謝絶/しゃぜつ
『謝絶』とは、生命保険会社がなんらかの理由で、申し込まれた生命保険の引き受けを拒否することです。
謝絶される理由と対策
生命保険は、契約者が支払った保険料を保険会社が運用し、いざというときに保険金や給付金を支払う相互扶助の仕組みです。そのため、リスクが高い人と低い人を同じ条件で契約してしまうと、不公平になってしまいます。ですから、生命保険会社は、独自の基準に沿って審査し、リスクが高いと判断すると生命保険の引き受けを断ります(謝絶)。
もし、謝絶されたときに、生命保険会社に理由を問い合わせをしても、原則として教えてくれることはありません。しかし、一般的に以下に該当すると、謝絶される可能性があります。
- 健康状態に問題がある
- 身体的なリスクがある
- 危険な仕事についている
- 倫理的なリスクがある
健康状態に問題がある/身体的なリスクがある
もっとも多くの人に該当するのが健康状態の問題でしょう。現在、闘病中の人や持病がある人のほか、過去に大きな病気をした人も謝絶される可能性があります。
また、身体的なリスクも謝絶の理由のひとつです。身体的なリスクとは、極端な肥満体型の人やタトゥーが入ってる人などが該当します。肥満体型の場合は糖尿病などの生活習慣病、タトゥーの場合はB型・C型肝炎のリスクが高いためです。また、妊娠中の人も帝王切開などのリスクから、保険の種類によっては謝絶の可能性があります。
健康状態に問題がある人や身体的なリスクがある人は、告知義務のない生命保険や告知する項目の少ない「引受基準緩和型」を検討するといいでしょう。また、特定の部位や疾病を保障の対象から外す「部位不担保」という契約方法もあります。例えば妊娠中の場合、生命保険会社によっては、帝王切開など妊娠に関係する疾病を部位不担保にすることで契約可能です。
ただし、引受基準緩和型や部位不担保は、保険料が通常よりも高くなるデメリットがあります。疾病の内容によっては、年数が経って後遺症などがないと通常の生命保険に加入できるようになることもあるので、定期的に保険の見直しをしてください。
危険な仕事についている
業務中にケガをする可能性が高い職業も謝絶の理由のひとつです。例えば、スタントマンや潜水士、テストドライバーなどが挙げられます。また、漁業や土建業、林業に従事する人も事故のリスクがあるため、謝絶される可能性のある職業です。
このような職業の人に関しては、保険料を引き上げたり、保障額に上限を設けたりすることで引き受けている生命保険会社もあります。
倫理的なリスクがある
倫理的なリスクがある人とは、反社会的勢力に属する人や不正に保険金を入手しようとする意図がある人です。
生命保険の審査基準は、生命保険会社によって異なります。1社に謝絶されたからといって諦めず、複数の生命保険会社に相談するといいでしょう。