約款/やっかん
『約款』は、多数の契約者と契約を締結する企業が、契約内容を定型文にした文書を指します。生命保険の約款は、基本的な契約内容について定めた「普通保険約款」と特約など個別の内容について定めた「特別保険約款」の2つです。生命保険に関する約款の内容は、金融庁が審査し、許可が下りると交付できます。
普通保険約款とは
生命保険会社は非常にたくさんの契約者と契約を結びます。ですから、個々の契約者に対して契約書を作成しているとスピーディに手続きできません。そこで、ある保険商品の契約内容について、定型文でまとめたのが普通保険約款です。主約款ともいいます。また、単に保険約款といった場合も、普通保険約款のことです。
普通保険約款には、主に以下のことが記載されています。
- 用語の定義
- 保障される損害
- 保険金の支払い要件
- 保険料について
- 免責事項
- 告知義務
特別保険約款とは
普通保険約款は、すべての人と同じ契約をする前提で作成されているので、契約内容の修正や変更を反映させることができません。普通保険約款の内容に変更や補充、排除が必要なときに使用されるのが「特別保険約款」です。「特別条項」ともいいます。
特別保険約款には記載されているのは、特約の内容などです。普通保険約款と特別保険約款の内容が異なる場合は、特別保険約款が優先されます。
約款と契約のしおりの違い
生命保険を契約すると、約款と併せて「契約のしおり」を受け取ります。約款の内容のうち、特に大切な事項がまとめられているのが、契約のしおりです。ですから、約款を読むのが難しいと感じる人は、まず契約のしおりで重要事項を理解してから、約款を読むといいでしょう。
約款を紛失したとき
約款を紛失しても、契約は無効になりません。しかし、約款が確認できない状態というのも、いざというときを考えれば問題です。約款は再発行、もしくはコピーの受け取りが可能なので、生命保険会社に依頼してください。また最近では、ホームページで約款を確認できる生命保険会社もあります。