人生では誰しもお金とは付き合っていかなければいけません。お金でリスクに備えるためにも、またお金を運用して資産形成していくためにも、まずは一定レベルの貯蓄が必要になります。貯蓄をする上で節約したり、お得なお金の使い方をする事は非常に重要になります。
この記事では節約とお金を貯まりやすくするための方法を紹介します。
目次
お金の流れを「見える化」する
「そんなにお金を使っているつもりはないけれども、お金がなぜか貯まらない」という事はありませんか。節約にあたってはまずは自分の「稼いでいるお金」と「使っているお金」を見える化していくことが大切です。
そのために家計簿アプリの活用はおすすめの方法です。家計簿アプリでは銀行口座や証券口座、クレジットカードと連携する事ができ、自動で更新がなされます。使ったお金が見えるかされることで家計改善に役立てられます。主要なサービスとしてはマネーフォワードMEやZaim(ザイム)、マネーツリーなどがあります。
貯蓄専用口座をもち、自動で一定金額を貯蓄する
普通の口座だけではなく、貯蓄用の口座をつくりましょう。その上で「生活費を使って残りを貯金する」のではなく、あらかじめ銀行の自動振替機能を活用し先取貯蓄として「収入が入ったらまず一定金額を貯金し、残ったお金で生活する」という形にすれば半ば強制的にお金をためることができます。
固定費を減らすなどの方法で節約・貯蓄する
節約を考える上ではまずは固定費、その次に変動費の見直しをしていくのがいいでしょう。固定費とは住宅費、保険料、通信費、光熱費、車両費など毎月一定額がかかるものです。変動費とは食費や旅行代などです。
固定費の中でも支出に占める割合が大きいものを節約できれば。その効果は長期的に見ると大きなものになります。
もちろん人生を豊かにする上で欠かせなかったりこだわりの出費もあるでしょう。自身のライフスタイルや価値観、資産状況を鑑みて、適宜見直すことができるといいでしょう。
それでは具体的に削減できる固定費を順番に見ていきます。
通信費の見直しでお金を貯める
毎月のスマホ代は中々の出費でしょう。大手キャリアを格安SIMに切り替えることが有効で、月々一人当たり5000円程度は節約できます。4人家族であれば月々2万円、年間24万円の節約ができます。
また自宅にインターネット回線をひいている場合は、スマホとネット回線をセットにすることで通信費をおさえることができます。
格安SIM会社は非常に多くあるため自分に適したものを選んで節約をしましょう。以下の記事は、色んな角度で比較されているので参考にしてみましょう。
参考:★どこがいい?8,459人が選ぶ格安SIM(スマホ)おすすめ比較ランキング作った。★
住宅費の見直しでお金を貯める
家賃や住宅ローンは家計に占める割合も大きいです。住宅費は、ケースバイケースですが手取り月収の30%以内であったり25%以内が望ましいと言われることが多いです。節約・固定費の見直しの観点から「賃貸」「持ち家」「実家」のそれぞれの形態についての留意事項を見ていきます。
賃貸で住宅費を見直す場合、少し駅から離れた物件を選び家賃を下げる。電車通勤であれば歩くことで健康にいいと割り切って、駅から少し離れた物件を選ぶこともできるでしょう。家賃をクレジットカード払いにすることでポイントをためる事も有効です。クレジットカードで家賃を払えるかを不動産会社と確認するのもいいでしょう。火災保険は不動産会社が勧めるものではなく自ら選ぶことで保険料が下がるケースが多いです。
賃貸や実家暮らしではなく、「マイホームを購入する場合」は、リセールバリューが高い物件を選ぶ事で将来的なリスクに備えられます。
購入の際、住宅ローンは面倒かもしれませんが調べてみて、利息が少ない低金利な事業者を選ぶという事も重要です。金利差が0.1%・借入額3000万円の際には総返済額が約64万円、借入額4000万円の際には総返済額が約86万円、借入額5000万円の際には総返済額が約108万円変わってきます(借入期間35年で計算)。住宅ローンを検討する際には「手数料無料」「手数料が一律で安い」といった短期的なことに惑わされず、長い目でまずは金利が低い住宅ローンを選ぶようにしましょう。
引越しの際には必ず相見積もりで複数社からの提案をうけるようにしましょう。また繁忙期でなく閑散期を狙ったり、荷詰めは自分で行うなどをすることで料金を下げることができます。
