資産形成方法の一つとして注目を集めている「ソーシャルレンディング」。融資型(貸付型)クラウドファンディングとも呼ばれ、効率よく資産を増やしたいと考えている人にとっては魅力的なサービスです。
しかし、投資できる会社は多いため、どのサービスを選べばよいのか迷ってしまう方は多いでしょう。ソーシャルレンディングには一定のリスクもあるため、なるべく信頼できる会社を選びたいものです。
そこでこの記事では、おすすめのソーシャルレンディング会社10社を紹介します。概要や、メリット・デメリットについて解説するので、これからソーシャルレンディングを始めてみたい人は、ぜひ参考にしてください。
目次
そもそもソーシャルレンディングとは
そもそもソーシャルレンディングは、どのような仕組みで成り立っているのでしょうか。ここでは、基礎的な知識や、ソーシャルレンディングが注目されている背景について、見ていきます。
ソーシャルレンディングの概要
ソーシャルレンディングとは、インターネットを通して投資家とお金を借りたい企業を結ぶサービスのことです。ソーシャルレンディングを運営する事業者が、投資家から集めた資金をひとまとめにし、企業に向けて融資します。
金融機関からではなく不特定多数の投資家から資金を集めて融資をするという点で、クラウドファンディングの一つとして分類されることから、「融資型(貸付型)クラウドファンディング」とも呼ばれます。
一般的なクラウドファンディングとの違いは以下の表のとおりです。
ソーシャルレンディング | 一般的なクラウドファンディング | |
リターンの有無 | 必須 | ない場合もある(寄付型) |
リターンの方法 | 契約時に定めた利息の支払い | モノやサービスなども含まれる |
なお、一般社団法人日本クラウドファンディング協会が2021年7月に発表した「クラウドファンディング市場調査報告書」によると、日本におけるソーシャルレンディングの市場規模は2020年において1,125億円とされています。
ソーシャルレンディングの仕組み
事業者が投資家から集めたお金を企業に融資して運用するのが、ソーシャルレンディングの大まかな仕組みです。
まず投資家はソーシャルレンディング運営会社と「匿名組合契約」を交わし、特定のファンドを選んで運営会社に出資します。集まったお金は、ソーシャルレンディング運営会社を通して出資を希望する企業に融資されます。
融資先から返済された元本と利息のうち、事前に決められた利息分を投資家へ配分する流れです。
ソーシャルレンディングが注目される理由
ソーシャルレンディングが注目されている理由としては、実績が少ない企業でも融資を受けやすい点が挙げられます。
一般的に、金融機関から融資を受ける際には、企業規模や創業からの年数、財務状況などが重視されます。そのため、ベンチャー企業やスタートアップ企業、すでに多額の融資を受けている企業などは、融資を受けるのが難しいのが一般的でした。
ソーシャルレンディングでは運営会社の審査はあるものの、基本的に銀行の審査ほど画一的ではありません。企業のリスクや成長性を総合的に判断するため、より多くの企業に融資を受けられるチャンスがあるのです。
このように、ソーシャルレンディングは、銀行から融資を受けるのが難しい企業や、複数の資金調達先を確保したい企業から注目を集めています。
ソーシャルレンディングの種類
ソーシャルレンディングは、融資の方法や、金利の決め方によって大きく3種類に分けられます。
ファンド型
日本で最もメジャーとなっている方法が、ファンド型のソーシャルレンディングです。ファンド型では、ソーシャルレンディング運営会社が融資先企業のリスクを審査した上で金利を決めます。投資家はその条件を見て出資するかどうかを判断することが可能です。
投資家は案件を選んで投資金額を決めるだけで投資できるため、手軽にスタートできるのが特徴です。
マーケット型
マーケット型のソーシャルレンディングでは、融資を希望する企業から提出された財務状況や経営者の個人情報、希望する融資金額などをもとに、運営会社が格付けを行います。格付けを参照し、投資家自身が金利や融資額を決めて投資するのが特徴です。
金利は自由に決められるものの、需要と供給のバランス次第では希望する金利で借りられない可能性がある点に注意しましょう。市場原理が働きやすいため、マーケット型と呼ばれています。
オークション型
オークション型のソーシャルレンディングでは、マーケット型と同様に投資家自身が金利や融資金額を提示します。ただし、運営会社はプラットフォームを提供するだけで、格付けや金利などは定めません。
