医療保険に入るタイミング|ベストな加入時期とおすすめ医療保険を紹介

医療保険

医療保険は、病気やケガで入院・手術をした際に給付金を受け取れる生命保険の一種です。「いつかは加入しないといけないかな……」と思いつつ、加入するタイミングがつかめずに後回しにしてしまう方も多いのではないでしょうか。

今は若くて健康でも、病気やケガは誰にでも起こり得ます。万が一を考えれば、早いうちに医療保険について理解し、どの時期に入るのがよいか検討を進めておくことが大切です。そこで今回は、医療保険に入るベストなタイミングと、おすすめの医療保険を紹介します。

医療保険に入るベストなタイミングはいつ?

万が一の病気やケガに手厚く備えられる医療保険には、そうしたリスクが高まるような年齢になってから加入すればよいと考える方もいるかもしれません。しかし、医療保険に加入するのにベストなタイミングは「できるだけ若いうち」といわれています。その理由を詳しく見ていきましょう。

医療保険はもしものための「備え」

健康なうちは「公的な医療保険でも十分」と考える人もいるかもしれません。健康なうちに民間の医療保険を検討するとよい理由はどこにあるのでしょうか。

医療保険に加入する際は「過去の病歴」「手術歴」「現在の健康状態」などを申告する「告知」を行う必要があります。例えば年齢を重ねる中で手術歴ができると、加入の条件を満たせず利用できない保険商品が出てくる可能性もあります。

さらに、もし加入できたとしても、すでに病気になった部位については入院や手術をしても保障されない「不担保」の措置を取られてしまい、望んだ保障が受けられないかもしれません。

「引受基準緩和型」と呼ばれる告知が簡単な保険もありますが、一般的な医療保険と比較すると保険料が割高です。加入から一定期間は給付額が半額になる商品もあるため、健康なうちに通常の医療保険への加入を検討するのが望ましいでしょう。

若く健康なうちは選択肢が広い

若く健康なうちであれば、さまざまな医療保険から自身に合う商品を選べます。

医療保険に加入する際の年齢が若いと保険料が安く設定されるケースが多くなります。これは若いほどケガや病気のリスクが小さく、仮に病気になって入院しても早く治りやすいためです。そのため手ごろでシンプルな保険から保障内容が充実した保険まで、選択肢が広いでしょう。

また、ケガや病気による持病歴がつく前であれば加入できる保険の制限がありません。このように、若く健康なうちに医療保険を検討すれば、保険料の安い保険を多くの選択肢の中から選ぶことができます。

医療保険に早めに入ることによるデメリット

若く健康なうちに入るとメリットの多い医療保険ですが、加入したときよりも優れた新しい保険が登場する可能性がある点は、早期加入のデメリットとして挙げられます。

医療保険は、進歩する医療技術に合わせて新しい商品が誕生していくものです。例えば過去の医療保険では「入院〇日後から給付」という条件がついている商品もありました。しかし現在は、入院が短期化していることで日帰り手術から給付される保険も数多く登場しています。

今後も医療の進歩に合わせて新しい保険サービスが提供される可能性があります。また、保険会社間の競争によって保険料が下がったり、よりよいサービスが生まれたりすることもあるでしょう。

ただし、早めに医療保険に加入したからといって、その保険を生涯解約できないわけではありません。ライフスタイルの変化に応じて適切に保険を見直すことで、最新のサービスを受けられる保険に乗り換えることもできます。

医療保険に入るタイミングはいつ?ライフイベントごとに検討

早いうちに医療保険に加入したほうがよいと考えていても、すぐに検討することは難しい人もいるでしょう。そこで、加入に適したタイミングを紹介します。

就職するタイミング

社会人になったばかりのときは、30代以降と比較して収入が少なかったり、奨学金の返済などが理由で貯蓄が少なかったりする傾向があります。そのため、入院や手術が必要になった際に、自己負担支払いが家計に与える影響は相対的に大きくなるでしょう。ケガや病気で収入が減ることのリスクヘッジとして、医療保険の加入を検討するのも1つの手段です。

ただし、独身の20代に、保険料が日々の生活費を圧迫するほど手厚すぎる保障はおすすめしません。最小限の保障でリスクに備えることを目的とするのがよいでしょう。

結婚するタイミング

独身であれば自身の医療保険だけで問題ありませんが、結婚すると配偶者のための保障を考える必要があります。理想的なのは、夫婦それぞれで医療保険に加入することです。特に共働きの家庭なら、一方が入院で休職することによる収入減を保障できます。

