外資系の生命保険会社のメリット・デメリットとは?

保険全般

生命保険を選ぶ際、「外資系か国内か」で迷う人も多いのではないでしょうか。外資系生命保険会社は、世界基準のサービスや独自の商品ラインアップが魅力ですが、その一方で知っておきたい注意点もいくつかあります。

この記事では、外資系の生命保険会社のメリットとデメリット、どんな人に向いているのかをわかりやすく解説します。

外資系生命保険会社とは?

外資系生命保険会社とは、外国の企業や投資家が一定以上の出資を行っている生命保険会社を指します。主に海外の大手保険グループの一員として、日本市場で活動している企業が該当します。プルデンシャル生命やジブラルタ生命などは、代表的な外資系生命保険会社です。

ただし、「カタカナ生保」と呼ばれるオリックス生命やソニー生命といった保険会社は、日本の企業であり、外資系には分類されません。混同しないように注意しましょう。

外資系生命保険会社と日系生命保険会社の主な違い

外資系生命保険会社と日系生命保険会社の主な違いは、商品設計と営業スタイルにあります。

外資系生保は顧客のニーズに合わせたオーダーメイド型の保険商品が多く、主契約や特約などの保障内容を自由に選べることが特徴です。一方で、日系生保では死亡保障や医療保障など、複数の保障内容がひとまとめになっている「パッケージ型」の商品が多い傾向にあります。

また、外資系生保の営業は個人事業主として活動するケースが多く、コンサルティング能力の高さが大きな強みです。日系生保は営業スタッフの数が多い傾向にあるため、アフターフォローなど手厚いサポートを受けやすいという強みがあります。

外資系生命保険会社のメリット

ここでは、外資系生保険会社ならではのメリットを解説します。

保険料が安めに設定されている傾向がある

外資系生保の商品は、日系生保と比べて保険料が安めに設定されている傾向があります。他社との差別化や、営業スタッフの数を絞り込んでいることなどが、保険料の安さにつながっていると考えられるでしょう。家計に負担をかけずに必要な保障を得られる点は大きな魅力といえます。

自身に必要な保障だけを選んで加入できる

外資系生命保険会社は、商品設計の自由度が高い点もメリットです。特定の病気に対する保障を手厚くしたり、不必要な保障を外したりすることもできます。

ライフステージに合わせて、本当に必要な保障内容を選んで加入できるため、保障の過不足が生じにくいといえるでしょう。

外資系生命保険会社のデメリット

外資系生命保険会社には多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。外資系生命保険会社ならではのリスクについても理解しておきましょう。

日本から撤退する可能性がある

外資系生命保険会社は、日本市場から撤退する可能性がある点がデメリットの一つです。外資系企業は、経営判断に基づいて他国市場から撤退することがあり、過去にも実例があります。

もちろん撤退したとしても、契約が勝手に無効になることはなく、別の保険会社が契約を引き継ぐため、保障は継続されます。ただし、新たに引き受けた会社の方針により、サービス内容や対応が変わる可能性があるため、注意が必要です。

保険に関する知識を身につけておく必要がある

外資系生命保険会社の商品は、カスタマイズの自由度が高い反面、自身に適した保障を見極めるための知識が必要です。知識がないまま保険を検討すると、営業担当者が受け取る手数料が高い商品ばかりを勧められてしまう可能性もあります。

自身のニーズに合致した商品を選ぶためにも、保険に関する最低限の知識は身につけておいたほうがよいでしょう。

外資系生命保険会社と日系生命保険会社はどっちがおすすめ?

外資系と日系生命保険会社のどちらを選ぶべきか迷う人も多いかもしれませんが、近年商品設計やサービス内容などの違いは少なくなってきています。

また、どちらも金融庁の登録を受け、保険業法に基づいた運営を行っている点は変わりありません。

ソルベンシーマージン比率(保険会社の健全性を測る指標)や格付け(第三者機関が企業の財務情報などをもとに、保険金支払いに関する確実性を評価したもの)などに問題がなければ、どちらの保険会社であっても安心して利用できるでしょう。

「日系か外資系か」ではなく、最終的には、保険商品の内容や保障範囲、自身に必要な特約が揃っているかを基準に選ぶことが大切です。

外資系生命保険会社一覧

以下は、主な外資系保険会社のソルベンシーマージン比率や格付け、顧客数、特徴をまとめた表です。

ソルベンシーマージン比率(※1) 格付け(※2) 顧客数(※3) 特徴
アクサ生命 607.5 ​S&P:AA-
​Moody’s:Aa3
3,054,467名 保険・資産運用分野のリーディングカンパニーで世界51の国と地域で事業展開している
エヌエヌ生命 828.8 ​S&P 461,723名 中小企業の経営者向けの保険商品を積極的に展開している
FWD生命 1470.3 969,143名 医療保険やがん保険など掛け捨てタイプの商品に強みがあり、「FWD収入保障」は各種ランキングで高い評価を得ている
ジブラルタ生命 920.9 ​S&P 5,723,630名 教職員や公務員向けの団体保険を取り扱っている
プルデンシャル生命 749.3 S&P 1,814,957名 ライフプランナーの質の高さに定評がある。MDRT会員数は日本No.1
マニュライフ生命 929.1 S&P 1,070,533名 135
メットライフ生命 725.1 S&P 9,471,881名 日本初の外資系生命保険会社として営業を開始。多様な販売チャネルと豊富な商品ラインアップが強み
アフラック生命 1135.6 S&P:A+
​Moody’s:Aa3
14,041,981名 日本で初めてがん保険を開発した保険会社で、がん保険・医療保険保有契約件数はNo.1
チューリッヒ生命 1062.5 S&P:AA
​Moody’s:Aa3
1,306,399名 働き盛り世代をターゲットにした「プレミアムシリーズ」を主力商品としている

※1 2023年度末(2024年3月31日時点)のデータ
※2 2024年10月10日時点のデータ
※3 2024年度第1四半期末のデータ

日本で数十年以上、事業を継続している企業も多く、顧客数や信頼性の面でも国内生命保険会社に勝るとも劣らない保険会社ばかりです。

まとめ

外資系生命保険会社は、世界基準のサービスとオーダーメイドで必要な保障を選べる点が大きな魅力です。しかし、日本から撤退する可能性もゼロではありません。また、自由度が高い分、保険に関する知識全くない場合は、必要な保障を選べない可能性もあります。一方で、日系生命保険会社は手厚いサポートを受けやすいのが強みです。

とはいえ、外資系生命保険会社と日系生命保険会社の差は少なくなってきています。また、現在日本で運営している外資系生命保険会社は、日本での実績が豊富で信用力も高い企業が少なくありません。最終的には、日系・外資系という枠にとらわれず、保険商品の中身を比較検討し、自身に適した保険会社を選ぶようにしましょう。

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オカネノホンネ編集部

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