融資を希望する企業は、借り入れの目的や自社の信用性をアピールします。それに対し、最も安い利率を提示した投資家が融資を提供できる仕組みです。
企業にとっては、金融市場の相場や一般的な信用格付けに左右されず、アピール次第で資金を低金利で調達できる可能性があります。
ソーシャルレンディングを始める5つのメリット
ソーシャルレンディングには、投資初心者にとってうれしいメリットが5つあります。投資を検討している方は参考にしてみてください。
メリット1:少額投資ができる
一般的な投資のように元手となる資金が多くなくても、少額から投資できるのがソーシャルレンディングを始めるメリットです。
株式投資の場合は最低でも数万円、有名企業の株を購入しようとすると数十万円単位の資金が必要になります。不動産投資の場合には数百万円以上もの資金が必要になるケースも少なくありません。
一方、ソーシャルレンディングでは1万円程度から投資できるサービスもあります。初心者がお試し感覚で投資を始めるのにも適しているといえるでしょう。
メリット2: 幅広い運用期間が選べる
3ヶ月~1年といった、幅広い運用期間を選べるのがソーシャルレンディングのメリットの一つです。
長期運用すれば、大きな利益を狙える可能性があるでしょう。ただし、運用期間が長期になるほど相場変動の影響を受けるリスクが高まるため、手堅く利益を得たい場合は短期運用もおすすめです。
メリット3: 投資に手間がかからない
ソーシャルレンディングは、投資に手間がかからないのがメリットです。
株式投資やFXのように、チャートを細かく確認しながら売買する必要はありません。一般的なファンド型のソーシャルレンディングであれば、申し込みと入金を行うだけで、あらかじめ決められた利息を得られる仕組みになっています。
日中忙しく投資に時間を割けない会社員や主婦(夫)の方でも取り組みやすいといえるでしょう。
メリット4:高い利回りが期待できる
ソーシャルレンディングは、他の投資方法と比べて高い利回りを期待できるのがメリットです。以下のように、代表的な金融商品と比べると、ソーシャルレンディングの平均利回りは高くなっています。
一般的なソーシャルレンディング | 約2~7% |
普通預金 | 0.001% |
定期預金 | 0.002~0.003% |
個人向け国債 | 0.05~0.17% |
株式平均利回り | 約2% |
※2022年12月時点
利回りが高いファンドはその分リスクも伴いますが、うまく活用すれば効率よく資産を増やせるでしょう。
メリット5:個別元本の変動がない
株式や投資信託と異なり、個別元本の変動を気にしなくて済むのがソーシャルレンディングのメリットです。
株式や投資信託は、需給バランスによって価格が決まるため、配当金や分配金だけではなく、個別元本の変動も気にしなくてはなりません。
一方、ソーシャルレンディングは、投資家が資金を企業に貸し付け、返済利息の一部を分配金として受け取る仕組みになっています。そのため、基本的に個別元本は変動しません。
個別元本は換金時や分配時にかかる税金に影響するため、個別元本が変動すれば手取り額も変わります。自身が受け取れる分配金の計算が分かりやすいのはメリットといえるでしょう。
ソーシャルレンディングを始める5つのデメリット
高い利回りに目が向きがちなソーシャルレンディング。しかし、あくまでも投資である以上、リスクがあることを忘れてはいけません。ここでは、5つのデメリットについて解説します。
デメリット1: 貸し倒れにより元本割れするリスクがある
ソーシャルレンディングは企業に融資し、返済金額の中から利息分を受け取る投資方法です。そのため、そもそも企業の業績が悪化したり倒産したりすると返済できなくなり、融資したお金が戻ってこなくなる可能性があります。
ソーシャルレンディングは元本保証のサービスではないため、元本割れする可能性があることは理解しておきましょう。
デメリット2:ソーシャルレンディング運営企業の倒産によるリスクがある
融資先だけではなく、ソーシャルレンディングサービスの運営企業自体が倒産することにより、元本割れするリスクにも注意しましょう。
不祥事や資金繰りの悪化などにより、余儀なく事業撤退を迫られるケースも考えられます。2021年には貸付先の不祥事を理由に、SBIグループの子会社である「SBIソーシャルレンディング」が廃業に追い込まれました。
資産規模の大きい企業であっても、倒産するリスクはあります。なるべく信頼性の高い事業者を選ぶのはもちろんのこと、複数の事業者に分散して投資するのも元本割れ対策の一つです。
デメリット3:投資期間中は解約できない
