女性が生命保険に入るタイミングはいつ?年代別の加入率を紹介

保険全般

20~40代の女性のなかには、結婚や出産など将来のライフプランを考えるなかで、生命保険に入るタイミングについて気になっている人は多いでしょう。

そこで本記事では、統計データをもとに女性が生命保険に入るべきタイミングについて紹介します。また、若い年代のうちに保険に入ることで得られるメリットなどを詳しく解説するため、生命保険への加入を検討している人は参考にしてください。

女性が生命保険に入るべきタイミングとは?

女性が生命保険に加入する際は、ライフステージの変化に応じて必要な保障を考えることが大切です。就職、結婚、妊娠・出産、子どもの独立、定年退職など、それぞれの時期に必要な保障を確保することで、安心した生活を過ごせるようになるでしょう。

就職

就職をすると、基本的には親から独立して自身の収入で生活を始めることになります。貯蓄が少ない時期に病気やケガをして入院や手術が必要になった場合は、治療費の支払いが負担となるだけではなく、収入が減少して生活が苦しくなることもあるかもしれません。

医療費や生活費を賄えなくなるリスクに備えるためにも、まずは医療保険やがん保険への加入を優先的に検討することをおすすめします。医療保険に加入しておけば、急なケガで通院・入院が必要になった場合の治療費に備えることが可能です。その結果、急な出費による経済的な負担を軽減できます。

結婚

結婚をしてパートナーと生活を始めると、自身だけではなく相手のことも考慮した保障を選択しなければなりません。たとえば、自身が世帯主の場合、万が一のことがあったときでも家族が生活に困窮しないだけの保障が必要になります。

また、専業主婦の場合でも、自身に何かあった際には、夫の家事や育児の負担が増えるため、パートナーに負担をかけない「備え」が重要です。

共働きかによっても必要な保障額は変わりますが、医療保険や生命保険への加入を検討するとよいでしょう。

妊娠・出産

妊娠・出産で新しい家族が増えると、子どもの教育費や生活費が増えます。世帯主に万が一のことがあった場合でも、残された家族が問題なく生活できるように、割安な保険料で一定期間の保障を確保できる「定期保険」に加入するのをおすすめします。

また、子どもの教育資金を計画的に準備するために、学資保険に加入するのもおすすめです。学資保険には「保険料払込免除特約」があるため、契約者に万が一のことがあっても子どもは当初の予定通りに学資金を受け取れます。

子どもの独立

子どもが自立すると生活費や教育費が不要になるため、生命保険の必要保障額も減少します。今までの保険を見直して支払う保険料を減らし、老後に向けて貯蓄に回すとよいでしょう。たとえば、一定年齢まで保険料を払い込み、60歳や65歳以降に年金を受け取る「個人年金保険」のような貯蓄型保険に加入するのも1つの選択肢です。

定年退職

定年退職後は、老後の生活を見据えて生命保険の見直しを行いましょう。長期入院や介護が必要になった場合、経済的負担が大きくなる可能性もあります。

預貯金に不安がある場合は、医療保険や介護保険なども検討してみましょう。また、葬儀代や相続対策が気になる人は、終身保険に加入するのも1つの選択肢です。いずれの保険についても、途中で保障が途切れないように「終身タイプ」にすることをおすすめします。

【年代別】女性の生命保険加入率

ここからは、年代別でどのくらいの割合の人が生命保険に加入しているのか、みていきましょう。

生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、生命保険の年代別加入率(女性)は下記の通りです。

年代 加入率
20代 57.1%
30代 82.8%
40代 86.3%
50代 87.8%
60代 86.5%
70代 78.8%

引用:(公財)生命保険文化センター|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査

若い世代ほど加入率が低いのは、保険の必要性を感じにくいことが一因だと考えられます。同調査によると、直近加入契約の加入のきっかけとして「元々生命保険に加入する必要性を感じていた」ことを挙げた人の割合は、以下のように年代が高くなるにつれ多くなる傾向があります。

年代 加入率
20代 2.8%
30代 6.7%
40代 14.1%
50代 14.7%
60代 15.6%
70代 18.9%

引用:(公財)生命保険文化センター|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査

また、保険の種類別の加入率(女性)は以下の通りです。

医療保険(疾病入院給付金付き生命保険)加入率 がん保険加入率 特定疾病保険加入率
20代 43.8% 21.9% 17.6%
30代 70.2% 46.4% 36.6%
40代 74.9% 50.6% 40.4%
50代 78.3% 49.2% 37.8%
60代 74.9% 38.2% 29.3%
70代 66.5% 27.3% 20.1%

引用:(公財)生命保険文化センター|2022(令和4)年度 生活保障に関する調査

上表の調査結果より、30代以降は、がんをはじめとする生活習慣病のリスクを意識し始める年代といえます。それに伴い、がん保険や特定疾病保険の加入率が、他の年代よりも高くなる傾向にある状況です。一方で、どの種類の保険においても20代の加入率は低水準です。

