収入保障保険の最低支払保証期間とは?どのくらいの長さに設定すればよいのかについても解説!

保険全般

万が一の備えとして数多くの保険商品が存在しますが、その中でも死亡・高度障害時の収入減少に備えるのが収入保障保険です。収入保障保険は、被保険者が死亡または高度機能障害の状態に陥った際に、一時金または年金形式で保険金が支払われる保険です。

しかし、収入保障保険には「最低支払保証期間」というものがあり、本当に必要な時に保障を受けるには最低支払保証期間について正しく理解する必要があります。

本記事では、収入保障保険の最低保証期間の意味、最低支払保証期間を設定する際のポイントについて解説しましょう。

収入保障保険の最低支払保証期間とは?

収入保障保険の最低支払保証期間とは、保険金の支払い条件を満たした際に、保険金を受け取れる最低限の期間を保証するものです。

例えば、3人家族の大黒柱であるAさんが、保険期間を65歳までとする収入保障保険に加入していたとしましょう。ここでAさんが不慮の事故により45歳で亡くなってしまった場合、65歳までの20年間において保険金を受け取ることができます。

それでは、保険期間満了まで残り1年という段階でAさんが亡くなった場合は、どうなるのでしょうか。ここで、最低支払保証期間が重要になります。もし最低支払保証期間を5年としていた場合は、保険期間満了までの1年間ではなく5年間の保険金受取が可能です。

収入保障保険の詳細については、以下を参照してください。

最低保証期間は設定期間が長いほどよいのか

一見、収入保障保険の最低保証期間が長い方がいざという時に安心感があるかもしれません。そのため、最低保証期間の設定は長いほどよいのではと考えるのではないでしょうか。

しかし、最低保証期間を長くする場合は、それ相応に保険料の負担も大きくなります。万が一の備えは重要ですが、高額な保険支払いの負担によって日々の生活が苦しくなるようなら本末転倒でしょう。

一般的に収入保障保険は、現役世代の収入減少に備えるものです。そのため、保険期間が一般的に引退を迎える65歳に設定されていれば、それ以降に最低保証期間を設定する必要性は薄いといえます。どうしても不安が残る場合は、1年や2年など比較的短めの最低保証期間を設定するとよいでしょう。

「保険期間」を正しく設定することが大切

収入保障保険においては、保険期間のいつまでに設定するかも重要な要素です。ライフスタイルが多様化した現代では、必ずしも60歳に定年退職を迎えるとは限らず、保険期間をいつまでにするかは人によって変わります。保険期間によって月々の保険料支払い額が変わってくるため、現時点の経済状況や資産形成のプランとも照らし合わせて考えることも重要です。

また、収入保障保険における保険期間は保証期間と混同されがちなので注意しましょう。保険期間は収入保障保険における保障が受けられる期間を指します。保険期間の満了時期は、仕事を引退する年齢や子どもが独立する年齢など、何らかのライフイベントを終えて支出が減ると見込まれる時期に設定されるのが一般的です。

一方で、保証期間は死亡や高度機能障害などの保険金支払い事由に該当した場合に、保険期間にかかわらず、ある一定の期間保険金が支払われる期間です。 保証期間は保険会社によって呼び方も異なり、わかりにくい部分があります。収入保障保険に加入する際には、担当者に詳細を確認するようにしましょう。

「保証期間」は途中変更ができないため注意が必要

収入保障保険を契約した後は、途中で最低保証期間を変更できないことに注意が必要です。

一般的なサラリーマンの定年退職は60歳や65歳とされていますが、途中で転職や独立などで状況が変わることもあるでしょう。そのような場合でも最低保証期間の変更はできず、どうしても変更したい場合は現行の保険を解約し、新たな保険を契約する必要があります。

そのため、収入保障保険の最低保証期間について検討する際は、将来的なライフプランを十分に考慮することが重要です。

保険期間を設定する際に基準となるポイント

収入保障保険において、安心感とコストパフォーマンスを両立するためには保険期間の設定が重要なカギとなります。ここでは、保険期間を設定する際に重要なポイントを紹介します。

【保険期間を設定する際に重要なポイント】
・子どもの独立はいつになりそうか
・定年退職はいつになりそうか
・年金受給開始まであと何年か 等

子ども(末子)が独立するまでの期間

子どもがいる場合は、一般的に末の子どもが独立するまでに保険期間を設定するケースが多いです。子どもが独立するまでは進学などのライフイベントがあり、多額の出費が見込まれるためです。

しかし、一概に子どもの独立といってもその定義はさまざまです。ある家庭では18歳以降に自立を促すこともありますし、大学卒業意向を独立とみなす場合もあるでしょう。また、高校や大学卒業後にすぐ就職しない場合、大学院に進学するケースも考えられます。このような場合は、必ずしも保険契約時に定めた保険期間満了後も思わぬ出費が発生するかもしれません。

想定外の出来事があっても子どもの意向を汲むことができるよう、収入保障保険だけに頼るのではなく、日常的に貯蓄や資産形成を行うなどの対策も必要です。

被保険者が定年退職するまでの期間

収入保障保険の保険期間満了を、被保険者の定年退職年齢とする考え方も一般的です。サラリーマンの方であれば、定年退職後に再就職しない限りは年金が主な収入源となります。逆にいえば、定年退職までの期間に万が一の事態が起こってしまうと給与所得が失われてしまうため、収入保障保険によって備えることは合理的といえるでしょう。

ただし、昨今は定年退職の制度そのものをなくす動きがあり、必ずしも60歳や65歳が引退の年齢とならない可能性があります。また、転職や独立などで環境が変わることも考えられます。収入保障保険の加入時には、被保険者自身のキャリアプランも踏まえて最適な保険商品を選ぶことが重要です。

配偶者が65歳になるまでの期間

例えばサラリーマンの夫に専業主婦の妻という家族構成の場合は、配偶者である妻が65歳を迎えるタイミングを保険期間の満了とするケースもあります。現時点では65歳が年金受給開始となるため、収入保障保険に加入することで、年金受給開始までに収入が失われる事態に備えるという考え方です。

次に、フリーランスや自営業の夫と専業主婦の妻という家族構成の場合も考えてみましょう。自営業の場合、厚生年金に加入しているサラリーマンに比べて公的な遺族年金が少なくなります。配偶者の年金受給開始までに、収入保障保険に加入していざというときに備えることは一つの選択肢になるでしょう。

保険期間が短いと受取額が少なくなる可能性があるため注意が必要

収入保障保険において月々の保険料支払い負担を減らすために、保険期間は短い方がよいのではと考える方もいるかもしれません。

確かに保険期間が長期間になれば、それだけ保険料の支払額は多くなります。しかし、保険期間を短くすることで受け取れる保険金が減少する可能性があるため注意が必要です。 保険料負担を抑えつつ、必要な保障を受けるためには保険期間や最低保証期間を漠然と決めず、自身のライフイベントを考慮して複数の保険商品を比較しましょう。

まとめ

収入保障保険は、万が一の事態に陥って収入減が断たれた際の心強い備えです。しかし、保険期間や最低保証期間をどのように設定するかによって、コストパフォーマンスが左右される保険商品ともいえます。

本記事では収入保障保険における保険期間の定め方について、いくつかの考え方を示しました。本記事を通して、収入保障保険への知識を深め、加入を検討する際の材料にしてみてはいかがでしょうか。





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オカネノホンネ編集部

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