40歳から投資を始めるのは遅い?お金のプロがおすすめの投資商品を紹介

投資

「若いころに投資を始めていれば」と後悔している40代の人は多いかもしれません。しかし、40歳から投資を始めることは決して遅くありません。むしろ、安定した収入や経験を活かして、資産を増やせる可能性があります。

この記事では、40代から投資を始めるべき理由や、おすすめの金融商品について紹介します。

40歳から投資を始める人は少ない?

まずは、楽天グループが運営する「楽天インサイト」が調査したデータをもとに、40代の投資に対する取り組み状況についてみていきましょう。

40代から投資を始めた人の割合

同調査によると、40代で投資などの資産運用をしている人の割合は60.7%です。そのうち、直近1年以内に運用を開始した人は19.4%います。つまり、40代の約10人に1人は、40代になってから投資を始めている計算になるでしょう。

40代の人が実施している資産運用方法の内訳は以下の通りです。

資産運用方法 割合
NISA 32.8%
預貯金 23.1%
株式投資 19.7%
投資信託 17.5%
iDeCo 14.8%
保険 13.5%
確定拠出年金(企業型) 12.2%
外貨預金 5.7%
暗号資産 3.9%
債券(国債・社債) 3.9%
FX 1.3%
不動産 0.9%

※複数回答

引用:楽天インサイト|「資産運用に関する調査」

40代から投資を始めた理由

同調査によると、投資を始めた理由として、「老後や将来の生活資金に不安を持った」と回答した人が44.4%で、最も多い結果となりました。なお、「値上げや物価高で資産形成の必要性を感じた」「資金に余裕ができた」などをきっかけに、資産運用を始めたと回答している人も多いようです。

上記の結果から、将来に必要となる資金に対して危機感を覚え、自主的に運用している人が多いことが窺えるでしょう。

投資額の平均

同調査によると、資産運用を実施している40代のうち、51.8%が積立投資に取り組んでいます。また、毎月の積立金額に関する調査結果は以下の通りです。

毎月の積立投資額 割合
5,000円未満 9.7%
5,000円以上10,000円未満 11.1%
10,000円以上20,000円未満 20.8%
20,000円以上30,000円未満 15.3%
30,000円以上40,000円未満 6.9%
40,000円以上50,000円未満 2.8%
50,000円以上100,000円未満 18.1%
100,000円以上 15.3%

引用:楽天インサイト|「資産運用に関する調査」

「10,000円以上20,000円未満」と回答した人が最も多くなっています。次いで「50,000円以上100,000円未満」と回答した人が多い状況です。この調査結果から、40代は20代や30代と比べると収入が多くなりやすいこともあり、投資に積極的に取り組んでいる世帯も一定数存在することが窺えるでしょう。

投資などの資産運用を今すぐ始めたほうがよい理由

40代は、定年退職を迎えるまでにまだ時間があるため、投資に取り組むタイミングとしては決して遅くありません。

以下では、40代からでも資産運用に取り組むべき理由を解説します。

将来のインフレに対応するため

将来のインフレに備えるために、投資などの資産運用を始めるのをおすすめします。インフレとは、モノやサービスの価格が上昇し、相対的にお金の価値が下がることです。

預貯金のみの場合、金利はインフレ率より低くなることが多いため、お金の実質的な価値が目減りする可能性があります。たとえば、預貯金で100万円を運用しても年間の金利が0.01%であれば、1年後には100円しか増えません。しかし、インフレが1年で2%進むと、1年前に100万円だった商品は102万円になるため、預貯金だけでは買えなくなってしまいます。

お金の価値が目減りしてしまうと、将来のライフイベントに向けてお金を貯めていたとしても資金が不足する可能性があるでしょう。資産運用を通じて、株式や投資信託などのさまざまな金融商品に投資すれば、インフレ率を上回る利回りを狙うことが可能です。

このように、インフレに対応するためにも、早めに資産運用を始めるのが重要になります。

複利効果のメリットを得るため

アインシュタインが「人類最大の発明」と評価した「複利効果」を最大限に活用するためにも、早めに資産運用を行うことが重要です。複利効果とは、投資で得た利益を元本に組み込んで再投資することで、利益が利益を生み出し、徐々に膨らんでいく現象を指します。

