30代女性にはどんな医療保険がおすすめ?選び方のポイントを解説!

医療保険

医療保険に入るべきか悩んでいる人や、自分に合った医療保険を探している人は多いのではないでしょうか。ひとくちに「医療保険」といってもさまざまな種類がありますので、迷うのも当然です。

この記事では、30代女性の医療保険選びについて解説します。「そもそも医療保険は30代の女性にとって必要なのか」「独身・既婚・子どもありなど家族構成ごとに選び方の違いはあるのか」といった点にも詳しく触れていますので、ぜひチェックしてみてください。

医療保険の基礎知識

まずは、医療保険とはどのようなものなのか、基本をかんたんに整理しておきましょう。

そもそも医療保険とは?

医療保険は、病気やケガに備えて加入する保険です。「入院1日あたり○○円」「手術1回につき○○円」など、特定の事柄が起きたときに契約時に決めた金額を受け取れるものが一般的です。

医療保険ごとに、保険料や追加できるオプション(特約)、どんなときにいくら受け取れるかなどが違います。加入を検討するなら、いくつか資料を取り寄せるなどしてじっくり比較してみるのがおすすめです。

「女性保険」も医療保険の一種

医療保険について調べているとき、「女性保険」という言葉も出てきて混乱してしまうかもしれません。「女性保険=女性向け医療保険」ですので、これも医療保険の一種です。

通常の医療保険と女性保険(女性向け医療保険)の違いを見ていきましょう。

女性保険は、女性しか加入できない医療保険です。通常の医療保険との違いは「女性特有の病気に対する手厚さ」です。

たとえば乳がんで入院したとき、通常の医療保険でももちろん対象になりますが、女性保険だと「通常の医療保険の2倍」など、より多くの金額を金額を受け取れます。

子宮・乳房・卵巣の病気のほか、帝王切開や流産など妊娠・出産に関連するものなども手厚く保障されます。

同じ「女性保険」という名前でも、女性特有の疾病だけでなく「あらゆるガンも上乗せの対象」としている場合などもあります。どこまでが上乗せの対象になるのか確認してから加入したいところです。

たとえば「親族が乳がんになって自分も不安」という人や「今後近いうちに妊娠するかも」という妊活中の人などは、通常の医療保険より女性保険のほうが安心できるかもしれません。

ただ女性保険は、保障が手厚いぶん保険料が高くなりがちでもあります。家計の状況などを踏まえて判断しましょう。詳しい判断方法は後述します。

女性向け医療保険についてをもっと知りたい人をは以下の記事を参照ください。

医療保険のメリット&デメリット

突然の病気やケガに見舞われてもお金の心配をせずに済む、というのが医療保険の大きなメリットです。入院したことで収入が減っても、貯金がなくても、医療保険があれば治療に集中しやすいでしょう。

その一方、医療保険に一度加入すると、毎月一定額の保険料を数年~数十年に渡ってずっと支払い続けていくのが一般的です。医療保険の多くは「掛け捨て」ですので、ずっと健康なら1円も受け取れないという可能性もあります。

医療保険の加入率はどれくらい?

日本では、実に多くの人が医療保険に加入しています。生命保険文化センターの「2021(令和3)年度 生命保険に関する全国実態調査」によれば、医療保険や医療特約の世帯加入率は93.6%でした。

また、同センターの別の調査(令和元年度生活保障に関する調査)では、「病気やケガに備えて経済的な準備をしている」と答えた30代女性は88%にのぼりました。これは、全体の平均(83.3%)や20代女性(65.5%)・30代男性(85.1%)と比べても高い数値です。

具体的にどんな手段で準備しているかという質問では、「準備している」と答えた人のうち約8割が「生命保険(医療保険やガン保険など)」と答えています。

医療保険の加入率についてもっと詳しい記事を知りたい方は以下の記事をご参照ください。

30代女性に医療保険は必要?不要?判断する方法

30代女性で医療保険に加入している人は数多くいます。しかし、そもそも医療保険は本当に必要なのでしょうか。「もしもの安心」と「毎月の保険料負担」を天秤にかけて、どちらを取るべきか迷ってしまうかもしれません。

ここでは、自分にとって医療保険は必要なのか不要なのか、判断する方法について解説します。

必要な保険を見極めるには

そもそも保険は、自力でカバーできない出費を補うためのものです。

もし急に想定外のことが起きても困らないだけの貯金がある人、家族から気兼ねなく援助を受けられる人、社会保険や勤務先の福利厚生が手厚くて出費を抑えられる人などは、無理に保険に入らなくても問題ないかもしれません。

医療保険に限らず、必要な保険を見極めるには以下の式を意識してみましょう。

【必要な保障額=いざというときにかかるお金-もらえるお金-用意できるお金】

病気やケガのとき、いくらかかる?

