初心者が資産運用するなら何がいい?年代別におすすめの方法を紹介

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資産運用を始める人のなかには、「どの方法が自分に合っているのかわからない」といった悩みを抱えているのではないでしょうか。

年齢や資産状況に応じて最適な運用方法は異なります。さまざまな資産運用方法の特徴を理解し、自分に合った運用方法を見つけましょう。

本記事では、初心者向けの運用方法や、年代・投資資金別の運用方法などをわかりやすく解説します。

初心者におすすめの資産運用6選

まずは、長期的な資産形成に向いている、6つの資産運用方法についてみていきましょう。以下で紹介する資産運用は、いずれも少額から始めることが可能です。

NISAを活用した投資信託積立

NISA(少額投資非課税制度)は、一定の金額までの投資に対して税金がかからなくなる制度です。通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかります。しかし、NISA口座を利用すると運用益が非課税となるため、利益を効率的に積み上げられます。

NISAには、成長投資枠とつみたて投資枠の2つの非課税枠があります。それぞれ1年間に非課税で投資できる金額は異なりますが、初心者は「つみたて投資枠」で投資信託の積立を始めるのがおすすめです。

つみたて投資枠で投資できる商品は、金融庁の定めた基準をクリアした長期・分散投資に適した投資信託のみであるため、手数料の高い商品や極端にリスクの高い商品を選んでしまう心配はありません。また、投資信託自体が複数の資産や銘柄にする商品なので、1つの商品を購入するだけで分散投資を実践できます。

さらに、毎月コツコツと積み立てをすることで、ドルコスト平均法によるリスク軽減の効果を得られます。ドルコスト平均法とは、一定金額を同じ頻度で投資し続ける投資方法です。価格が高いときには少なく、安いときには多く商品を購入するため、購入単価を平準化できます。

NISAを活用した投資信託の積立には、さまざまなメリットがあるため、大きな損失を避けながら徐々に資産を増やすことも可能です。

なお、NISAでの投資信託の積立は、ネット証券であれば毎月100円程度から始められます。

NISAのメリット・デメリットやおすすめの投資信託については、以下の記事でも詳しく解説しています。


iDeCoでの投資信託積立

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、老後の資産形成を目的とした私的年金制度です。毎月一定額を積み立てて、選んだ投資商品を運用しながら、原則60歳以降に年金を受け取ります。

積み立てた金額が全額所得控除されるため、所得税や住民税の節税効果が期待できる点が魅力です。

iDeCoでは、運用商品として投資信託を選ぶことができます。運用益は非課税で、長期間にわたって積み立てられるため、若いうちに始めるほど得られるメリットが大きくなるでしょう。

iDeCoは、原則60歳まで引き出すことができないため、短期的な資金の運用には向きません。しかし、老後資金をしっかりと蓄えたい人にとっては、有効な選択肢の1つになるでしょう。

なお、iDeCoは最低5,000円から始められます。

個人向け国債

個人向け国債は、日本が発行する債券(借用証書のようなもの)です。保有期間中は利子を受け取ることができ、満期を迎えると投資した金額が変換されます。

購入後も途中解約が可能(発行後1年間は解約不可)なため、急な資金需要にも対応できる柔軟さが魅力です。

国債は満期まで保有すれば、元本割れのリスクがないため、リスクに敏感な初心者でも安心して運用できるでしょう。利回りは大きくないものの、安定した収益が期待できるため、リスクを抑えつつ資産を少しずつ増やしたい人に適しています。

なお、個人向け国債は最低10,000円から始められます。

個人向け国債を含む、債券投資のメリットやリスクが気になる方は、以下の記事も参考にしてください。

ロボアドバイザー

ロボアドバイザーは、AIを活用して投資の運用や管理、アドバイスなどを自動的に行うサービスです。

ユーザーは簡単な質問に答えるだけで、自分のリスク許容度に合わせたポートフォリオを作成でき、後はロボアドバイザーが投資商品の選定から売買まで自動的に行ってくれます。手間がかからず、初心者でも気軽に始められるのが大きなメリットです。

代表的なロボアドバイザーサービスには、「ウェルスナビ」や「THEO」などがあり、少額からの積立投資にも対応しています。金融知識がない人でも、簡単にプロのような投資を実現できるため、特に忙しい人や、投資に時間を割けない初心者におすすめです。

ロボアドバイザーは、最低数千円から数万円程度で始められます。

ロボアドバイザーにメリット・デメリットは、以下の記事でも解説しています。

貯蓄型生命保険

貯蓄型生命保険は、保険機能と貯蓄機能を兼ね備えた金融商品です。万が一の保障を確保しながら、満期保険金や解約返戻金など、生存中にお金を受け取ることもできます。

代表的な貯蓄型保険には、終身保険や養老保険、個人年金保険、学資保険などがあります。これらの商品は、一定期間保険料を支払うと、満期保険金や年金、解約返戻金等を受け取ることが可能です。受け取る際には、基本的に契約時に決められた額面となるため、着実に貯蓄できるという魅力があります。

ただし、保険料を払い込んでいる途中で解約すると、元本割れのリスクがあります。そのため、長期間加入することが前提の商品です。

毎月払い込む保険料は、保険会社や商品によって大きく異なり、毎月の保険料は数千円から数万円程度が一般的です。

貯蓄型保険の特徴や掛け捨て型保険との違いを詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。

ポイント投資

ポイント投資は、普段の買い物やクレジットカードの利用で貯めたポイントを使って投資を行う方法です。貯めたポイントを投資に回すだけなので、万が一損失が出ても現金を失う心配がありません。そのため、初心者が気軽に投資を始められる手段として注目されています。

