変額保険にまつわる7つのリスク|リスクを避けるためにチェックすべきポイントも解説

保険全般

資産形成と保障を両立できる変額保険への加入を検討している人の中には、変額保険ならではのリスクが気になっている人も多いでしょう。確かに変額保険には一定のリスクが存在します。しかし、対処法を知っておけば過度に心配する必要はありません。

この記事では、変額保険に関する7つのリスクやリスクを避けるための方法を詳しく解説します。

変額保険が抱える7つのリスク

変額保険は、契約者から預かった保険料を保険会社が「特別勘定」で運用し、その損益を保険金や解約返戻金に反映する商品です。

特別勘定で運用される資産は、投資信託を通じて国内外の株式や債券に投資されます。そのため、変額保険には投資信託と同様に、以下のようなリスクがあることを理解しておかなければなりません。

リスクの種類 リスクの概要
為替変動リスク 外国為替相場の変動によって外貨建て資産の価値が変動する可能性のこと
信用リスク 株式や債券を発行している国や企業が債務不履行に陥る可能性のこと
カントリーリスク 投資対象国の政治・経済状況の変化が、資産価値へ影響を及ぼす可能性のこと
流動性リスク 流通量の減少により、予定していた取引ができなくなる、あるいは不利な取引を強いられる可能性のこと
資産配分リスク 投資成果の悪い資産への配分比率が高まることで、資産価値へ影響を及ぼす可能性のこと
価格変動リスク 投資対象の株式や債券の価格が変動する可能性のこと
金利変動リスク 金利が変化することで債券の価格が変動する可能性のこと

1.為替変動リスク

為替変動リスクとは、為替レート(異なる通貨同士を交換する際の交換比率のこと)が変わることで、利益を得たり損失を被ったりするリスクを指します。

たとえば、変額保険の運用先が米国の株式であったとしましょう。その場合、運用成果は米国の株式の値動きと為替レートの変化の両方に影響されます。そのため、米国の株式が上昇しても円が高くなれば、運用成果が減るケースも少なくありません。その理由として、ドルで得た利益を円に換算するときに少ない金額しか受け取れなくなるためです。反対に米国の株式が下落しても円が安くなれば、運用成果は増える可能性があります。

為替変動リスクが顕在化した場合、変額保険の保険金額や解約返戻金にも影響が出るため、注意しましょう。

2.信用リスク

信用リスクとは、投資先の企業や国が倒産したり、債務不履行に陥ったりすることで損失を被る可能性のことです。たとえば、変額保険の運用先が外国の債券であった場合、債券を発行した国が経済危機に陥って債務を返せなくなれば、債券の価値は暴落します。その結果、保険金額や解約返戻金額が少なくなってしまうことがあるのです。

投資対象の信用リスクを測る際は「信用格付け」をチェックしてみるのもよいでしょう。信用格付けとは、民間の格付け会社が、国や企業が発行する債券の信用力を総合的に分析しランクづけしたものです。一般的に、格付けはAAA〜Dのようなアルファベットで表されます。信用リスクを避けるためには、できるだけ格付けの高い投資対象を選ぶことが重要です。

3.カントリーリスク

カントリーリスクとは、投資対象の国や地域における政治不安や社会不安、経済情勢の悪化などによって、損失を被る可能性のことです。たとえば投資先の国で政権交代が起こり、法律や規制が大きく変更された場合や、戦争やテロなどによって国内外に大きな混乱が生じた場合などは、株式や債券の需給バランスが大きく変化し、結果として運用状況が悪化するケースがあります。

カントリーリスクを完全に防ぐことは難しいものの、投資先の国や地域を分散することである程度リスクを抑えることは可能です。

4.流動性リスク

流動性リスクとは、売買が少なくなることで希望する価格や数量での取引が成立しない可能性のことです。希望するタイミングで売買できないと、不利な条件での取引を余儀なくされる場合があります。その結果、運用状況が悪化し、保険金額や解約返戻金額が減少するケースがあります。

先進国と比べて元々の流通量が少ない傾向にある新興国の債券や、不祥事などにより上場廃止が発表された企業の株式などは、流動性リスクが高いため注意が必要です。

5.資産配分リスク

資産配分リスクとは、投資成果の悪い資産への配分が大きくなることで、運用全体に悪影響を及ぼす可能性のことです。

変額保険では複数の特別勘定の中から投資先を選択できます。たとえば運用先として70%を株式、30%を債券にしたとしましょう。この場合、投資割合の多い株式の運用が悪化した場合は、仮に債券の運用が好調だったとしても、全体で見れば思うような成果を得られないケースもあるということです。