「いざというときにかかるお金」は、病気やケガの場合いくらくらいになるのでしょうか。ずっと健康で入院や手術を経験したことがない人にとっては、なかなかイメージしにくいかもしれません。

生命保険文化センターの調査(令和元年度 生活保障に関する調査)によれば、過去5年以内に入院したことがある人は13.7%でした。その人たちに、入院時に自己負担した費用(治療費、食事代、衣類代などの合計)と入院によって失った収入の合計額を尋ねたところ、平均は「30.4万円」でした。

病気やケガのときに役立つ公的制度

病気やケガのときに頼れるのは、自分で加入する医療保険だけではありません。日本では、全員が「健康保険(公的な医療保険)」に加入しています。健康保険では、以下のような保障を受けられます。

・医療費の負担が原則「3割」負担で済む
……年齢などによっては1割負担で済む場合も。

・医療費の負担が一定額を超えたら、超えた分を国が支給してくれる。(高額療養費)
……年齢や年収にもよるが、月9万円くらいが上限になることが多い。

・病気やケガで会社を休んでも、1年6ヵ月のあいだは給料の約3分の2が受け取れる。(傷病手当金)
……会社によっては独自の上乗せでもっと手厚く保障してくれる場合も。自営業者などは対象外。

このほか、障害年金や医療費控除など、病気やケガで困っている人のための支援制度は数多く存在します。すでにこういった保障がある状態だと知ったうえで、さらに追加する必要があるのか考えましょう。

ちなみに前述の調査の「入院時に自己負担した費用」は、高額療養費制度を使える人は使って負担を抑えたあとの金額です。

公的な医療保険制度についてより詳しく知りたい方は以下の記事を参照ください。

医療保険や女性保険の必要性が高い人

以上のことから、以下に該当する人は医療保険や女性保険の必要性が比較的高いと言えるかもしれません

➀いざというときに「かかるお金」が多い人
……家族を経済的に支える大黒柱の人、入院時にベビーシッターなどを依頼する必要がある人、「個室に入院したい」「健康保険の対象にならない先進医療も受けたい」などこだわりがある人 など

②いざというときに「もらえるお金」が少ない人
……自営業やフリーランスのように社会保障が手薄な人 など

③いざとういうときに「用意できるお金」が少ない人
……貯蓄が少ない人、経済的に家族に頼れない人 など

30代女性の医療保険【家族構成別】おすすめ例

女性の中には、独身でバリバリ働いている人もいれば、結婚して共働きの人、子どもが産まれて仕事を辞めた人など、さまざまな人生を送っている人がいますよね。30代といえば、特に人による差が大きい時期かもしれません。

生活環境が違えば、必要な保険も変わってきます。ここからは、独身や既婚などのパターンごとに、医療保険選びの一例を見ていきましょう。

「独身&1人暮らし」の場合の医療保険の必要性

独身で1人暮らし、養うべき家族がいない状態と考えると、あくまで自分自身を守るための保障だけあれば問題ないと言えるでしょう。

「貯金が苦手で、もしものときに数十万円の費用をすぐに捻出するのが難しい」という状態なら、医療保険に加入しておくと安心です。家計への負担が気になるなら、最小限の保障だけに絞ることもできます。医療保険は一生涯ずっと保障が続くものも多いですが、その場合、できるだけ早い段階(年齢が若いうち)に入っておいたほうが、支払う保険料の総額が安く済みます。

一生のどこかのタイミングで医療保険に入る可能性が高いと考えるなら、今はそこまで必要としていなくてもあえて入っておいて、加入時の安い保険料のままずっと固定しておくというのも1つの方法です。

「既婚&共働き&子どもなし」の場合の医療保険の必要性

結婚して夫婦共働きで、子どもがいないという状態なら、基本的には前述の「独身&1人暮らし」と同じ考え方で問題ないでしょう。

夫婦どちらかが病気やケガに見舞われても、もう片方の収入だけで問題なく家計が成り立つ状態なら、医療保険に入っていなくても困らないかもしれません。

ただ、前述のとおり安い保険料のうちに入っておくというのも1つの方法ですし、将来的に妊娠・出産を考えているなら「女性保険」も有力な選択肢になるでしょう。

女性保険なら、帝王切開・切迫流産・妊娠悪阻などのときには保障が手厚くなりますし、乳がんや卵巣機能障害など女性特有の病気のときにも役立ちます。近年は、不妊治療中の人のための医療保険なども登場しています。

ちなみに、若いうちに女性保険に入っておいて、いつか妊娠・出産の可能性が低くなったり貯金ができたりしたタイミングで「女性特約」を外して通常の医療保険のようにして、保険料を抑えつつ保障を続ける、という方法を選ぶ人もいますよ。

「既婚&子どもあり」の場合の医療保険の必要性

既婚で子どもがいる人の場合、病気やケガのときには、自分の身体のことやお金のことだけでなく、子どものことも気になるという人がほとんどではないでしょうか。

自分が配偶者と子どもを養っている一家の大黒柱で、もし入院して働けなくなったら家族全員が困窮してしまうかもしれません。基本的に、守るべき家族が多い人ほど、もしものときに必要な生活費が多く、保険は手厚く用意しておいたほうが安心です。

