【保険用語集】診査とは

用語

診査/しんさ

『診査』とは、生命保険を契約するときに、生命保険会社が指定した医師により、健康状態を確認することです。医的診査ともいいます。

診査が必要な理由

生命保険は、各契約者が支払った保険料を生命保険会社が預かり、そのお金から万が一のときの給付金や保険金を支払う相互扶助の制度です。ですから、すべての契約者に対し、公平性が保たれなければなりません。例えば、健康で若い人と既往症のある高齢の人が同じ保険料や条件で契約することになると、不公平になってしまいます。

そこで、公平性を保つための方法のひとつとしておこなわれるのが、診査です。診査では、医師により、健康状態についての質問をされます。診査をおこなう医師は、生命保険会社の職員である「社医」、または、生命保険会社が委託している「嘱託医」のどちらかです。

診査で質問される内容(告知事項)には、以下のような項目があります。

  • 被保険者の現在の職業や年収
  • 他社での保険契約の件数と保障金額
  • 過去3ヶ月以内に病気やケガで医師の診察や治療、検査や投薬を受けたことがあるか
  • 過去5年以内に継続して7日以上の入院、または手術を受けたことがあるか
  • 今までにがんにかかったことがあるか
  • 現在妊娠しているか
  • 過去2年以内に健康診断や人間ドックで、要再検査や要精密検査などの異常を指摘されたことはあるか

質問に回答した後は、医師が書類(告知書)を作成し、被保険者は内容を確認して署名します。

医師以外による診査

診査は、基本的に医師によっておこなわれますが、被保険者自身が告知書に回答し、健康診断書を添付して提出する「代用診査」をおこなう場合や有資格者である生命保険面接師が面談し、「診査報状」を生命保険会社に提出する場合もあります。

告知

生命保険会社によって基準は異なりますが、診査がおこなわれるのは一定額以上の死亡保険などです。医療保険などでは一般的に、被保険者が告知書に回答して、生命保険会社に提出します。告知書の質問内容は、診査と同様です。

告知義務違反をしたとき

保険契約をする際に、告知事項を正しく伝えることを告知義務といいます。診査での医師からされる質問はもちろん、契約時に生命保険会社から確認される告知事項には、すべて正しく回答しなければなりません。”故意”や”重大な過失”により、告知すべき既往症などを隠したり、実際とは異なる内容を告知したりすると告知義務違反となります。

告知義務違反が保障が開始される日(責任開始日)から2年以内に発覚した場合、生命保険会社は契約の解除が可能です。また、原則2年を超えると告知義務違反が発覚しても契約は解除されませんが、告知義務違反の内容が重大と判断されると、契約が無効や取消になります。

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オカネノホンネ編集部

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