県民共済は持病があっても入れる?死亡保険の加入可否や入れない人におすすめの保険を紹介

保険全般

持病があると、生命保険に加入するのは難しいと感じている人は多いでしょう。死亡保険や医療保険に加入する際は、生命保険会社の審査が必要になるため「申し込んだものの断られてしまった」といった経験がある人もいるかもしれません。

一般的な生命保険に加入するのが難しくても、「県民共済」であれば加入できるチャンスはあるのでしょうか。

この記事では、県民共済の死亡保険に加入するための条件や、持病がある人でも加入しやすい共済・保険商品について詳しく紹介します。

県民共済は持病があっても入れる?

県民共済は、各都道府県の生活協同組合が運営する制度です。病気やケガをカバーする「生命共済」や、ケガのみを重点的にカバーする「傷害保障型共済」など、さまざまな種類の商品があります。いずれも民間の保険会社が取り扱う保険商品と比べると、割安な保険料で加入できる点が魅力です。

死亡時のリスクに備えたい場合は「生命共済(死亡保険)」に加入することになりますが、持病がある場合でも加入できるのでしょうか。以下では県民共済の加入条件について、詳しく解説します。

県民共済のメリット・デメリットについて詳しく知りたい人は、以下の記事もぜひご一読ください。

生命共済に加入するのは難しい

持病の種類や程度によっても異なりますが、持病がある場合は県民共済に加入するのは難しくなると考えたほうがよいでしょう。県民共済に加入する際は、一般的な生命保険と同様に過去の傷病歴や現在の健康状態を「告知」しなければなりません。

県民共済の一般的な告知項目の例は、以下の通りです。

  • 現在病気やケガの治療中である
  • 慢性疾患の診断を受けている、もしくは慢性疾患が完治してから5年以内である
  • 過去1年以内に、病気やケガで連続して14日以上の入院や、同じ病気やケガで20回以上の通院治療を受けている
  • 手術後1年以内である

持病がある場合は、上記いずれかの告知項目に該当する可能性が高く、その場合は原則として生命共済に加入できません。ただし、持病の内容によっては告知項目に該当しても、条件付きで加入できる場合があります。

なお、「県民共済は既往歴があっても加入しやすい」と聞いたことがある人も多いでしょう。確かに、診断書や健康診断結果票などの提出が必要なく、告知書への記入のみで手続きを行えるという点では、一般的な生命保険よりも加入しやすいといえます。

しかし、告知の内容自体は一般的な生命保険と大きな違いがあるわけではなく、誰でも無条件で加入できるわけではありません。そのため、持病があると加入できないケースもあります。

条件付きで生命共済に加入できるケースもある

持病の種類や加入する共済によっては、持病があっても条件付きで加入できるケースもあります。

たとえば、都民共済の場合「健康告知内容に該当すると原則加入はできないものの、告知内容によっては一部条件付きで加入できる場合がある」としています。

また、かながわ県民共済では、以下の条件を満たしていれば「高血圧や高脂血症でも申し込み可能」と、より具体的な加入条件を示しています。

  • 保障開始日時点で被共済者の年齢が満30歳以上である
  • 過去に高血圧症もしくは高脂血症を原因とする入院をしたことがない
  • 過去90日以内に医療機関で測定した血圧やコレステロールなどの数値が一定範囲内である

このように、共済によって条件付きで加入できる場合があります。そのため、持病がある人は加入を希望する共済に確認してみてください。

傷害保障型共済は加入できる

ケガによる入院や手術、死亡などに備える「傷害保障型共済」であれば、告知が不要であるため、持病がある人でも加入できます。

ただし、傷害保障型共済はケガしか保障されないため、病気を原因とする死亡時に共済金が支払われない点に注意しましょう。

県民共済で告知義務違反するとどうなる?

告知義務違反とは、生命保険の加入手続きの際に、故意または重大な過失によって事実を告げなかったり、事実と異なることを告知したりすることです。告知義務違反をすると、契約が解除されるだけではなく、共済金や給付金が支払われないことがあります。

県民共済は、基本的に告知書の提出のみで加入手続きを行えるため、持病があることを隠して加入しようとする人もいるかもしれません。しかし、共済金や給付金の請求時に、県民共済が医療機関に照会を行うため、過去の傷病歴は必ず知られてしまいます。事実を隠ぺいすると不利益を被る可能性が高いので、ありのままを告知するようにしましょう。

県民共済に入れない人でも加入できる保険はある?