また、専業主婦(夫)の方が医療保険に加入することにもメリットがあります。病気やケガのリスクは働いているかどうかによらず、全ての人が抱えているものです。入院が長期化したり、差額ベッドを利用したりすれば公的医療保険ではまかないきれず、自己負担額が増える可能性もあるでしょう。

また子どものいる家庭であれば、家事代行サービスやベビーシッターサービスを利用することになるかもしれません。こうした出費に備える手段として、医療保険を検討するのもよいでしょう。

妊娠・出産する前のタイミング

厚生労働省平成29年(2017)医療施設(静態・動態)調査・病院報告の概況」によると、出産を経験した女性のうち5人に1人は帝王切開によって出産しています。帝王切開にかかる費用は手術だけで20万円以上、3割負担のため自己負担額は6万円程度です。また自然分娩は公的医療保険・民間医療保険の対象になりません。

妊娠糖尿病や重度の悪阻(つわり)、子宮外妊娠、帝王切開などの異常妊娠・異常分娩は医療保険の対象になります。妊娠・出産前に医療保険に加入しておくことで、入院により休職した場合の保障になるでしょう。一般的には妊娠中に医療保険に加入した場合、その妊娠に伴う入院等は保障の対象外となる事が多いです。

ただし、すでに帝王切開を経験していると保険に加入できなかったり、妊娠後は出産に関する保障が特定部位不担保として対象外になったりする可能性があります。そのため医療保険の加入を検討するのであれば、妊娠が発覚する前や妊活中に加入するのがおすすめです。

あわせて、子どもの医療保険についてもこのタイミングで一度検討するとよいでしょう。子どもが病気やケガで入院することになった場合、治療費を支払うことになるのはもちろん、看病のために会社を休んで収入が減ってしまうことも考えられます。子どもが医療保険に加入していれば、給付金を収入の補てんとして利用することも可能です。

子どもの就学のタイミング

子どもが就学すると、年齢を重ねるごとに教育費の負担が大きくなります。文部科学省「平成30年度子供の学習費調査の結果について」、日本政策金融公庫「令和2年度『教育費負担の実態調査結果』」によると、幼稚園から大学卒業までに必要な教育費の平均は以下のとおりです。

公立 私立
幼稚園 67万,641円 158万3,748円
小学校 192万7,686円 959万2,146円
中学校 146万5,191円 421万9,299円
高等学校 137万2140円 290万9,733円
大学 783万2,000円 文系 理系
949万7,000円 1,109万2,000円

幼稚園から大学まですべて公立でも約1,327万円、すべて私立(大学は理系)にすると約2,939万円もの学費が必要になる計算です。

一方で、両親の年齢が30~40代にさしかかることで長期入院に陥るケースも増えます。「平成29年(2017)患者調査の概況」によると、15~34歳の平均入院日数は11.1日なのに対し、35~64歳は21.9日と大幅に延びます。両親が長期入院することで学費が支払えなくなる事態は未然に防ぎたいものでしょう。貯蓄や資産運用により万が一に備えることもできますが、医療保険の加入により収入減を補てんして、子どもの教育費に充てることもできます。

定年退職のタイミング

定年退職は医療保険を見直すタイミングの1つです。再就職で働かない場合は収入が年金のみになるため、医療費までまかなえない可能性があります。医療保険があれば、長期入院した場合に、生活費の補てんとして利用できます。さらに、死亡保険にも併せて加入すると、万が一の際に家族にお金を遺すことも可能です。

定年退職のタイミングは、子どもの独立や住宅ローンの完済など出費が減るイベントが重なる時期でもあります。見直し次第では加入する医療保険を減らすこともできるでしょう。単純に新規加入で保障を増やすというより、保険全体の見直しに適した時期といえます。

実際に医療保険に入るタイミングはいつが多い?

医療保険に加入したり医療特約を付帯したりしている家庭は、全体の88.5%にものぼります。それでは実際に保険に加入する人は、どのタイミングでの加入が多いのでしょうか。

生命保険文化センター「平成30年度生命保険に関する全国実態調査」では、医療保険の加入率を世帯主の年齢に分けて調査しています。平成30年度時点の各年代の加入率は以下のとおりです。

世帯主年齢別 加入率
29歳以下 93.9%
30~34歳 82.6%
35~39歳 87.4%
40~44歳 94.3%
45~49歳 91.8%
50~54歳 95.1%
55~59歳 93.7%
60~64歳 91.3%
65~69歳 87.4%
70~74歳 86.3%
75~79歳 81.5%
80~84歳 75.4%
85~89歳 64.3%
90歳以上 62.5%

 いずれの世代でも60%以上の人が医療保険に加入していることが読み取れます。30~39歳までは90%を割り込んで一時的に加入率は減少しますが、40歳以降は64歳まで加入率は再び90%を超えているのが特徴です。

