【ローン用語集】遅延損害金とは

用語

遅延損害金/ちえんそんがいきん

ローン用語における『遅延損害金』とは、お金を借りた人(債務者)が、期日までに返済できなかった場合に発生するお金のことです。延滞利息ともいいます。

遅延損害金とは

遅延損害金とは、債務者が期日までに返済できなかった(債務不履行)ときに発生するお金です。「遅延利息」とも呼ばれます。そのため、「利息」と混同しやすいですが、利息は借り入れに対する対価といえますが、遅延損害金は返済が遅れたことに対する「損害賠償」です。つまり遅延損害金には、ペナルティの意味合いがあります。

遅延損害金の上限

遅延損害金の利率は、お金を貸す側(債権者)と借りる側(債務者)の合意のもとに決定します。しかしながら、債権者と債務者では債務者の立場が弱いため、一部の貸金業者が高い利息で貸し付ける問題がありました。いわゆる高利貸しです。

そのような債権者から債務者を守るために、「利息制限法」という法律があります。利息制限法は、利息や遅延損害金の上限を定めた法律です。利息制限法では、遅延損害金について下記のように定められています。

利息制限法 第四条
金銭を目的とする消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が第一条に規定する率の一・四六倍を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

つまり、遅延損害金は借入額に関係なく、年14.6%が上限です。

利息制限法 第七条
第四条第一項の規定にかかわらず、営業的金銭消費貸借上の債務の不履行による賠償額の予定は、その賠償額の元本に対する割合が年二割を超えるときは、その超過部分について、無効とする。

また、貸金業者からの借り入れに関しては、上記の第七条により年20%が上限となります。貸金業者とは、消費者金融やクレジットカード会社などのことです。ただし、クレジットカードのショッピング枠については、年14.6%が上限になります。

遅延損害金の計算方法

遅延損害金は、返済期日の翌日から発生します。また、支払う返済額は元金+利息ですが、遅延損害金が課されるのは、そのうち元金のみです。

これを踏まえて、遅延損害金の計算式は、下記のようになります。

遅延損害金=元金×遅延損害金の利率×遅延している日数÷365
※閏年は366日で計算

損害遅延金は、返済が遅れた分だけに発生するので、実際に計算するときは、一括で返済する場合と分割で返済する場合で計算方法が異なります。

それぞれの計算方法は、以下の通りです。

一括返済の場合

一括返済の場合は、各変数を式に当てはめるだけです。例えば、元金が100万円、遅延利息が年20%、返済が50日遅延していたとします。

遅延損害金を求めるの計算式は以下の通りです。

遅延損害金=100×20×50÷365日≒27,397

分割返済の場合

計算に注意が必要なのは、分割返済をしているときです。一括返済のときと同じく、元金が100万円、遅延利息が年20%、返済が50日遅延していたとします。このケースで月々の返済額が10万円だった場合、返済が遅れている分の元金は、1か月目は10万円、2か月目は20万円です。

そのため、遅延損害金を求める計算式は、以下のようになります。

1か月目 :10×20×30÷365日≒1,644
2か月目 :20×20×20÷365日≒2,192
遅延損害金=1,644円+2,192円=3,836

計算結果からわかる通り、遅延損害金が発生すると、返済額は元金+利息+遅延損害金となり高額です。特に借入額の大きい住宅ローンなどでは、遅延損害金も高くなるので返済が遅れないように注意しましょう。

<参照・引用サイト>利息制限法(G-GOV法令検索)

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オカネノホンネ編集部

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