専業主婦(主夫)で「経済的に家計を支えているわけではないから……。」という人でも、入院したら家計にダメージを与えてしまうことがあります。医療費はもちろん、残った家族だけでは家事や育児に手が回らず、惣菜の購入や外食が増えたり、ベビーシッターやヘルパーに来てもらったりして出費が増えるケースも。

このあたりは、単に家族構成だけでなく、子どもの年齢や両親の支えの有無などによっても状況が変わってくるでしょう。

先述の「必要な保障額=いざというときにかかるお金-もらえるお金-用意できるお金」という式を思い出して、いくらかかるのか、いくら出せるのか、できるだけ具体的な数字で考えてみましょう。

医療保険ごとに違いはある?選び方のポイント

保険は「入るか入らないか」だけでなく「どんな保険にどれくらい入るか」も重要です。同じ「医療保険」という名称でも保険会社によって内容が違うため、複数比較して選ぶのがおすすめです。

とはいえ、複数の保険を見てみても「どこを比較すればいいのかわからない」「何を基準に選べばいいの?」と余計に迷ってしまうかもしれません。最後に、医療保険ごとの違いが出やすいポイントと選び方について確認しておきましょう。

「保険料」で選ぶ

もっとも比較しやすく、しかも家計に与える影響が大きいのが「保険料」でしょう。医療保険の保険料は、同じ保険内容でも加入するときの年齢によって変わります。

最近は、保険会社の公式サイトなどでかんたんに条件を入力するだけで、すぐに見積もりできるところが増えています。自分の年齢や性別などを入れて、「入院1日あたり5000円」などなるべく保障内容の条件もそろえて、複数社で試してみましょう。

医療保険によっては、「健康体」や「非喫煙」など一定の条件をクリアすることで保険料が割引になるものもありますよ。

また、安く見えても、途中で更新があって保険料が上がる予定になっている保険もあれば、保険料は高めですが「使わなかった分の保険料はあとから戻ってくる」という保険も。

単に目の前の金額だけでなく、今後上がる可能性はあるのか、いつまで加入し続けられるのか、保険料の支払いはいつまで続くのかなどもあわせて確認しておきましょう。

「保障される範囲」で選ぶ

どんなときにお金が受け取れるのかも必ず確認しておきましょう。たとえば入院給付金を受け取れる条件には、「日帰り入院でもOK」「1泊以上の入院から」「5日以上の入院が必要」などのパターンがあります。何日分の入院までカバーできるのかも違います。

また、女性保険でもどんな病気が保障の上乗せの対象になるのかが違ったり、よくある「三大疾病特約」でも「三大疾病」に含まれる範囲が違ったり、細かいところに差があります。あとから「こんなはずでは」とならないよう、できる限り確認しておきましょう。

「保障が手厚いほどいい」と思うかもしれませんが、保障が手厚いほど保険料が高くなるのが一般的です。どこまでなら自力で出せそうなのか、どこからは保険で補わないと厳しいのかを考えて、保険料と保障内容のバランスを見つつ検討するのが理想的です。

「付けられる特約」で選ぶ

多くの医療保険では、入院と手術のときにお金が受け取れるのが「基本保障」になっています。基本保障だけでなく、そこに追加できるオプション(特約)もあり、どんな特約を選べるかも医療保険ごとに違います。

女性特有の病気のときに通常より手厚く保障される「女性特約」、ガンのときに追加で給付金が受け取れる「ガン特約」、健康保険が使えず高額な先進医療の費用をまかなえる「先進医療特約」などさまざまな特約があります。

いくつかの医療保険を見比べることで「こちらの保険には○○特約が付けられるのに、あの保険には付けられない」など違いが見えてきます。希望する特約があるなら、それを付けられる医療保険だけに絞って探すということもできますね。

「加入しやすさ(※健康に負担がある人 告知内容や引受基準緩和型など)」で選ぶ

医療保険は、「加入したい」と言った人全員が加入できるわけではありません。なかには、せっかく医療保険に申し込んでも、持病や通院歴などを理由に断られて加入できない人もいます。加入できるかできないかの基準は、保険会社によって違います。

医療保険に入るときには、必ず健康状態の申告(告知)が必要です。健康に不安がある人や妊娠中の人は、まず告知の項目をよく確認してみましょう。

通常の医療保険への加入が難しい場合は、引受基準緩和型(持病がある人でも入れるタイプ)の医療保険を選ぶという方法もありますよ。

まとめ

同じ「30代女性」でも、医療保険に加入する必要があるかどうか、どんな医療保険を選ぶべきか、それは人によって大きく違います。

家族の有無や家計の状況などを踏まえて、よく考えて選びましょう。この記事で紹介している「必要な保険の見極め方」や「選び方のポイント」も、ぜひ参考にしてみてくださいね。

オカネノホンネ編集部

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難しいお金の話を、ファイナンシャルプランナー技能士や保険・金融商品の専門家が忖度なし「ホンネ」でわかりやすく伝えます。

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