかなうことになるでしょう。
しかし、入院や療養が長期化して収入減が続くと、医療保険や貯蓄だけでは生活費が不足してしまうことも考えられます。その際に就業不能保険の給付金があると、収入減をカバーできるでしょう。
具体的にどのような就業不能保険を選べばよいか悩んだら、「どのような目的のお金が必要なのか」を明確にしたうえで保険を選択するのがおすすめです。
「闘病生活を支える」「家族の生活を維持する」「遺された家族を支える」など目的はさまざまあります。自分は何に対しどのくらい補いたいのかを考えると、最適な保険が見えてくるでしょう。
目的次第では、就業不能保険以外の保険が適している場合もあります。例えば、自分が死亡または高度障害状態になった場合の家族の生活費に備えるなら、保険金が年金形式で定期的に受け取れる収入保障保険が適しているでしょう。
就業不能保険の選び方
就業不能保険は保険会社ごとに保障内容が異なります。
保障内容に違いが出やすい項目は以下のとおりです。
- 「就業不能」の定義(特に精神疾患)
- 給付開始時期
- 給付期間
- 給付額
就業不能の定義は保険ごとにさまざまです。特に精神疾患によって就業不能となったケースが保障の対象となるかどうかは事前に確認しましょう。勤務先の労働環境が自分に合わないと感じているなら、万が一に備え精神疾患も対象となる保険を検討したいものです。
自営業やフリーランスの人などは有給休暇がなく、傷病手当金も受け取れません。できるだけ早い時期から保障を受けられるよう、支払い開始の遅い就業不能保険は避けましょう。
また、就業不能保険の中には、一定期間は半額受け取りにする代わりに保険料を安くする商品があります。これは、健康保険から傷病手当金を受け取れる会社員向けであって、自営業者には適しません。自営業者は働けなくなるとすぐに収入が途絶える可能性もあるため、最初から満額を受け取れる就業不能保険が適しているでしょう。
就業不能保険おすすめの5商品
ひとくちに就業不能保険といっても、各保険会社からさまざま商品が発売されています。ここでは特におすすめの就業不能保険を5つ紹介します。加入を検討している人は参考にしてください。
SBI生命|働く人のたより
SBI生命は業務運営方針として「顧客中心主義の徹底 」を掲げる保険会社で、お客様の声を活かす取り組みや、わかりやすい情報提供によるサービスの販売を行っています。
SBI生命が販売する就業不能保険「働く人のたより」は6つの特徴を持った保険です。
- 全疾病型は精神疾患も対象
- 保障リスクが選択できる
- 業界最安水準の保険料
- 給付金の受け取り方が選べる
- 主ふでも15万円の給付金額上限が設定できる
- メンタル相談サービスが無料
働く人のたよりでは「全疾病型」「3疾病型(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)」「がん保障型」の3つの保障内容から選択できます。なかでも全疾病型は、うつ病を含む精神疾患も対象になるのが特徴です。就業不能状態に該当する限り、保険期間満了まで通算18回の給付金を受け取れます。
業界でも最安クラスの保険料が設定されていて、コストを抑えつつ精神疾患までカバーすることが可能です。クレジットカードでの支払いにも対応しているため、 保険料の支払がクレジットカードのポイント対象になる点も魅力でしょう。
アクサダイレクト生命|働けないときの安心
アクサダイレクト生命は日本で最初のネット生保として2006年に設立 された保険会社です。わかりやすく便利で合理的な保障の提供と、生活の質向上につながるサービスの提供で高い評価を受けています。
そんなアクサダイレクト生命の「働けないときの安心」はハーフタイプ・満額タイプの2つから選択できる就業不能保険です。
ハーフタイプは病気やケガや精神疾患で働けない場合、一定期間は設定した就業不能給付金の半額が受け取れ、その後は満額を受け取れます。一定期間の受け取りが半額になりますが、満額で受け取るよりも保険料を抑えられるのがメリットです。健康保険から最長で1年6ヵ月の傷病手当金を受け取れる 会社員・公務員に向いているでしょう。
満額タイプは、受給開始日から満額の就業不能給付金を受け取れるプランです。傷病手当金を受け取れない自営業者やフリーランスの人に向いています。
必要最小限の保障内容なら、保険料もお手頃です。特に30代以下の若年層の保険料が割安な設定になっていることから、若い人にお得な就業不能保険といえま す。
さらに、加入後にうつ病をはじめとした精神疾患に罹患した場合も保障対象になるのが特徴です。精神疾患で働けない状態から回復する、または保険期間満了までの最長18回、給付を受けられます。