40代から投資を始めたとしても、定年を迎えるまでには約20年近くあるため、複利効果を活用して資産を大きく増やせる可能性があります。

40歳から投資を始める人におすすめの金融商品

40歳から投資を始める際には、リスクとリターンのバランスを考慮し、自身に合った金融商品を選ぶことが重要です。

ここからは、40代からでも安心して始められるおすすめの金融商品を紹介します。それぞれの商品の特徴を理解し、資産形成に役立てましょう。

運用の手間がかからない「投資信託」

投資信託は、多くの投資家から集めた資金を専門家(ファンドマネージャー)が運用する金融商品です。

投資信託は、分散投資が容易にできる点がメリットといえます。株式や債券など複数の資産・銘柄に分散投資する商品であるため、特定の銘柄の価格変動によるリスクを軽減できるでしょう。

また、個別の株式や債券を売買して利益を出すには、相応の知識や経験が必要になりますが、投資信託であればプロに運用を任せられます。なお、個人では買い付けしにくい海外の株式や債権などに投資することも可能です。

投資信託は100円から購入できる商品もあるため、大きな資金は必要ありません。さらに、毎月一定額を積み立てる「投信積立」もあり、定期的に資産を増やすことが可能です。

ハイリスク・ハイリターンである「株式」

株式とは、株式会社が事業の出資者に発行する有価証券のことです。株式投資の魅力は、大きなリターンを得られる可能性がある点にあります。たとえば、成長が期待される企業の株式を購入し、将来的に株価が上昇すれば、大きな利益を得られる可能性があるでしょう。また、配当金や株主優待などを受け取れる銘柄もあります。

しかし、株価は企業の業績や市場の状況によって大きく変動します。そのため、投資のタイミングによっては株価が大きく下落し、投資元本が減少する可能性があるでしょう。

このような事態を防ぐためにも、初心者が株式投資に取り組む際は、まず相場分析や財務分析の方法などの基本的な知識を身につけておくことが重要です。

40歳から投資を始めるなら税制優遇制度も活用しよう

40歳から投資を始める際には、「税制優遇制度」を最大限に活用することで、効率的に資産を増やせる可能性があります。

以下では、代表的な税制優遇制度である「新NISA」と「iDeCo」について詳しく説明します。

譲渡益や分配金が非課税になる「NISA」

NISAは、投資で得た譲渡益や分配金が非課税となる制度です。通常では、株式や投資信託で得た利益に約20%の税金がかかります。しかし、新NISAを利用すると非課税になるため、投資で得られるリターンを最大化することが可能です。

NISAには「つみたて投資枠」と「成長投資枠」の2種類の非課税枠があります。つみたて投資枠は、年間120万円まで利用可能となっており、毎月少額ずつコツコツと積み立てることで、長期的に資産を増やせます。一方で、成長投資枠は年間240万円が上限となっており、一括でまとまった資金を投資することも可能です。

どちらも無期限で非課税の運用ができるため、長期的な資産運用を行う人に適した制度といえます。

掛金の所得控除を受けられる「iDeCo」

「iDeCo(個人型確定拠出年金)」は、老後資金を自身で積み立てるための制度です。毎月掛金を拠出し、投資信託や定期預金などで運用します。

iDeCoには、以下のような税制上のメリットがあります。

  • 掛金が全額所得控除の対象
  • 運用益は非課税
  • 年金として分割で受け取る際は、公的年金等控除の対象
  • 一時金としてまとめて受け取る際は、退職所得控除の対象

NISAと同様に運用益が非課税になるだけではなく、掛金の拠出額に応じて所得税や住民税の負担を軽減できる点が魅力です。ただし、原則として60歳になるまで資産は引き出せないため、老後資金の準備に特化した制度といえます。

まとめ

今回紹介したように、40代の約6割が資産運用を行っており、40代になってから始めたという人も一定数存在します。なかには、40代から投資を始めるのは遅いと考える人もいますが、決してそんなことはありません。

40代は、新卒などの20代に比べると多くの収入を得られているケースが多く、資金に余裕がある人もいるでしょう。毎月の投資額を増やせば、リターンも大きくなります。

とはいえ、大きなリターンを得るには複利効果を最大限に発揮する必要があります。将来的なインフレリスクに備え、経済的に安定した生活を過ごすためにも、なるべく早めに資産運用を始めましょう。

関連記事

特集記事

オカネノホンネ編集部

オカネノホンネ編集部

難しいお金の話を、ファイナンシャルプランナー・ファイナンシャルプランニング技能士や保険や金融商品の専門家が忖度なし「ホンネ」でわかりやすく伝えます。

TOP