高度障害状態/こうどしょうがいじょうたい
『高度障害』とは、病気やケガに起因する重度の障害状態のうち、生命保険会社が給付金の支払い対象として定めた状態のことです。
高度障害の具体的な状態
高度障害の状態は、生命保険会社が定めているもので、公的な「身体障害者認定基準」などとは内容が異なります。詳細は、商品ごとに定められていますが、定義の大枠については各社大きな違いはありません。
高度障害とされる具体的な状態は以下の通りです。
両眼の視力を全く永久に失ったもの
”全く”といっても、対象は、全盲の人だけではありません。コンタクトレンズや眼鏡を使用したときの視力(矯正視力)が、0.02以下で、回復の見込みがない人も対象となります。視力検査に用いられるのは、健康診断でも馴染みのある、表にある輪(ランドルト環)の切り込みの位置やアラビア数字を読み上げる「万国式試視力表」です。
ただし、視野が狭くなったり、一部が欠けたりする「視野狭窄」と、まぶたが開かなくなることで見えなくなる「眼瞼下垂」が原因の場合は対象となりません。
言語またはそしゃくの機能を全く永久に失ったもの
この項目に当てはまるのは、以下の状態になり、回復の見込みがない人です。
- マ行などの口唇音・ナ行などの歯舌音・カ行などの口蓋音・ハ行の喉頭音のうち、3つが発音できない
- 声帯をすべて摘出し、声を出すことができない
- 言語中枢を損傷したことで、言葉がでてこない
- 食べ物をかみ砕く(そしゃく)ことができず、流動食しか食べられない
中枢神経系または精神に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
中枢神経とは、大脳・脳幹・小脳・脊髄全体の総称です。このいずれか、または精神に障害を負ってしまい、常に介護が必要な状態から回復の見込みがない人が対象になります。
胸腹部臓器に著しい障害を残し、終身常に介護を要するもの
この項目に当てはまるのは、以下のア胸腹部臓器に重い障害が残り、常に介護が必要な状態から回復の見込みがない人です。
- 呼吸器
- 循環器
- 腹部臓器(肝臓・腎臓・膵臓・脾臓・胃・十二指腸・小腸・大腸)
- 泌尿器
- 生殖器
両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
両方の肩関節から指先まで(上肢)、もしくは、手首(手関節)以上を失った人や完全にまひ、または完全に硬直して動かせず、回復の見込みがない人が対象です。完全にまひ、または完全に硬直して動かせない状態を、”その用を全く失った”、といいます。
両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
両方の股関節から足の指先まで(下肢)、もしくは足首(足関節)以上を失った人や完全にまひ、または完全に硬直して動かせず、回復の見込みがない人が対象です。
1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失ったもの
左右どちらかの上肢にある手関節・肘関節・肩関節のいずれかを失い、かつ左右どらかの下肢にある足関節・膝関節・股関節のいずれかを失うか完全にまひ、または完全に硬直して動かせず、回復の見込みがない人が対象です。
1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったもの
左右いずれかの上肢が完全にまひ、または完全に硬直して動かせない状態で回復の見込みがなく、さらに左右どちらかの下肢にある足関節・膝関節・股関節のいずれかを失った人が対象です。
高度障害保険金
高度障害状態になったときに受け取れる給付金に、「高度障害保険金」があります。高度障害保険金は、被保険者が高度障害状態になったときに、死亡保険金と同額が支払われる給付金です。高度障害保険金が支払われた時点で、保険契約は終了します。
先に述べた高度障害に該当しても、要介護の状態などで対象とならないこともあるので、詳しくは契約のしおりなどで確認してください。
保険料払込免除
生命保険によっては、高度障害状態になると、保険料の支払いが免除されます。保険料の支払いが免除になった後も、保険契約は継続します。その場合、高度障害保険金は、給付されません。