多くのソーシャルレンディングでは、一度運用を始めると自由に解約できません。株式や投資信託などのように、市場で売買して現金化することはできないため注意しましょう。
ソーシャルレンディングに限った話ではありませんが、生活に必要のない余剰資金で投資をしましょう。また、途中で解約可能なサービスを選んで利用するのも一つの方法です。
デメリット4:早期償還のリスクがある
予定していた運用期間よりも早く投資家に元本が返還されるのが「早期償還」です。融資を受けていた企業がお金を借り続ける必要がなくなり、期日前に返済が行われることによって発生します。
早期償還となった場合には、その段階で一定の収益を確保できる反面、予定通りの分配金を受け取れなくなるデメリットがあることは覚えておきましょう。
デメリット5:運営会社に運用内容の口出しができない
投資家自身でファンドの運用方針を決められないのが、ソーシャルレンディングのデメリットです。
ソーシャルレンディングでは、基本的にファンドの運用方針は運営会社に一任することになります。たとえば、融資先からの返済が遅延した場合に、貸し倒れ処理を行うのか、回収を試みるのかは、ファンドによって異なります。
このように、ソーシャルレンディングはリスクコントロールが難しいという側面があります。
おすすめのソーシャルレンディング会社10選
ここでは、人気度や過去の運用実績などを基準におすすめといえるソーシャルレンディング会社を10選紹介します。
Crowd Bank(クラウドバンク)
サービス名 | Crowd Bank(クラウドバンク) |
サービス開始年 | 2013年 |
運営会社名 | 日本クラウド証券株式会社 |
利回り | 実質平均利回り5.80% |
累積募集額 | 2,085億円(2022年12月14日時点) |
償還済み資金額 | 1,743億円(2022年12月14日現在) |
元本割れ・遅延発生件数 | 0件 |
Crowd Bank(クラウドバンク)は、融資型クラウドファンディングで人気No.1(※)を獲得しているソーシャルレンディングサービスです。※2022年5月期 インターネット調査 日本マーケティングリサーチ機構調べ
累計応募総額は2,000億円を突破しているにもかかわらず、融資先ごとに担保を設定することで、元本回収率100%を実現しています。
Crowd Bank(クラウドバンク)では、最低1万円から投資可能です。スマホの専用アプリを使って、手軽に運用状況の確認や投資の申し込みもできるようになっています。安心できる環境でソーシャルレンディングを始めたい投資初心者におすすめです。
Funds(ファンズ)
サービス名 | Funds(ファンズ) |
サービス開始年 | 2019年 |
運営会社名 | ファンズ株式会社 |
利回り | 平均予定利回り2.06% |
累積募集額 | 約279億円(2022年12月14日時点) |
償還済み資金額 | – |
元本割れ・遅延発生件数 | 0件 |
Funds(ファンズ)は、手数料無料で最低1円から投資できるソーシャルレンディングサービスです。
主な投資対象は、メルカリや三菱UFJ銀行などの上場企業。資産状況や希望するリターンに合わせてさまざまなファンドを選べるようになっています。2022年12月現在、過去に元本割れや分配が遅延したケースはありません。
また、取り扱う一部のファンドでは株主優待に似た「Funds優待」が提供されており、優待券やカタログギフトなどさまざまな商品を特典として受け取れます。
企業がFundsを通して融資を受けるためには、公認会計士や弁護士、元株式アナリストなどで構成された審査部門による厳正な審査を通過する必要があります。そのため、運用に安全性を求める人におすすめです。
Bankers(バンカーズ)
サービス名 | Bankers(バンカーズ) |
サービス開始年 | 2020年 |
運営会社名株式会社バンカーズ | 株式会社バンカーズ |
利回り | 1.86~14.0%(予定分配率) |
累積募集額 | 1,724万円(2022年12月14日時点) |
償還済み資金額 | 672万円(2022年12月14日時点) |
元本割れ・遅延発生件数 | 0件 |
Bankers(バンカーズ)は2020年にサービスを開始した、比較的新しいソーシャルレンディングサービスです。2022年には大手金融グループSBIホールディングスの子会社であった「SBIソーシャルレンディング株式会社」と経営統合したことでも話題になりました。
投資対象は専門知識を持った有識者による会議で決定されています。独自の5段階評価によるリスク開示や、セイムボート出資によるリスク共有など、運用における透明性の高さがおすすめのポイントです。