資産配分リスクを防ぐためには定期的にリバランスを行うことが重要です。リバランスとは、投資先の資産の種類や比率を見直して、最初に決めたバランスに戻すことです。たとえば、株式と債券に50%ずつ投資した場合、株式の運用が好調になって株式への投資割合が60%になったとします。このとき、リバランスを行うと、株式への投資割合を50%に戻すために株式を売って債券を買います。これによって、株式の値上がり分を確定させるとともに、債券の値下がり分を取り戻すことが可能です。

リバランスを行うことで、資産配分リスクを低減するとともに、運用成果を安定させることができます。

6.価格変動リスク

価格変動リスクとは、投資信託に組み入れられている株式や債券の価格が変動する可能性のことです。

たとえば、国内株式を運用対象に選んだ場合、企業の業績が悪化して株式の価格が下がれば、運用成果は減ります。その結果、変額保険の保険金額や解約返戻金が予想よりも少なくなる可能性があるでしょう。

価格変動リスクを減らすためには、投資時期を分散させることが有効です。毎月一定額を継続的に投資すれば、価格の安いときには多く、高いときには少なく購入することになり、全体の平均購入単価を平準化できます。変額保険においては、毎月定額の保険料を支払うことで、一時的な価格変動のリスクを軽減することが可能です。

7.金利変動リスク

金利変動リスクとは、金利が変動することで債券価格が上下するリスクのことです。一般的に金利が上がると、市場に流通している債券の価格は下がります。反対に金利が下がると、債券価格は上がる傾向があります。

変額保険において債券を主な投資対象とする特別勘定を選択した場合、金利が上がると、保険金額や解約返戻金額は減る可能性があるということです。

変額保険のリスクを避けるためにチェックすべき3つのポイント

変額保険に加入する際は、リスクを避けるためにも以下のポイントを必ずチェックしておきましょう。

  • 加入する目的に合っているかどうか
  • 特別勘定ごとの投資リスクの違いを理解できているか
  • 自分に合った商品を選べているか

これらのポイントを意識しておけば、期待する運用成果が得やすくなるかもしれません。

1.加入する目的に合っているかどうか

変額保険を選ぶ際には、保険の加入目的や商品の特徴をよく理解することが重要です。

変額保険は、多少リスクを取ってでも効率よく資産形成したいという目的にあっています。しかし、自分で運用リスクをとりたくない場合や安定した運用を求める場合は、変額保険ではなく定額保険を選ぶ方がよいでしょう。定額保険とは、契約時点で保険金額が決まっている保険を指します。定額保険でも、貯蓄性の高い個人年金保険や終身保険なら資産形成に活用できます。

変額保険は、運用によって保障額や解約返戻金を増やせる可能性がある魅力的な保険ですが、利率が高いからという理由だけで変額保険を選ぶのは得策ではありません。一定のリスクがあることを理解した上で加入する必要があります。

2. 特別勘定ごとの投資リスクの違いを理解できているか

変額保険では、自分の好みや目的に合わせて特別勘定(運用先)を選べるケースがほとんどです。特別勘定の種類によって、リスクや運用成果も異なります。自分に合った特別勘定を選ぶことができれば、想定外の損失を被る可能性を減らせるでしょう。

たとえば、為替リスクが怖いなら、国内の株式や債券中心の特別勘定を選ぶとよいでしょう。また、大きな価格変動を好まない場合は、債券中心の特別勘定や運用対象や地域を幅広く分散する「バランス型」の特別勘定を選ぶことをおすすめします。

契約のしおりや重要事項説明書には、特別勘定ごとの運用方針や運用実績が記載されています。自身の許容できるリスクや目標とするリターンにあった特別勘定を選ぶためにも、加入前に必ず確認しておきましょう。

3.自分に合った商品を選べているか

変額保険を選ぶ際にはさまざまな商品を比較した上で、自分の加入目的に合った商品を選びましょう。

たとえば、家族にまとまった金額を遺したい人は「変額終身保険」を選ぶのがおすすめです。一般的に、変額終身保険の死亡保険金には最低保証があるため、運用が悪かったとしても一定額を遺せます。運用がよかった場合は、死亡保険金が増える可能性もあります。

反対に死亡時の保障よりも生存中の資産を最大化したい場合は「変額個人年金保険」がおすすめです。変額個人年金保険は、死亡保障に最低保証が設けられていないケースもあり、保障がほとんどない分貯蓄性が高くなっています。

まとめ

変額保険の運用には、一般的な生命保険にはないさまざまなリスクが伴います。これらのリスクや、そこから生じる損益はすべて契約者に帰属するため、リスクを正しく理解していないと予期せぬ損失を被る可能性があるでしょう。変額保険に加入する際は、投資リスクを十分に理解し、自分の目的に合った商品を選ぶことが大切です。

 

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オカネノホンネ編集部

オカネノホンネ編集部

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