また若い人で親元に、つまり実家に住める環境がある人にとってはその環境を活用するのも一つの手です。1年親と同居をする期間を増やすことで100万円近い節約効果があるでしょう。
保険の見直しでお金を貯める
保険は人生で2番目に高い買い物と言われたりもします。すでに加入済みの生命保険や医療保険に対して見直しを検討してみるのも一つの方法です。見直しの際にはまずはその保険の「必要性」について考えてみましょう。
日本では公的制度が諸外国に比べて充実していると言われます。実際のケース、リスクの大きさを想定して考えてみます。
万一、家族を残して亡くなった際には、公的な年金制度に加入していると遺族年金が支払われます(会社員や公務員は厚生年金、自営業者で国民年金)。自営業者が加入する遺族基礎年金は妻1人、子ども1人の場合は年間約100万円程度が子どもが18歳になるまで支払われます。会社員であれば加えて遺族厚生年金も支払われるのでもう少し手厚くなります。ただし、子どもが18歳になった年の3月末以降の給付はないので、大学進学を考える際や生活レベルを考えた際に、貯蓄や民間の保険がないと心もとないかもしれません。
病気やケガの際はどうでしょうか。日本は国民全員が健康保険制度に加入しています。
- 医療費は3割の負担
- 高額な医療費がかかる場合は高額療養費制度で収入区分ごとに上限金額が設定。一般的な報酬の人は上限が8万1000円程度に抑えられる
- 会社員や公務員であれば長期間仕事ができない場合も1年半までは傷病手当金でそれまでの標準報酬月額の約3分の2が支払われる
といった特徴があり、金銭的なリスクは一定レベルにおさえられています。民間の医療保険は入院や手術に際して支払われますが、「そこまで高額にならない医療費であれば貯蓄で対応する」という考え方もできます。医療保険の必要性についてより詳細を知りたい人は以下の記事を参照ください。
このように一定レベルの公的保障がある事を考えた際に、自身や家族のライフプランや資産状況とあわせて、保険の加入が本当に必要かを考えてみるのがいいでしょう。
車両費を見直してお金を貯める
車の維持費は車両購入・燃料代・駐車場代・車検・自動車税・自動車保険加入などかさむものです。ケースバイケースではありますが20~70歳まで所有した場合、車種などにもよりますがトータルで2000万円~4000万円程度かかるとも言われています。
この車両費をおさえるために
- 車を買うならリセールバリューが高い(中古で高く売れる)車を購入する
- 車を買う際に、カーローンは利息が高いので使わずに、現金で購入する
- 車を買わずに必要に応じてカーシェアリングやレンタカーを利用する
といった方法があります。
カーシェアリングは月会費は1000円前後の事業者が多く、都度利用料は15分で約200円、6時間利用なら4000円程度が相場です。自動車保険やガソリン代がかからないのも特徴です。近隣での日常使いが多い場合に適しているでしょう。
レンタカーは、車種によりますが6時間で5000~1万円が相場となります。レジャー使いが中心の場合には経済的です。
光熱費を見直してお金を貯める
2016・2017年と電気・ガスの自由化により、大手以外の事業者から電気・ガスを購入できるようになりました。より安い事業者を選ぶことで光熱費で年間4000~5000円は節約できるでしょう。
サブスクリプション・月額サービスを見直してお金を貯める
通信費と同様に月額定額契約をしている音楽・映像配信サービスや、スポーツジムの会費などで、使用状況を見て見直しをするのもいいでしょう。
固定費をキャッシュレス決済で支払、ポイントを貯める
キャッシュレス決済ではポイントが0.5~4%といった幅で還元されます。水道光熱費や携帯電話料金、保険料などの固定費をクレジットカードで払うことでポイントを毎月確実に貯められます。これは実質的な固定費の削減にもつながります。
ただし、多くのクレジットカードについているようなキャッシングには手を出さないようにしましょう。年15~18%という高金利で、時間がたつほどに支払うべき金額が積みあがってしまいます。
まとめ
この記事ではお金を貯めるために、お金の流れの見える化、貯蓄の専用口座の開設、固定費の削減という方法を紹介しました。むやみやたらに節約するのではなく、自分や家族の価値観も大切にしつつ、お金が貯まりやすい仕組みをつくることで家計を改善していきましょう。
難しいお金の話を、ファイナンシャルプランナー技能士や保険・金融商品の専門家が忖度なし「ホンネ」でわかりやすく伝えます。