※セイムボート出資とは、ファンドの運用会社が一般の投資家と共に同じファンドに投資することをいいます。
OwnersBook(オーナーズブック)
サービス名 | OwnersBook(オーナーズブック) |
サービス開始年 | 2014年 |
運営会社名株式会社バンカーズ | ロードスターキャピタル株式会社 |
利回り | 3.9~5.1%(予定利回り) |
累積募集額 | 約341億円(2022年12月13日時点) |
償還済み資金額 | 214件(2022年12月13日時点) |
元本割れ・遅延発生件数 | 元本割れ件数0件 返済遅延件数1件 |
OwnersBook(オーナーズブック)は、不動産投資で高い専門性を持つ「ロードスターキャピタル株式会社」が運営するソーシャルレンディングサービスです。
OwnersBook(オーナーズブック)では全ての案件に対して、不動産担保を設定しています。親会社で培ったノウハウを生かし、適切な評価額の担保を設定しているため、企業からの返済が困難になった場合でも、貸し倒れのリスクを軽減できる仕組みを採り入れているのが特徴です。
投資金額は最低1万円から。投資対象は不動産に特化しているため、少額で不動産投資に取り組んでみたい人におすすめです。
CROWD CREDIT(クラウドクレジット)
サービス名 | CROWD CREDIT(クラウドクレジット) |
サービス開始年 | 2013年 |
運営会社名株式会社バンカーズ | クラウドクレジット株式会社 |
利回り | 5.3~10.0% |
累積募集額 | 約450億円(2022年8月末時点) |
償還済み資金額 | 約359億円 |
元本割れ・遅延発生件数 | – |
CROWD CREDIT(クラウドクレジット)は世界中の成長企業に投資できるソーシャルレンディングサービスです。
最低1万円から投資可能となっており、10%以上の利回りが期待できるファンドもあります。ソーシャルレンディングを通じて社会貢献したい人や、高い利回りを狙いたい人におすすめです。
FUELオンラインファンド
サービス名 | FUELオンラインファンド |
サービス開始年 | 2020年 |
運営会社名株式会社バンカーズ | FUEL株式会社 |
利回り | 2~5% |
累積募集額 | 約18億円(2021年9月時点) |
償還済み資金額 | – |
元本割れ・遅延発生件数 | 0件 |
FUELオンラインファンドは不動産関連の企業やプロジェクトに投資できるソーシャルレンディングサービスです。
企業の業績ではなく、対象となる不動産からの賃料収入をもとにリターンが分配されるため、安定した収益に期待できるのが特徴です。
投資額は最低1万円から。上場企業や上場企業と同等の信用度を持つ企業の案件の中から、さらにプロの目線で厳選した案件を取り扱っているため、初心者でも安心して投資できるでしょう。
LENDEX(レンデックス)
サービス名 | LENDEX(レンデックス) |
サービス開始年 | 2017年 |
運営会社名株式会社バンカーズ | 株式会社LENDEX |
利回り | 6~10%(期待利回り) |
累積募集額 | 約240億円(2022年8月1日時点) |
償還済み資金額 | 590件 |
元本割れ・遅延発生件数 | 遅延0件 |
LENDEX(レンデックス)は、1年以内の短期投資が中心のソーシャルレンディングサービスです。
高利回りの案件を多く取り扱っており、中には10%を超えるものもあります。利息は毎月分配されるため、短期間の投資でも運用成果を実感できるのが大きな魅力です。
不動産担保を設定している案件もあるため、貸し倒れのリスクを抑えて投資したい人にはおすすめといえます。
AGクラウドファンディング
サービス名 | AGクラウドファンディング |
サービス開始年 | 2021年 |
運営会社名株式会社バンカーズ | AGクラウドファンディング株式会社 |
利回り | 1~8% |
累積募集額 | ‐ |
償還済み資金額 | ‐ |
元本割れ・遅延発生件数 | ‐ |
AGクラウドファンディングは、大手消費者金融アイフルの子会社が運営するソーシャルレンディングサービスです。
AGクラウドファンディングでは、安全性の高い「アイフルファンド」と、利回りの高い「不動産担保ローンファンド」の2種類のファンドを選べるようになっています。
1円から投資をスタートでき、口座開設もスマホで完結します。手軽にソーシャルレンディングを始めたい人におすすめです。
SAMURAI FUND
サービス名 | SAMURAI FUND |
サービス開始年 | 2016年 |