ここまで、年代別の生命保険の加入率について紹介しました。生命保険を選ぶ際は、自身にとって必要な保障を不足なく揃えるためにも、「選び方」に注意しなければなりません。気になる人は、以下で紹介している内容を参考にしてみてください。

生命保険に若いうちに加入するメリット

生命保険になるべく早く加入しておくことで、経済的な負担を抑えながら万が一の事態に備えられます。

保険料が安い

若いうちに加入する生命保険に加入するメリットは、保険料が安く済むことです。生命保険の保険料は、加入時の年齢や健康状態によって決まるため、若いうちに加入したほうが毎月支払う保険料を安く抑えられます。

特に、保障内容や保険料が一生涯変わらない終身タイプの保険では、保険料払込期間が同じであれば、払い込む保険料総額も若いうちに入ったほうが少なく済みます。たとえば、保険料払込期間が20年の終身保険の場合、50代で加入するよりも20代で加入したほうが払い込む保険料の総額は少なくなるでしょう。

そのため、家計の負担を抑えたい場合は、なるべく早く加入しておくことをおすすめします。

加入できる商品の選択肢が多い

若いうちから生命保険を検討しておけば、多くの商品から加入する保険を選べます。生命保険には保険会社や商品ごとに、年齢や健康状態による加入条件があります。なお、契約年齢の対象外である場合は加入できません。

また、加入時には生命保険会社に対して告知を行い、その結果を考慮して生命保険会社は加入の可否を判断します。持病や既往症がある場合は加入を断られたり、特別条件(※)が付加されたりするケースもあります。
※保険会社が、被保険者の健康状態や過去の病歴などに応じて契約に付加する条件のこと

健康状態に不安がある人でも加入しやすい「引受基準緩和型保険」や、加入時の告知が原則不要となっている「無選択型保険」などもありますが、一般的な生命保険と比べると保険料は割高です。

一般的に年齢を重ねると健康上のリスクは増えるため、若いうちと比べて保険に加入しにくくなります。希望通りの条件で生命保険に入りたい場合は、20~30代のうちから検討しておくべきです。

貯蓄が少なくても万が一に備えられる

万が一の事態に対しては、保険ではなく貯蓄で備えられます。しかし、貯蓄には時間がかかるので、万が一のことが発生するまでに十分な資金が用意できているとは限りません。

実際に若いときは貯蓄が少ないことも多く、何も準備をしていなければ、治療費が支払えず、生活が困窮してしまう可能性があります。

その点、生命保険は加入直後から必要な金額の保障を用意できるため、万が一に備えることが可能です。

生命保険に若いうちから加入する際の注意点

若いうちから生命保険に加入するメリットを最大化するためにも、以下で紹介する注意点を考慮する必要があります。

保険料が負担にならないようにする

20代の若い年代は、40~50台に比べると収入が少ないケースが多いため、毎月の保険料が高すぎると家計の負担が大きくなります。収入に見合わない保険を契約した結果、途中解約することになってしまえば意味がありません。

また、貯蓄型の保険は途中解約すると元本割れするリスクもあります。若いうちに生命保険に入る場合は、長期的に無理なく支払える保険料になっているかを確認しましょう。なお、保険金の減額や払済保険への変更(※)など、契約時に途中で保険料の見直しができるか確認しておくことも大切です。
※保険料の払い込みを中止し、その時点での解約返戻金をもとに、保険期間をそのままにした保障額の少ない保険に変更する方法のこと

インフレリスクがあることを理解しておく

インフレとは、物価が継続的に上昇することです。生命保険で受け取る保険金は基本的に契約時に決まり、インフレが進んだとしても変わることはありません。

たとえば、子どもの教育資金に備えて、200万円の満期保険金が受け取れる学資保険に加入したとします。契約当時は、大学の入学資金や授業料を賄える金額になっていたとしても、実際に子どもが進学する十数年後にはインフレが進み、入学料や授業料が高くなっているかもしれません。つまり、インフレが進むと何もしなければお金の価値は目減りしてしまう可能性があります。

将来に向けて十分な保障を受けたい場合は、変額保険のようなインフレリスクに対応する保険に加入すべきです。変額保険は、特別勘定の運用実績に応じて、保険金や解約返戻金が変動します。特別勘定は、国内外の株式などを投資対象としていることが多いため、株価が上昇しやすいといわれているインフレ局面では、保険金額も増加する可能性があります。

まとめ

女性が生命保険を検討する場合は、就職、結婚、妊娠・出産、子どもの独立、定年退職といったライフステージごとに必要な保障を考えることが大切です。

若いうちに生命保険の加入を検討しておけば、毎月に支払う保険料の負担を抑えつつ、万が一に備えられます。さらに、数多くの選択肢のなかから、自身に合った保険を見つけやすくなるでしょう。

ただし、保険料の支払いが大きな負担にならないためにも、家計とのバランスを考慮しながら、検討することをおすすめします。

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オカネノホンネ編集部

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