国民健康保険の保険料の減免制度

医療保険

自営業やフリーランス、無職の方が加入する国民健康保険。健康保険に加入している事で医療費の3割負担や高額療養費制度による医療費の上限があるなどの恩恵があります。

国民健康保険の加入者に万一のことがあり、保険料の支払が難しくなった際、特にその状態が継続してしまいそうな場合、早めに手をうつ事が重要です。

この記事ではそのよな際に国民健康保険の保険料負担を軽減する制度や方法を紹介します。

国民健康保険とは

自営業やフリーランス、無職の方が加入する公的医療保険が国民健康保険です。収入を把握しやすい会社員は収入にあわせて保険料が決まる「応能負担」ですが、自営業の方は収入を正確に把握するのが難しいため、家族の人数などによって負担する「応益負担」を組み合わせる形で保険料が都道府県ごとに定められています。国民健康保険には、扶養家族の概念がなく、専業主婦や子どもに対しても一定の割合を負担する考え方になります。

2018年から都道府県単位で算定式と保険料が決められるようになりました。国民健康保険料の決まり方ですが、加入者の人数分がかかる「均等割」、課税所得のある人にかかる「所得割」、全世帯が世帯ごとに平等に負担する「平等割」、固定資産税額をもとに算出する「資産割」などがあり、これらを組み合わせて「所得割+均等割」や「所得割+均等割り+平等割」といった形で保険料を算出するなど自治体ごとに特色があります。

保険料は医療分、75歳以上の後期高齢者の医療費を補助するための支援金分、40歳以上になると介護分の合計金額が国民健康保険料として課されます。なおそれぞれの合計金額の上限額が年度ごとに見直される形になります。

国民健康保険の「法定軽減」と「申請減免」

国民健康保険料が支払えない人には2つの減免制度が設けられています。国による法定軽減と、各自治体による申請減免です。

法定軽減は「国民健康保険に加入している世帯主と家族の総所得が国の定める基準以下の世帯」が対象となります。何らかの理由で収入が減るなどで健康保険料の支払が難しいことがわかった際にはこの法定軽減を活用するようにしましょう。それぞれの区分に応じて応益負担分(均等割と平等割)が2割・5割・7割の減額となるものです。確定申告をしていれば再度申請する必要はありません。確定申告をしていない場合はあらためて申請する必要があります。

申請減免とは、災害などのケースが多いですが自治体の条例等によって減免制度の対象と内容が定められています。詳細は自治体のHPや担当窓口に問い合わせをしてみましょう。

自己都合ではなく失業した場合の国民健康保険料の減額制度

国民健康保険は昨今の非正規雇用者の増加もあり、健康保険に加入しづらい人の受け皿にもなっています。自らの意思・都合で退職したわけではない65歳未満の人に対しては、国民健康保険料が減額される制度があります。保険料を計算する際の収入を、実際の収入から70%割引をした30%で計算する方法です。これによって健康保険料の負担を軽くしています。万一、高額な医療費がかかった際の高額療養費の所得区分判定もこの割引き後の金額を適用する事になります。離職後にハローワークで雇用保険の手続きをする際に受け取る雇用保険受給資格証が手続きでは必要になります。

国民健康保険の支払を滞納し続けるとどうなるか

国民健康保険の支払は市区町村に住民登録している以上、毎月の支払義務があります。期日を過ぎても滞納が続くと催告がなされますし、納付期限をすぎると遅滞金も加算されてしまいます。1年6カ月以上滞納が続く場合には、医療費10割負担、特別療養費や高額療養費の支払いも全部または一部停止し全額自己負担になってしまいます。それでも滞納が続くと、最終的には財産の差し押さえをされてしまいます。

まとめ

国民健康保険の加入者の方は、会社員が加入する厚生年金と違い、保険料を生計を一にする家族分まで含めて全額負担しなければならないケースも多く、負担は小さくはないでしょう。それでも健子保険料を滞納すると、必要なタイミングでの医療費が全額自己負担になってしまったりします。

やむを得ない理由で支払えない場合には、減額や免除などの軽減措置が受けられることもあるので、できるだけ早めに自治体の窓口で相談するようにしましょう。

オカネノホンネ編集部

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難しいお金の話を、ファイナンシャルプランナー技能士や保険・金融商品の専門家が忖度なし「ホンネ」でわかりやすく伝えます。

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