運営会社名株式会社バンカーズ | SAMURAI証券株式会社 |
利回り | 3.75~8%(目標利回り) |
累積募集額 | 約107億円 |
償還済み資金額約71億円 | 約71億円 |
元本割れ・遅延発生件数 | 0件 |
SAMURAI FUNDは、投資先の幅広さが魅力のソーシャルレンディングサービスです。
1口1万円から、今後の発展が見込めるAI分野・海外事業への出資やベンチャー企業・新興国の支援など、幅広い分野への投資を行えます。
これまでに貸し倒れや遅延などの実績はありません。これからソーシャルレンディングを始める人も安心して投資できます。
BATSUNAGU
サービス名 | BATSUNAGU |
サービス開始年 | 2021年 |
運営会社名株式会社バンカーズ | 株式会社リムズキャピタル |
利回り | 6~7%(予定分配率) |
累積募集額 | ‐ |
償還済み資金額約71億円 | ‐ |
元本割れ・遅延発生件数 | ‐ |
BATSUNAGUは地方創生・地域活性化への貢献を掲げているソーシャルレンディングサービスです。
オフィスビルや商業施設、ホテルなどの不動産への投資案件を主に取り扱っています。また、「優先劣後システム」を導入することにより、家賃収入の減少リスクにも対応しているのが特徴です。
優先劣後システムとは、元本の償還や配当金の支払いを投資家に優先的に行う仕組みのことです。家賃収入の減少分や売却時の損失については、劣後出資者(運営会社)が負担します。
最低1万円から出資できるため、初心者にもおすすめのサービスです。
ソーシャルレンディング会社を比較するポイント
ソーシャルレンディングサービスを選ぶ際は、ファンドの利回りだけでなく、運営会社の実績や抱えているファンドについても注目しましょう。
ここでは、ソーシャルレンディング会社を選ぶ際に比較するポイントについて解説します。
ポイント1.ソーシャルレンディング会社の実績や情報の透明性
ソーシャルレンディングを選ぶ際は、運営会社が公開している実績や情報の透明性について確認しておくことが大切です。
実績には、利回りや成立済み・償還済みファンド数などが含まれます。中でも貸し倒れ件数や遅延発生件数、貸し倒れが起きた際の担保の有無などは、サービス自体の信頼性を示す指標となるため、よく確認しておきましょう。
また、ソーシャルレンディングサービスを運営するためには、金融庁の登録を受けなければなりません。近年では、業務停止命令や、登録取り消しなどの行政処分を受けている運営会社も存在するため、金融庁の登録の有無、貸付先の財務状況や資金使途などの情報が明確に公開されていることを確認した上で投資しましょう。
ポイント2.ファンドの想定利回り
ソーシャルレンディングで投資家が得られるのは金利収入です。想定利回りが大きいほど、多くの収入を得られるため、重要なチェックポイントといえます。
ただし、高い利回りを求めると、それに伴いリスクも大きくなる点には注意しましょう。投資においてリスクとリターンは比例します。高い利回りのファンドに投資する場合は、損失が出る可能性があることはもちろん、場合によって元本割れする場合もあることを念頭に置いておきましょう。
ポイント3.ソーシャルレンディング会社が抱えるファンド
ソーシャルレンディングサービスは、運営会社によって抱えているファンド(融資先)が異なります。そのため、どの会社に投資するかによって、想定利回りや貸し倒れリスクなどは変わるため、ソーシャルレンディング会社を選ぶ際にファンドを確認するのは大切です。
安定したリターンを求めるなら大手企業に融資する会社、高いリターンを求めるならベンチャー企業を中心に融資する会社を選ぶとよいでしょう。
まとめ
ソーシャルレンディングは、株式投資やFXなど、ほかの資産運用方法と比べて比較的簡単にスタートできるのに加えて、高い利回りにも期待できるのが魅力です。しかし、融資先の会社が倒産してしまうと、大きな損失を被る可能性もあります。
融資先企業の選定方法は、ソーシャルレンディングを提供する会社によって異なるため、どの会社を通じて投資を始めるかは重要です。この記事で紹介した内容を参考にしながら、自分に合ったソーシャルレンディングサービスを見つけてください。
東証一部上場企業で10年間サラリーマンを務める中、業務中の交通事故をきっかけに企業の福利厚生に興味を持ち、社会保障の勉強を始める。以降ファイナンシャルプランナーとして活動し、個人・法人のお金に関する相談、北海道のテレビ番組のコメンテーター、年間毎年約100件のセミナー講師なども務める。趣味はフィットネス。健康とお金、豊かなライフスタイルを実践・発信しています。 <保有資格>CFP