医療保険にはじめて加入する方向けのおすすめ商品

ここからは、いざ医療保険への加入を検討し始める方に向けて、おすすめの医療保険を5つご紹介します。

ソニー損保|終身医療保険「SURE(シュア)」

ソニー損保は、1998年に「ソニーインシュアランスプランニング株式会社」として設立した損害保険会社です。2021年にはAIを活用した運転特性連動型自動車保険「GOOD DRIVE」の販売を開始するなど、時代のニーズに合った商品を次々とリリースしています。

終身医療保険「SURE(シュア)」は手ごろな保険料で病気・ケガを一生涯保障する医療保険です。

 病気・ケガによる入院・手術を一生涯保障
 先進医療を保障
 がんの入院支払い限度日数は無制限
 保険料は加入時から一定
 女性特有の病気までカバー

3大疾病や7大疾病のほか、病気・ケガによる入院を日帰り入院から幅広く保障してくれます。また、公的医療保険制度の対象である1,000種類以上の手術にも対応しているほか、乳がんや子宮筋腫などの女性特有の病気をカバーしているのも特徴です。

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ライフネット生命|終身医療保険「じぶんへの保険3」

ライフネット生命は2006年に「ネットライフ企画株式会社」から始まった生命保険会社です。2019年には保険契約数が30万件を突破しており、終身医療保険や就業不能保険など、新しい商品を多数リリースしています。

終身医療保険「じぶんへの保険3」は、オリコン顧客満足度1位に選ばれた実績もある、保険料が一生上がらない医療保険です。ニーズに合わせて、がんや3大生活習慣病に備えられる「おすすめコース」、入院と手術に備えられる「エコノミーコース」から選択できます。

おすすめコースなら、がん・3大生活習慣病の充実の保障が受けられます。また、がん治療の備えとして、がん治療給付金×100倍を年に1回、最大5回まで受け取ることが可能です。さらに、がん・心疾患・脳血管疾患に罹患した場合は入院日数も無制限になります。

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メディケア生命|医療終身保険「新メディフィットA(エース)」

メディケア生命は住友生命グループの一員で、住友生命の経験・ノウハウを活かして「シンプル・わかりやすい・選べる保険」「丁寧・迅速・正確なサービス」を提供している保険会社です。

医療終身保険「新メディフィットA(エース)」は、がんなどの生活習慣病とケガをトータルでサポートしてくれる医療保険です。

 保険料は加入してから一生涯上がらない
 日帰り入院から保障
 上皮内がん(上皮内新生物)でも保障
 ネット申込なら申し込んだその日から保障がスタート

基本の保障(主契約)を契約者のニーズに合わせて自由にカスタマイズできるのも特徴です。また、1入院の給付限度を30日型・60日型・120日型から選択でき、通算で1,095日まで保障されます。特則を利用すると、特定の疾病における1入院の給付限度を無制限にすることも可能です。

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メットライフ生命|終身医療保障保険「マイ フレキシィ」

メットライフ生命は日本初の外資系企業として営業を開始した保険会社です。2021年には「音声コード Uni-Voice」に加え「手話・チャット通訳サービス」を導入するなど、新しい付加価値を次々とリリースしています。

終身医療保障保険「マイ フレキシィ」は、入院保障を3つの型から選択でき、18の保障から自分に必要なものだけを選べる医療保険です。

 入院日数にかかわらず30万円の一時金が受け取れる
 5年間健康に過ごせたら15万円の給付金を受け取れる
 8疾病による入院は無制限。1日に月1万5,000円を保障

日帰り入院を含む病気やケガで1日以上入院した場合、入院日数や自己負担額にかかわらず一律で30万円を受け取れます。

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まとめ

今回は医療保険に入るベストなタイミングと、おすすめの医療保険を紹介しました。健康で若いうちのほうが病気になるリスクが低いことから、保険料も安くなるのが一般的です。

現在若くて健康であっても、病気やケガのリスクは誰もが抱えているものです。早いうちに医療保険に加入するメリットを理解しておけば、本格的に検討する際に自身に合った保険に入るタイミングを迷わないでしょう。

また、結婚・妊娠・定年などのライフステージの節目は、医療保険の加入や見直しに適した時期です。将来の病気やケガにより加入できる医療保険の選択肢が狭まる可能性も考慮し、今の自分自身に最適な保険を探してみてください。





オカネノホンネ編集部

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難しいお金の話を、ファイナンシャルプランナー技能士や保険・金融商品の専門家が忖度なし「ホンネ」でわかりやすく伝えます。

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