持病があって県民共済に加入できなかった場合は、告知が緩やかな他の共済商品への加入を検討しましょう。ただし、選択肢はそれほど多くないため、自分に合った商品がない場合は、民間生命保険会社の商品を検討するのも一つの方法です。

告知が緩やかな共済商品

告知が緩やかな共済商品とは、持病がある人や健康状態に不安がある人でも加入しやすい保険のことです。以下では、代表的な商品を紹介します。

こくみん共済|終身医療保障 引受基準緩和タイプ

こくみん共済の「終身医療保障 引受基準緩和タイプ」は、持病や既往症がある人でも加入しやすい共済商品の一つです。

以下の3つの質問項目に該当しなければ、基本的に加入できます。

  • 現在入院中または医師から入院や手術を勧められている
  • 過去2年以内に病気やケガで手術または連続して7日以上の入院をしたことがある
  • 過去5年以内にがんまたは肝硬変で診断・治療・投薬・入院・手術を受けたことがある

保障期間は終身で、年齢が満15~80歳であれば加入できます。入院や手術、放射線治療、先進医療を受けた際などに共済金が支払われますが、死亡時に備える保障はありません。

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コープ共済|《たすけあい》告知緩やかコース

コープ共済の「《たすけあい》告知緩やかコース」は、以下2つの告知項目に該当がなければ、基本的に加入できる共済商品です。

  • 現在、入院中である
  • 医師から今後1年以内の入院または手術を勧められている

月掛金は年齢・性別問わず1,000円で、病気やケガによる入院や手術、死亡保障などが含まれています。0~満64歳の人が加入可能であり、保険期間は65歳までです。

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JA共済|引受緩和型終身共済

JA共済の「引受緩和型終身共済」は、以下3つの告知項目にすべて該当がなければ、基本的に加入できる共済商品です。

  • 現在入院中または今後入院や手術の予定がある
  • 過去2年以内に入院または手術をしたことがある
  • 過去5年以内に悪性新生物または脳腫瘍で診断・治療・投薬を受けたことがある

18~80歳までの人が加入できる一生涯の死亡保険です。なお、JA共済では健康に不安がある人でも申し込みやすい「引受緩和型医療共済」も取り扱っています。

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民間生命保険会社の引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険とは、通常の生命保険よりも告知項目が少なく、健康状態に不安がある人でも加入しやすい保険のことです。

保険会社が定める3~5つ程度の告知項目に該当しなければ加入でき、加入後に持病や既往症が悪化しても保障対象になるというメリットがあります。

ただし、通常の生命保険よりも保険料が割高に設定されているため、通常の生命保険への加入が難しい場合に加入を検討しましょう。

民間生命保険会社の無選択型保険

無選択型保険とは、加入時の告知や医師の診査が不要な保険のことです。無選択型保険であれば、複数の持病がある場合や、入院・手術歴がある場合も基本的に加入できます。

ただし、通常の生命保険や引受基準緩和型保険よりも、保険料は割高に設定されています。また、契約後数年間は保障が全くなかったり、少なくなったりする商品も多いため、保障内容と保険料のバランスを確認したうえで、メリットが大きいと感じた場合のみ加入するようにしましょう。

まとめ

県民共済に加入する際は、民間の生命保険と同様に告知が必要なので、持病があると加入しにくくなります。しかし、告知内容によっては加入できるケースもあるため、まずは各共済に問い合わせてみましょう。

もし県民共済への加入が難しい場合は、告知が緩やかな他の共済商品や民間生命保険会社の商品を検討するのも一つの方法です。ただし、健康な人が加入する商品と比べると、保障内容がやや物足りないものであったり、保険料が割高になっていたりすることがあります。保障内容や保険料を吟味したうえで、必要性を慎重に判断しましょう。

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オカネノホンネ編集部

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