クレジットカード決済が可能なので、保険料の支払いで各カード会社のポイントを受け取れます。VISAやMasterCardなど主要な国際ブランドなら幅広く対応しているのもメリットです。
太陽生命|働けなくなったときの保険
太陽生命は、大同生命やT&Dフィナンシャル生命とともにT&Dホールディングス傘下 の生命保険会社です。Try&Discover(挑戦と発見)をグループ経営理念として掲げており、「認知症セミナー動画」の公開や健康増進アプリの提供など、独自のサービスを展開しています。
太陽生命の「働けなくなったときの保険」は、就業不能状態が30日継続した時点で早期就業不能給付金が最長150日継続分受け取れる就業不能保険です。 早期就業不能給付金は保障する病気やケガが限定されないため、精神疾患による所定の就業不能状態も保障されます。
就業不能保険のみのⅠ型と、死亡・高度障害保障も付いたⅡ型を選べるのも特徴です。
保険料払込期間は最低支払保証期間によって 50歳から85歳まで選択できるため、保険料を調整しやすいでしょう。また、保険料満了直前でも5年間または10年の最低保証期間がある ため、中高年に有利な保険といえます。
三井住友海上あいおい生命保険|&LIFE くらしの応援ほけ
三井住友海上あいおい生命保険は、2011年に「三井住友海上きらめき生命保険株式会社」と「あいおい生命保険株式会社」の合併で生まれた生命保険会社です 。AI分析 ができる健康管理アプリ「ココカラダイアリー」をリリースするなど、生命保険会社の枠を超えた経営を行っています。
三井住友海上あいおい生命保険の「&LIFE くらしの応援ほけん」は、障害・介護・就労不能のいずれかに該当した場合に保険期間満了まで年金形式で保険金を受け取れる保険です。
特則として「メンタル就労不能障害一時金」を付帯させられるのが特徴です。精神疾患によって「障害等級1級の第10号の状態」または「障害等級2級の第16号の状態」になる等の条件を満たす場合に100万~500万円の一時金を受け取れます。
もしものときのために、新保険料払込免除特約を付帯させることも可能です。悪性新生物と診断確定された場合や心疾患・脳血管疾患で入院した場合、保障はそのままに以後の保険料は不要になります。
女性は男性に比べて若いときにがんに罹患する可能性が高く 、子宮がんのように男性にはない器官ががんに罹患することもあります。がんと確定診断されれば保険料の払込が不要になる「&LIFE くらしの応援保険」は、女性に有利な保険といえるでしょう。
「&LIFE くらしの応援ほけん」はネット保険として加入しやすく、クレジットカード払いにすれば保険料の支払いでカード会社のポイントを貯められるのもメリットです。
ライフネット生命保険|働く人への保険3
ライフネット生命保険は2008年に営業が開始された 比較的新しいオンライン保険会社です。業界で初めて「保険料の中身」を開示するなど、「私たちは生命保険がわかる情報を提供する」というマニュフェストにもとづいた活動を行っています。
そんなライフネット生命保険の「働く人の保険3」は収入減少をサポートする充実の給付金・一時金が設定された就業不能保険です。病気やケガで所定の就業不能状態になった場合に、10万~50万円までの就業不能給付金が受け取れます。
就業不能給付金を受け取れない短期間の入院などに備えられたり、各種一時金が受け取れたりするのも特徴です。
- 病気やケガで継続して14日以上の入院で受け取れる「入院一時金」
- 精神疾患で所定の就業不能状態が支払い対象外期間を超えた場合に受け取れる「精神疾患就業不能一時金」
- 就業給付金の支払い開始後、保険期間中に就業不能状態が終了した場合に受け取れる「復帰支援一時金」
入院一時金に関しては精神疾患での入院も対象です。ほかの就業不能保険と違い、一時金という形で精神疾患の保障が受けられます 。
ネット保険のため自宅にいながらでも加入でき、クレジットカード払いに対応している のもメリットです。
まとめ
今回は就業不能保険の特徴とメリット、加入前に知っておきたい注意点を解説しました。
短期間の就業不能であれば傷病手当金や有給休暇などの各制度でカバーできますが、長期間にわたって働けないと公的制度や貯蓄では生活できないかもしれません。そんなとき、就業不能保険に加入しておけば生活レベルを落とさず安心して療養に専念できます。
受給条件がやや厳しい側面もありますが、貯蓄の少ない人や働いて家族を支えている人にとって重要な収入を補ってくれる保険です。加入を検討する際は、保障内容や他の保険との違いをよく理解しておきましょう。
難しいお金の話を、ファイナンシャルプランナー技能士や保険・金融商品の専門家が忖度なし「ホンネ」でわかりやすく伝えます。