ポイント投資には、貯まったポイントを投資信託や株式の購入に充当するタイプと、ポイント自体を運用するタイプ(擬似運用タイプ)があります。

【年代別】おすすめの資産運用

ライフステージや経済状況によって選択すべき運用方法は異なります。ここでは、20代から50代までの各年代で特に効果的な運用手法を解説します。

20代におすすめの資産運用

20代は、運用期間を長期間確保できるため、時間を味方につけながら資産を増やしていける「積立投資」がおすすめです。毎月の積立額は少額であっても、複利効果によって長期的には大きく資産を増やせる可能性があります。

複利効果とは、投資で得た利益を再投資することで、資産が雪だるま式に膨れ上がっていく効果のことです。運用期間が長くなるにつれて、複利効果によって資産が増えていくスピードは上がっていきます。

30代から40代におすすめの資産運用

30代から40代は、20代と比べて収入は増える傾向にありますが、同時に支出も多くなりがちです。また、子どもの教育費用や住宅購入資金など、ライフイベントに向けた貯蓄が必要になることもあります。そのため、家計の状況に見合った運用方法を選択することが大切です。

多くの金額を投資できない場合は、20代と同様に無理のない範囲で「積立投資」をするとよいでしょう。預貯金にゆとりがある場合は、株式投資や不動産投資など、大きなリターンが狙える資産運用にチャレンジしてみるのがおすすめです。

50代におすすめの資産運用

50代は、退職や老後を見据えた資産運用を行う時期です。基本的には、債券や定期預金などの安定性の高い資産を増やし、元本を守りながら運用することをおすすめします。

ただし、老後に向けて貯蓄が十分でないと感じる場合には、iDeCoなどを活用して積極的に資産を増やすことも選択の1つになるでしょう。

【投資資金別】おすすめの資産運用

投資においては、基本的に元手となる金額が多いほど、得られる利益は大きくなりやすく、投資先の選択肢も広がります。

100万円ある人におすすめの資産運用

投資資金として100万円を用意できる場合は「投資信託」にチャレンジしてみるとよいでしょう。投資信託によって、最低購入金額や最低口数は異なりますが、100万円あれば国内外の多くの投資信託を購入できます。1つの銘柄に集中せず、複数の銘柄に分散投資することでリスクを軽減しつつ、リターンを狙うことも可能です。

1,000万円ある人におすすめの資産運用

1,000万円の投資資金がある方には「株式投資」や「不動産投資」がおすすめです。

株式は基本的に100株単位で購入します。株価が数百円から数千円の銘柄であれば、100万円程度の資金でも始められますが、1株あたりの株価が数万円する「値嵩株(ねがさかぶ)」と呼ばれる高額な銘柄も多くあります。

このような銘柄に投資するには、最低でも数百万円の資金が必要です。つまり、投資できる金額が多ければ多いほど、選べる銘柄の幅が広がります。また、資金が多いと複数の銘柄に分散投資できるため、リスクを抑えやすくなるでしょう。

不動産投資の場合、一般的に初期費用が数百万円から数千万円かかります。そのため、1,000万円の資金があれば、本格的な不動産投資を始めやすくなります。さらに不動産投資ローンを利用すれば、自己資金以上の規模の物件に投資することも可能です。

不動産投資は物件を購入して賃貸に出すことで、毎月安定した家賃収入を得られるため、他の投資商品と比べて安定したキャッシュフローを期待できます。

資産運用を始めるときに知っておきたい4つのポイント

初めて資産運用をする際には、いくつかの基本的なポイントを押さえておくことが大切です。

資産運用の目的を決めておく

資産運用を始める前に、明確な目的を決めておくことが大切です。目的が定まらないまま運用を始めると、途中で方向性を見失ったり、リスクの高い投資に手を出してしまったりすることがあります。

例えば、老後の生活資金を増やすためなのか、数年後の住宅購入資金を作るためなのか、自分がなぜ資産運用をしたいのかを考えましょう。

目的を定めれば、リスク許容度(損失を受け入れられる度合いのこと)や運用期間が明確になり、それに応じた投資商品を選べるようになります。さらに、明確なゴールがあることで、運用中に市場が不安定になった際にも冷静に対処でき、感情的な判断を避けやすくなるでしょう。

まずは少額で始めてみる

資産運用は、少額からスタートするのが基本です。初心者の場合、いきなり大きな金額を投資するのはリスクが高く、運用が思い通りにいかないと大きな損失を出してしまう可能性もあります。まずは少額でリスクを抑えながら、運用の流れや金融商品について学び、経験を積むことが大切です。

短期間で利益が出なくても焦らない

資産運用では、短期間で大きな利益を期待しないことが重要です。すぐに結果が出ないと焦ってしまい、運用方針を頻繁に変更したり、早まって売却したりしてしまうことがあります。しかし、資産運用は長期間続けることで複利の効果が働きやすくなる側面があるので、時間の経過とともに資産が増えていくのが一般的です。

例えば、株式や投資信託は短期的に値動きが激しくなることもありますが、長期的にみると成長していく傾向があります。1年や2年で利益が出なくても、10年、20年という長期スパンで考えることで、資産が増えていく可能性があるため、焦らずに運用を続けるのが大切です。

分散投資を意識する

資産運用で成功するためには、分散投資を意識することも重要です。分散投資とは、異なる種類の金融商品や異なる地域に資金を分けて投資することで、リスクを分散する方法です。

例えば、株式だけでなく債券や不動産など、さまざまな資産に投資すれば、リスクを抑えながらリターンを狙えます。

まとめ

資産運用を始める際には、自分に合った方法を見つけることが大切です。特に初心者の場合は少額からでも無理なく始められる運用方法や、長期的な視点でコツコツと資産を積み上げていく運用方法が適しているでしょう。

今回紹介した方法を参考にしながら、資産運用を始めてみてください。

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オカネノホンネ編集部

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