定期付終身保険とは?種類や加入するメリット・デメリットについて解説

保険全般

定期付終身保険は、1980〜1990年代にかけて、国内の大手生命保険会社が販売に力を入れていた保険です。過去に定期付終身保険に加入したものの、このまま継続すべきなのか迷っている人もいるでしょう。

本記事では定期付終身保険の基本的な仕組みやメリット・デメリットを詳しく解説します。定期付終身保険の見直しで悩んでいる方は、参考にしてください。

定期付終身保険とは?

定期付終身保険とは、一生涯にわたって保障が続く「終身保険」を主契約とし、特約で一定期間を保障する「定期保険」を上乗せした保険です。主契約は解約返戻金があり、一定の貯蓄性があります。一方、特約部分については基本的に掛け捨てです。

定期保険以外にも、医療特約や三大疾病特約、介護特約など、様々な種類の特約を組み合わせられるケースが多くなっています。なお、現在では定期付終身保険を販売している保険会社は、ほとんどありません。

定期付終身保険の2つのタイプ

定期付終身保険は、特約として付加する定期保険部分の保険期間によって全期型と更新型の2種類に分けられます。

全期型

全期型とは、主契約の終身保険に全期型の定期保険を特約として付加するタイプです。全期型の定期保険では、契約から保障が終了するまでの期間を一つの保険期間とします。たとえば、30歳で加入し、60歳で契約が満了する全期型の定期保険であれば、30歳から60歳までの保険金額や保険料は一定です。

契約する時の保険料は「更新型」よりも高い傾向にありますが、保険期間中の更新はありません。そのため、保険期間が同じであれば、更新型よりも払込保険料の総額は低くなることが多くなっています。

更新型

更新型とは、主契約の終身保険に更新型の定期保険を特約として付加するタイプです。更新型の定期保険では、加入してから5年や10年のような一定の区切りで更新をすることで、保障を継続できます。たとえば30歳で10年更新の定期保険に加入した場合は、40歳、50歳といったタイミングで自動更新されます。

更新時に都度告知をする必要はないため、健康状態に不安がある場合でも、基本的には更新前と同じ保障内容で継続可能です。また加入当初は保険期間を区切っているぶん、全期型よりも割安な保険料で加入できる場合が多くなっています。ただし、更新を迎えるたびに保険料が上昇するため、次第に保険料の負担が大きくなる点はデメリットといえるでしょう。

定期付終身保険に加入するメリット

定期付終身保険のメリットは、一つの保険で終身保障と定期保障の両方を確保できる点にあります。たとえば、幼い子どもがいる場合、世帯主に万が一のことがあったときに家族が生活に困らないよう、手厚い死亡保障を備えておきたいと考える場合も多いでしょう。しかし、終身保険で数千万円単位の死亡保障を設定しようとすると、保険料の負担は大きくなりがちです。

一方で、定期保険は保険料が割安で、高額の死亡保障を得られるという魅力がありますが、保険期間が終了すると保障がなくなるため、長生きをした場合は、葬儀代すら確保できないこともあります。

定期付終身保険に加入すれば、一定期間は高額な死亡保障を備えつつ、葬儀代などの最低限必要な費用は一生涯にわたって確保できます。さらに、終身保険と定期保険に別々に入らずに済むため、管理の手間も省けるでしょう。

定期付終身保険に加入するデメリット

定期付終身保険に加入するデメリットは、保険の仕組みが分かりにくい点にあります。名前に「終身」と付いている定期付終身保険ですが、実際には定期保険の保険金額が終身保険の数倍から数十倍に設定されているケースがほとんどです。

そのため、一生涯にわたって数千万円の保障が続くと思っていたものの、特約(定期保険)の保険期間満了時に初めて、数百万円程度の終身保険しか付いていないことに気づくケースも少なくありません。

加えて、保険料の大部分が定期保険部分に充てられていることが多いため、貯蓄性に期待して加入しても、実際に解約すると解約返戻金がほとんどない場合があります。特に更新型の場合、途中で保険料が高くなるため、負担が大きい割には返戻金が少なく感じられることでしょう。

仕組みを理解しないまま定期付終身保険に加入すると、期待していた保障が得られなかったり、経済的な負担を感じたりする可能性があります。

定期付終身保険の見直しはどうすればいい?

定期付終身保険を見直す場合は、主契約と特約部分を分けて考えましょう。

主契約の終身保険は、過去に販売された予定利率の高い「お宝保険」である可能性があります。お宝保険は、近年発売された保険よりも返戻率が高く、再加入できないケースがほとんどなので、安易に解約するのは避けた方がよいでしょう。どうしても保険料の負担を減らしたい場合は、保険金額の減額や払済保険への変更を検討するのも一つの手です。

一方、特約部分の定期保険については、現時点のライフステージにあった保障金額になっているか、改めて考えてみましょう。とくに子どもが独立している場合は、死亡保障金額を減らす選択もあります。節約した資金は、老後に向けた貯蓄に回したり、医療保険やがん保険などの生存中の保障を増やしたりなど、有効活用しましょう。

まとめ

定期付終身保険は、終身保険に定期保険を上乗せした保険で、全期型と更新型の2種類があります。一つの保険で終身と定期、両方の保障が得られるメリットがある一方で、仕組みが複雑で理解しにくいという側面もあります。

定期付終身保険を見直す際は、主契約の終身保険と特約の定期保険を分けた上で、ライフステージに合った保障内容に見直すことを検討してみましょう。

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オカネノホンネ編集部

オカネノホンネ編集部

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